移植の入院当日は、あいにくの大雨。
何となく、不吉っぽい嫌な気持ちを押し殺して、
タクシーで病院に向かう。2時間近くかかって、
やっと病院に到着。売店で買い物をして入院受付へ。
案内された部屋は、3つあるバイオクリーンの真ん中の部屋。
トイレとシャワーと冷蔵庫が2つ。クローゼットがないのは
初めて入院した時の部屋と同じだけれど、1つ隣なので
水回りの配置が逆だからなのか、違和感を感じる。
「この部屋は病院の中で一番眺めが良い部屋なのよ」と
看護師さんにそう言われても、全然、心が動かない。
隣の部屋が良かったのに・・・つい、そう思ってしまうのは何故?
自分の中で迫ってくる黒い雲を振り払うように、
荷物を整理。
移植のスケジュールが告げられた。
午前中にいつもの検査
(採血、採尿、レントゲン等)で、昼食。
午後から首にカテーテルを取り付け、
翌日から二日に分けて大量抗がん剤投与。
その翌日に自分の幹細胞を体内に戻す。
生着して体力が回復したら退院。
幹細胞採取の時のカテーテルと違って、
首のカテーテルはあっという間。
移植といっても、全ては首のカテーテルから
流れてくるだけなので、楽。
先に移植を経験された患者さんからは、
そう、聞いていた。
だから、何も心配することはない。
そう思っていた。・・・・