韓流ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」が放送されたのは、もうずいぶん昔の話ですが、お水のことを書いていたら、急にこのドラマのことを思い出しました。

 

 このドラマの中には、中医学の知識おが盛りだくさん。いろいろな病気の治し方や、食膳に関することが出てきますが、お水に関しても印象深いシーンがあります。このドラマを見たことのない方もいらしゃると思うので、その中から2つだけ紹介しますね。

 

 その1つ目は、女官見習の幼いチャングムが、女官になる試験を受けるところ。

 「水は良いものか、又は悪いものなのか、意見を述べなさい」という内容の問題が出されます。

 

 女官候補生の少女たちも、すぐには答えられませんでしたが、やがて、1人が「水はよいものだと思います」と答えます。

 すると、他の多くの少女たちも次々にその意見に同意していきます。

 

 そこで、教官は、もう一度、問います。「水は良いものだ、みんなの答えはそうなのか? 全員がそういう意見ということで良いのか? 他に違う意見があるものはいないか?」

 

 その時、チャングムが恐る恐る、声をあげます。

 

「水は、確かに、無くてはならないものだけれど、雨が降り続くと洪水を起こすように、必ずしもいつも良い働きばかりをするとは限らない。つまり、良い面と悪い面、両方あるので、良いとも悪いとも言えないと思う」という内容で答えます。

 

 このチャングムの答えが正解でした。ここでは、水に限らず、どんなものにも、良い側面と悪い側面を併せ持つということを教えてくれています。

 

 私たちはどうしても「良い」とか「悪い」という情報に偏ってしまいがちですが、本当は何事もニュートラルで、良い悪いを決めているのは私たち一人一人の扱い方や捉え方なのですね。

 

 さて、もう1つの水の話は、

チャングムが女官試験になんとか合格し、ハン尚宮という女官のもとに配属になり、ハン尚宮からワンツーマンで教育を受ける場面に出てきます。

 

 ある日、ハン尚宮は、チャングムに「飲み水」を持ってくるように命じます。

 

そこで、チャングムは、すぐに水を器に汲んで持っていくのですが、なぜか受け取ってもらえません。

 チャングムは、何がいけなかったのか分からずに、お水の温度を変えてみたり、採取する場所を変えてみたり、お砂糖を少し加えてみたりと、葉っぱを浮かべてみたりと、毎日、いろいろと工夫してもっていくのですが、何度もっていっても「違う」と言われ、どうして良いかわからなくなってしまいます。

 

 そこで、ハン尚宮は、チャングムにヒントを与えるため、チャングムのお母さんのことを思い起こさせようとします。

 

 そういえば、お母さんはチャングムに水を与える時、必ず、「チャングム、どこか具合の悪い所はない?」「喉は痛くない?」と、いろいろ聞いてから、お水を飲ませてくれていた・・・チャングムはやっと、この「水のレッスン」の答えと意味を理解します。

 

 このレッスンは、『日々の体調によって、身体に良い水が違ってくる』こと、だから、水を用意する前に、飲む人の体調をしっかり確認することが大切なのだということをチャングムに教えるためでした。

 

 チャングムは、尚宮さまに体調を確かめる事無しに、毎日、自分勝手にあれこれ考えて、水を用意していたんですね。だから、どんな水を持っていっても不合格だったのです。

 

 これは、水に限らず、どんなもの、どんなことにも当てはまることですね。

この後は、私が、試してみた水、お茶、飲み物、サプリメントなどについて書いていきます。