祈りの幕が下りる時

東野圭吾/著 講談社(2013/9/13)


今年3冊目は東野圭吾の『祈りの幕が下りる時』。加賀恭一郎シリーズの第10作目の作品。

相変わらず地道で粘り強い捜査が魅力ですよね。従弟の松宮くんも、だんだん一人前の刑事に成長してきました。以前のような反発心がなくなって恭一郎と仲良くしている様子がなんだか微笑ましいです。

なかなか繋がらない点と点が繋がった時、ほんとにすっきりします。終盤で畳み掛けるように全てが明らかになっていく様は爽快。

全てのことにちゃんと説明がつく。伏線を全部回収して終わるところは流石だなという感じです拍手

しかも今回は、今まで散々話題にのぼっていたもののあまり詳しくは書かれていなかった恭一郎の母親が出てきます。それだけでもファンには読む価値ありですよね。


加賀恭一郎シリーズと言いながら、従弟の松宮脩平を中心として物語が展開していくので、恭一郎の心情などはあまり語られません。読者が想像するしかなく、そこも東野圭吾のうまいところかもしれません。母親のことをどう受け止めたのかだとか、金森登紀子のことはどう思っているのか、などなど。想像の余地があり過ぎる。

震災や原発など、世相を反映しているのも面白いです。他の作品に比べると、このシリーズは社会派ミステリーぽいなというのが私の印象です。

東野圭吾の作品は、文章が読みやすい上に、テンポよく最後までダレることなく一気に読ませてしまう。とても面白くて好きな作家さんです。


でもガリレオシリーズは一冊も読んだことなかったりして…てへぺろ

今度挑戦してみます。