大学院一年の終わり、論文準備で忙しくなってきたこともあり、私はその塾を辞めることにしました。

この塾は、講師陣に学校の非常勤講師が多かったこともあり、ベテラン陣の間で、私は少し距離を置いていました。
しかし、傍観している私ですらはっきりわかるほど、ベテラン講師間で方向性や意識に違いが出てきているように見えることも不安要素のひとつでした。それを反映してか、生徒数も減ってきていたようでした。

私が辞める時には、私が辞めることを惜しんでくれる生徒もいて、講師の方々にも挨拶をし、私はこの塾を円満に辞めました。

けれども。
問題は一ヵ月後に起きました。
辞めて一ヶ月が過ぎた頃。私は、お給料の振込みを確認するために、口座をチェックしました。
ところが。

お給料が振り込まれていませんでした。
何か振込時期の計算を間違えていたのかな?そう思いながら二ヶ月。

やはり振り込まれません。
三ヶ月目に入り、私は塾長の男性に電話をしました。
そこで返って来た答えは。
「私も塾辞めたので、お給料のことはわかりません。すみません。塾に電話をして、経営者に聞いて頂けますか」

その後、塾に電話をし、経営者の方から、経営が厳しくなってしまったこと、そのために支払いが滞っていたことを聞きました。
とはいえ、月数万。払って頂く約束をして、電話を切ったのですが。

最終的に振り込まれた金額は、私の計算よりもかなり低いものでした。
しかし、タイムカードは塾に置いたままでしたし、毎週固定での勤務だったため、メモなども残してはいませんでした。

悔しい。そう思いつつも、正直、それ以上、争うつもりはなくて
そのまま終わりました。
そして、その時に得た金銭管理面での教訓が、私を、その後、チェーンの大手塾へ向かわせることとなりました。

当時塾長だった方は、その後、生徒の一部を引き抜き、自宅で小さな教室をしていると聞きました。
塾長と経営者、そして他講師。
彼らの中で、何か行き違いがあったのか、それは今となってはわかりません。

それから数年。
塾の近くを通る機会がありました。あえて、道を曲がり、塾の前を通ってみました。看板はありましたが、電気は消えていて、塾をやっている気配はありませんでした。
大学院入学後、「他の塾も見てみたい」そんな思いで
ホームページなどの求人をチェックするようになりました。

その中で目に止まったのが、隣区の個人塾でした。
個別形態で、特に担任が決まっている形式ではなかったのですが
勤務日により、担当する生徒は事実上決まっている形でした。
大学院二年になり、思った以上の忙しさに負けるまで、
この塾には一年勤めました。

勤務期間が長くはなかったこともあり、この塾での思い出は多くはありません。
けれども、中1の女の子のグループを担当し、恋愛談、友人関係など、授業の合間に密なコミュニケーションを図ったことは、後の塾での糧となりました。

この塾では「生徒の自主性を重んじる」というモットーでしたが
個人的には、自分が行うべきことを知り、誘惑に負けずに行い、かつ結果を残せるようになって初めて
「自主性を重んじる」べきだと思います。
勉強方法がまだ確立していない中学生にこれを適用してしまうと
「好きな教科だけやる」「苦手なことはやらない」
という状況が出てきてしまうのが現実。

今なぜこれをしなければならないのか
そういったことを、伝えていくのも私達の役目であると考えています。
名古屋市内では、小学校の成績は、◎○△の3段階でつけられています。

現在担当している小6生も通知表を見せてくれました。
担当して数ヶ月が経ちますが、当初多く見られた通知表の△が目に見えて減りました。あと数個、というところまで来ています。
このまま、△ゼロ、を目指したいと思います。

小学校は、中学と違い、数字による評価ではないため、のんびり構えてしまいがちですが、
1教科につき、ひとつでも△がある場合は、危険な状態だと捉えた方が良いと個人的には思っています。
例えば小6で、△がついている教科。これは、中学に入った時、1や2の評定がつく可能性が大きい教科です。
△がある教科は特に、長期休暇などを利用して復習し、基本的な内容をしっかりと定着できるように欲しいと思います。

中学に入ったから頑張ろう、では間に合いません。
小学校の学習は全てそのまま中学での学習に繋がっています。
小学校で学んだ知識を礎に、中学での学習がスタートするので、小学校での基礎学力が身についていないと大変です。

中学生でも、小学校で学んだ小数、分数の計算や割合の計算、単位の換算が出来ない生徒が見られますが、そこに戻って、復習し、更に中学の学習を行うのは大変な労力と時間が必要であり、生徒にとっても大変です。

やはり小学校の勉強は小学校のうちにきちんとマスターして卒業を迎えて欲しいと思います。