放課後 東野圭吾/著 講談社(1985/9)



今年4冊目は、前回に引き続き東野圭吾。彼のデビュー作であり、江戸川乱歩賞受賞作。

「青春ミステリー」というジャンルに分類されるらしい…?ならば加賀恭一郎シリーズの第1作目もそうなるのかしら?

主人公は女子校に勤務する数学教師。名を前島という。淡々とした性格で、授業中は雑談で脱線することもなくひたすら授業に徹し、延長もせずチャイムが鳴ると同時に授業を終えるため「マシン」というあだ名で呼ばれている。

しかしながら面白みがないと嫌われている風ではなく、顧問をつとめているアーチェリー部の主将のことを「ケイ」と呼んで仲良くしていたり、意外にモテていたり?教師としての評判も悪くはないらしい。

そんな前島であるが、頭上から鉢植えが落ちてきて命の危険を感じる場面から物語が始まる。

駅のホームから突き落とされそうになったりなど、命を狙われているのではないかという疑念を抱いている。物語の導入としてはなかなか悪くない。読者の興味を一気にグッと引き寄せる。


ミステリーはあまり語ってしまうと「ネタバレ」になってしまうので、感想を書くのが難しい。

犯人は途中でなんとなくわかってしまったが、動機の部分がなかなか見えてこなかった。

まさかあの場面が伏線になっていたとは、ね!

事件の真相がわかったのち、「あれ?あのことは解決してないじゃないか?」と思ったら、残り2、3ページくらいでまさかの展開。えええ〜?!ここで終わっちゃう?


全体としては面白かったかな。賞を取ったのも納得。ライトノベルほど軽くはなかったけど、サクッと読めました。