別の製作者様やメーカー様のアンプを「これどうですか?」と聞かれることがあります。「AoMのアンプを使用していて技術力に信頼を持てるから」との理由で意外と多いです。個人的な付き合いがある方からも同じような問い合わせは時々ありました。
直近では「過去のモデルで発振していたところの新型について」聞かれましたが写真などから推測できる部分は限られています。必要に応じて確定していることと私の推測や予想は分けてお伝えするようには心がけています。しかし現物を測定してみないと何とも言えない部分が多いのです。逆に十分な測定データと写真が何枚かあれば大まかな構造はかなりの精度で予想できるのですけども。
なお技術面とそれに付随することのお答えしかできません。心情面はご自身で判断することです。
データを出すのは設計や製造している人の責任だと思います。当方は疑問の残るものを購入するお手伝いはしたくないですし、このような相談をされてしまうとその購入目的がたとえ動作の実験であったとしてもこちらのモチベーションは下がります。
科学的に良くないものが売れる状況が続いた先にある世界がどうなるか考えたことがありますか?その先には誰も科学的に優れた設計をしない世界が待っているでしょう。すでにその傾向が見え隠れしているように思います。
公表されていないデータを求めるのは失礼ではありません。自信があれば公表してくれると思います。でも企業秘密だとかデータに表れない音があるんだ!と言って出してこないところも多いかもしれませんね。それは科学的に信用を落とすだけだと思いますけれど。ただし問い合わせる際はデータの意味を理解し、間違った考察はしないようにしてください。
データに現れない(測定しにくい)部分で音に差が出ることよくはあります。だからこそ優秀な特性と音質を両立しているものもありますし、特性が良く見えても音がいまいちなものもあるわけです。