測定データの使い方 | Analog of Magic もみじとクラフトマンのblog

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測定データは本来アンプ同士を比較するためのものではありません!どこが悪いのか見極め改良するために使います。校正してある機器であっても別の個体なら少なからず誤差はあるので、比較するのならその誤差を織り込んで比べないと意味がありません。

 

私はパワーアンプなどの電源電圧が高くオペアンプが使えないアンプも設計しますので、どちらかというとディスクリートアンプをいじっていることのほうが多いのです。最近も試作したものがあるのですがどうしても部品点数が少ないと特性が出ない部分があります。少ないとは言っても機能上必要のない素子を除いてchあたり20石程度あるんですけどね。


良くできたアンプには問題になるほど大きな歪みも雑音もクロストークも発生しませんし周波数特性にピークやディップもないです。しかし高性能なオペアンプを使っていても歪みの大きなアンプはありますし、ディスクリートアンプを設計し測定したことがあれば予想した値と実測が違った…なんて経験がある人も多いはずです。

このときに、たとえば歪みでは何次歪みが大きいのかわかれば発生箇所を特定して対策することができます。周波数特性は実測値でグラフを描いて理論値と見比べます。可能であれば歪率も理論値を出したほうが良いですが、ディスクリートの場合は非常に複雑な計算が必要です。

オペアンプを用いたものでは大凡の値がすぐに出ますのでそれを用いれば良いでしょうね。

 

 

ディスクリートアンプはもちろん、オペアンプを用いたアンプも理論通りの値を出すのは少し技術が必要です。見えないものを手探りでやるより見えるようにした方が捗りますし、知らない部分にも気付けると思います。ノウハウや特殊な技巧は本来基礎の先にあるものですので、技術的な裏付けがないものは別の何かです。確認できるものは確認していきましょう。

ただし現実を見たくない場合はこの限りではありません。