私は、ほとんどテレビ番組を観ない。観るのは、ネットだ。
家族は、観る。テニス・野球・ゴルフの試合や日本のドラマを観ている。
最近、母が観ていたのは、『ブラッシュアップライフ』というドラマだった。最終回で登場人物達が座っていた「宙に浮く椅子」が気に入らなかったらしく、「あの嘘っぽい椅子のせいで、今までの全てが台無しになった。」と、がっかりしていた。
「人生をやり直し、徳を積む」という内容だと知り、とてもアジアンっぽい発想だなと思った。
キリスト教だったら、死後は地下で眠り、世界の終わりに復活して(肉体が必要なので、土葬する)、最後の審判を受け、永遠の住処(天国・永遠の命、地獄・永遠の消滅)が決まる。
だから「人生のやり直し」という発想は、自然ではないように思う。大抵の物事に対する発想は、真っ直ぐに一方通行で、相手からの反応もまた、真っ直ぐ行った力の跳ね返りの様なイメージだ。
仏教では、死後は旅衣装を着せられ、この世と地続きのあの世へ旅立つ。死んで49日経つと、修行の為に、他の存在に生まれ変わる。(肉体に意味はないので、火葬)
六道輪廻で、天界も地獄もグルグル回る六つの世界の一つなので、成仏まで輪廻(リターンマッチ)を続ける。徳を積むと(善行)、より成仏に近付くとされる。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の様な、見えない位に遠い何かまで繋がり、影響し合っているのだという発想に、アジアを感じる。ドラマの最後では、皆で鳩になったらしいから、まだ輪廻(リターンマッチ)の途中なのかもしれない。
宗教のせいなのか、言語のせいなのか、物事を「丸く考える」ことを、何に対しても違和感なく自然に出来るのは、アジアンの(日本人の?)素敵な特徴の一つだと思う。