こんばんは♪
本日は残業で .・゚・(ノд`)゚・.
やっと帰宅です~。
日付前に間に合いました ヽ(*´∀`)/


さて、パラレルでお送りしている夢魔の恋、次回から急展開になるかと。
ですのでその前に短めの小話、夢魔の恋4.5になります。

どうぞ♪




夢魔の恋 4.5




「まったく…なにやっているのよ」

 ウンスはぼそりとつぶやきながらため息をつき、屋根の上に寝転んでヨンを眺めた。
 ヨンは相変わらず仕事に勤しんでいて、今は部下の訓練中だ。

 だがつぶやきはヨンにではなく、自分自身に対してのもの。

 ————私があなたの願いを見つけてあげる————

 そう豪語したというのに、自分が彼の夢でやっている事と言ったら。

 ————雑談ばかりじゃないの!
 
 初めは何か願いが見つからないものかと、彼の日常の話を聞いていた。だが、思った以上に人間というものはおもしろくて、いつも話に夢中になってしまう。

 特に驚いたのが「治療」だ。人は怪我や風邪の時に医院という人間に頼るのだという。彼らは植物や食物、あるいは生物から薬なるものを作ったり、針や熱を用いて痛みを取ったり出来るそうで、実際に聞いてみるととても興味深い。
 初めてその話を聞いた時は、いつも以上に興味津々で聞いている自分をヨンはおかしそうに笑っていた。

 それからというもの、毎日ヨンは雑談の中で治療についての話をするようになった。ウンスはそんなに毎日医院の世話になるものなのかと驚いていたのだが————

 それを尋ねるとヨンはこう言ったのだ。

「いいえ。私自身が医院の世話になる事はそうありませぬ」
「でもここ数日、あなた毎日治療の話をしているわ」
「ああ、それは…あなたが興味ありそうでしたゆえ————」

 そこまで思い出して、ウンスはもう一度深いため息をつく。

 ————私が楽しませてもらってどうするのよ!

 これじゃ駄目だわ!と握りこぶしを作り気合いを入れ直してヨンを見つめる。
 振り向かない姿に感じる少しの寂しさには気づかない振りをして、そのまま夜を待つ事にした。







「まったく…俺はなにをやっておるのか…」

 ヨンはぼそりとつぶやきながらため息をつき、なんとはなしに屋根を見上げる。今は部下の訓練中なのだが、部下同士で試合をさせているため、一息ついていた。
 なにか気配を感じたような気がしたが誰もいない。おそらく気のせいだろう。

 ぼんやりと、ウンスの顔を思い出す。

 ————私があなたの願いを見つけてあげる————

 そう言った彼女との日々は雑談ばかりだ。あまりにも日常の事を細かく聞いてくるものだから、最初は困ってしまった。

 周りの景色を聞かれても、ヨンが覚えているようなことと言えば、兵士の配置やくせ者が潜めそうな場所の様子で。普通はこんな事を女人に話しても楽しくないだろう。
 だがウンスは、何故そう配置したのか、潜めそうな場所はどういう所かと目を輝かせながら聞いてきて、こちらが驚かされてしまった。

 部下の話をすれば一人一人の特徴に興味を持ち、市場の話をすれば店はどういう風に成り立っているのかを聞いて来る。布で隠している顔は目しか見えないというのに、くるくると変わる表情。それがおもしろくて、つい色々と話してしまう自分にヨンは気づいていた。

 特にウンスが興味を持ったのは「治療」についてだ。
 何がそんなに惹かれるのかと問うたときの事を思い出し、ヨンはもう一度深いため息をつく。

「何故、そのように興味を持たれるのです?」
「だって、凄いじゃない!例えばの話よ?あなたが怪我をした時に、私が治療法を知っていれば治してあげられるのでしょう?」

 そう言って優しく笑ったウンスに、思わず…手を伸ばしてしまった。

「チェ・ヨン?どうしたの?」

 頬に触れるという所で、ウンスが不思議そうな声を出して————我に返った。

「いえ…なんでも、ありませぬ」
「まぁ私は夢の中でしか逢えないから、それは無理なんだけどね」

 そう言って少し寂しそうに目を伏せる姿に、心がざわついた。

 ウンスは夢の中の女人だ。それなのに、起きている時にもウンスの事を考えて————
 姿を探してしまう。

 一体何をやっておるのだと、頭を振ってヨンは部下の訓練に戻っていった。









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