ANACHROVER Story of 2012 Autumn & Winter
ANACHROVER Story of 2012 Autumn & Winter
~After the dark~
旧市街の入り口を抜けると、視界の全てがオレンジの靄で染まる。
「祈りの街」と呼ばれるこのロトゥース街には多くの教会が建ち並び、その一つ一つを囲うように、また石畳の路地や店の入り口にも、公園や噴水の周囲にも橋の欄干にも、数えきれぬほどのキャンドルが並べられる。
街を満たす灯火は合唱するようなリズムで伸び縮みし、自由な形に歪んでみたり、彩度を増したり色相を変えてみたりする。
そう、今日は年に一度のキャンドルナイト。
この街で開かれる一大イベントが今年も幕を開けた。
午後九時になると市民たちは一同にこのロトゥースに集結し、キャンドルの炎とともに街中の教会を巡る。
外壁全体が唐草模様で装飾された、この街で最も古いナッカス教会。
天井や聖堂正面に施された十字架型のステンドグラスによる神秘的な光。
その合間を縫うようにして、美しい賛歌が響き渡る。
キャンドルを手にした市民はゆっくりと身廊を進み、祈りの声を上げる。
「神に、そして己の良心に祈りを。
過ちを犯さない道を選び、幸福への道を歩むための祈りを…」
祭壇まで来た市民は神父が手にする萎れた薔薇の花びらにキャンドルの灯を移す。
市民の祈りによって生気を取り戻すと言われるこのGod Roseが生き返るまで、キャンドルナイトは終われない。
煉瓦造りのもの、彫刻家によってデザインされた石造りのもの、宮殿風のものや民家のようにささやかなもの、広大な花壇付きのもの、壁画だらけのもの…この街のあらゆる教会で、今夜、God Roseが再び色づく。
「今日はキャンドルナイトの日だな」
「また今年もあの黒い教会で、悪魔の称号を受けちまう可哀相な奴らがいるってわけか…」
背中からカルロとアンドレアの話声が聞こえる。
シワだらけのシャツの袖で汗を拭う二人は、一年前のキャンドルナイトで悪魔と化し、政府組織の連中を襲撃して捕まってしまった。
ここは途方も無く、儚く広がる、サンターナ牢獄保有の果樹園。
突き刺すように光を放っていた巨大な太陽が、一気に西へと傾き始めた。
等間隔に並んで種を撒く囚人たち。
彼らは一日十時間以上もの過酷な労働を科せられ、食料は僅かな飼料用トウモロコシと数グラムの塩しか与えられず、悪臭立ちこめる牢獄の鉄格子の中で夜を越す。
病死する者や餓死する者の数は計り知れない。
ルールを守れなかった者、労働のノルマを果たせなかった者は、次々に銃殺されてしまう。
一匹のハエを叩き潰すのと同じようにとても簡単に…この世から排除される。
脱獄や自殺を図れば最後。本人のみならずその家族までもが残酷な公開処刑を受ける。
三ヶ月ほど前。
音楽と芸術の島、カヴァーズアイランドで出会ったガラスアーティストのソフィアに頼まれて、俺はこの地に住む彼女の両親に一通の手紙を届けにやって来た。
その手紙を渡すやいなや、膝のあたりを大胆に継ぎ接がれた厳ついカーゴパンツのポケットに両手を突っ込むソフィアの親父はフテッた眼で俺を睨みつけ、母親はというと腹を抱えてケラケラ笑い始めた。
~私が初めて恋をして、初めて失恋をしたのは、この人よ~
ソフィアのたったその一文のためだけに俺は海を渡って遥々ここまでやって来たのだ。
「どうしてもパパとママに伝えなきゃいけないことがあるの…」泣きながらそう言った15歳のソフィア。
そういえば、ソフィアは島一番の“悪戯っ子”だって、散々ペティから聞かされていたのに…
そして俺はサンターナ牢獄内で医者として働くソフィアの親父に無理矢理連れられて、獄中の監視官として働くことになったのだ。
期間は三ヶ月。
未だに眠れない日々。
瞼を閉じると、処刑台で死んでいった人間の魂が不気味な光を放ち、暗闇の中を頼りなげに彷徨う。
血の絵の具で乱雑に引かれた正義と悪の境界線。
意図せず悪魔の称号を受け、乱暴な勇気を授かってしまった者の死。
選択肢など無く、それでも何かを選択しようとする人たち。
俺には分からないことだらけだ…
自分が眠っているのか起きているのかも、生きているのかどうかも、本当に自分なのかどうかも、わからない。
時折、ダウンコートの内ポケットに潜ませた拳銃の重みにさえ耐えかねて、崩れ落ちそうになる。
ここで過ごす三ヶ月は、俺には長過ぎる。
「カルロ、お前はあの黒い教会に入ってしまったことを後悔しているのか?」
「いいや、俺はあの日から、後悔なんてくだらない考えは捨てちまった。何が正解かなんて知ったこっちゃないさ。まぁここでの生活は残酷すぎるわけだが…それでも俺にとってはこれが良かったのかもしれない。俺って馬鹿だよな。こんな状況でも、自分の力でどうにか変えてやれるんじゃねぇかって、思っちまうんだ」
「気付くのが遅い。お前も俺も、世界一馬鹿な悪魔さ」
この街にはもう一つのキャンドルナイトがある。
カルロとアンドレアが悪魔と化した、闇のイベント…
ロトゥース街の外れにある一堂の黒い教会に迷い込んでしまった者は皆、悪魔の神からデビルスターのネックレスを授かり、暴力的で凶暴な悪魔に変容する。
正義感を剥き出しに、恐れを知らずに立ち向かう勇気を手にしてしまうのだ。
「世界一か…。内容はどうあれ、世界一は世界一。いい響きだ」
カルロとアンドレアの笑い声が大きくなるのを、俺は咳払いで抑制する。
労働中は私語厳禁。
上質な厚手のダッフルコートに身を纏って粗探しに眼を光らせる他の監視官にバレれば、半殺しの目に遭わされてしまう。
大きさを増した太陽が、地平線の裏側へと沈んでゆく。
そうして夜が朝を迎えるように…
泥の汚れでサテンの織り目を失った囚人たちのカーゴパンツが、雨水によって鮮やかさを取り戻す時のように…
いつか彼らも、陽のあたる安らいだ場所へと導かれるだろうか。
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いよいよ明日から展示会。
皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げます。
ARISA
2012 A/W EXHIBITION
今月24日より3日間、都内で展示会を開催致します。
物語の主人公が目の当たりにする、darkな世界。
(ずっと向こうの地平線の、その裏側。それが荒れ狂う血の海ではなく、静穏で長閑な世界であればいい……)
そんな主人公の望みを差し置いて、現実は生々しく残酷に過ぎる。
まだまだ終わらない彼の旅とともに、ANACHROVERは今回も歩み続けます。
そして今シーズン、なんと…
デザイナーhiroさんの兄貴的存在、ドラマーTOSHIさんとのコラボレーションも!!
より多くの皆様に、今回の物語を肌で感じて頂けますように…
展示会の準備に奮闘しています。
ARISA
ANACHROVER×TOSHI NAGAI決定!!!
尊敬する先輩です。
GLAYサポートドラマー"TOSHI NAGAI"
トシさんとは、よく服の話で盛り上がってました。
あんな服やこんな服。
いつも想像の中で話していた事がついに実現させることが出来ました。
ANACHROVER×TOSHI NAGAI
楽しい服作りの始まりです♬
そして、
更に、、、、、、
なんと!!!!!
あのPUERTA DEL SOLとのトリプルネームも決定!!!!!
力強く、美しく、新しいブランドの誕生です!!
HIRO


GLAYサポートドラマー"TOSHI NAGAI"
トシさんとは、よく服の話で盛り上がってました。
あんな服やこんな服。
いつも想像の中で話していた事がついに実現させることが出来ました。
ANACHROVER×TOSHI NAGAI
楽しい服作りの始まりです♬
そして、
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なんと!!!!!
あのPUERTA DEL SOLとのトリプルネームも決定!!!!!
力強く、美しく、新しいブランドの誕生です!!
HIRO









