偏重した知識の落とし穴?
本をたくさん読めば、知識は確かに増えていきますが、はたしてそ
れと正比例して人間性が豊かになれるでしょうか。
世の中には、読書好きの人はたくさんいますが、知識が増えれば
増えるほど、型にはまったマニュアル的な知識で頭でっかちになっ
てしまう人がいるようです。
その典型的なケースは、読書家が本を読まない人をバカにする
傾向があるということです。「本を読まない人=バカ」という図式は
いったいいつの間にできあがったのでしょうか。
大学までの高等教育を受けたはずの若者を見ると、この図式が
必ずしも当てはまらないようです。なにより日本人としての基本的
な国語力(漢字、語彙、読解)の不足という事実に、考えさせられ
ることがあります。
ところで、私が子供のころ親はほとんど小学校しか出ていません
でしたが、周りには字の読み書きのできる人がたくさんいて、尊敬
さえしていたものです。
自分の父親も小学校出でしたが、新聞を読むため朝は家族より
一時間も早く起きて、辞書を引きながら練習したお蔭で、記事は隅々
まできちんと読めるようになったそうです。
ところがどうでしょうか。今は大学生でも新聞がまともに読めない
者が少なからずいます。さらに驚くのは、電子辞書の広辞苑を引か
せると、語句の説明文が読めなくなっているのを何度も目にしました。
広辞苑は国民的な辞書とされていますが、大学生をはじめ若者の
多くがルビなしでは読めなくなっているとすれば、大きな問題では
ないでしょうか。
今ではほとんどの子供が高校や大学まで進学するという高学歴
社会ですが、その間に詰め込んだ知識はどのような役に立っている
のか、疑問に思わざるをえません。
単なる知識の詰め込みは弊害をもたらすだけですから、ぜひ読書を
通じて大いに考える力を養い、真の意味の知識を身につけてほしいもの
です。



