やがて付き合いが長くなるにつれ、彼はだんだん私を支配したがるようになりました。
私の着る洋服、付き合う知人、趣味やお金の使い道、食事の仕方、自分と一緒にいる時の立ち振る舞いなど・・・
とにかく色々なことに細かく口を出してくるようになりました。
そして、決まって言うセリフが
「お前のために言ってるんだよ」
と・・・。
私が言うことに従わないと、彼は不機嫌になり、明らかに態度が冷たくなったり、無視されたり、時には何時間もネチネチ怒られたりしたので、若くて世間知らずだった私は、困惑しながらも彼の言うことを聞いていました。
そう、彼はいわゆる『モラハラ男』だったのです。
※モラハラ(モラル・ハラスメント)=精神的虐待
無視・暴言を吐く・嫌味を言う・嫌がらせをする・物に当たる・馬鹿にしたりして相手を貶める・不機嫌にふるまったりする言動をとり、相手をコントロールしようとすること
彼は次第に、
「お前は俺がいないと生きていけないんだよ」
「お前みたいに何もできない女、付き合ってやる男は俺くらいしかいないよ」
などと言ってくるようになり、
自分に自信のなかった私は
「きっと彼の言うことが正しいんだ」
「私がダメな女だから怒られるんだ・・・」
と思い込んでしまい、数年間ずっとそんな言葉を浴びせられ続け、すっかり洗脳されていきました。
ただ、ときどき見る彼の優しい一面に
「やっぱりこの人のことが好き・・・」
と思い直したり、
何だかんだで頼りになるところもあったので、
「本当はいい人だし・・・」
「彼と一緒にいると私も助かるから・・・」
と、無理やり自分を納得させて、それを彼と付き合い続ける理由にしていました。
モラハラする人というのは、『飴と鞭』の使い分けが絶妙にうまいんですよね。
だから、モラハラを受けている側は、普段ひどいことを言われたり、されたりしていても、時折ふっと優しくされると
「あ、本当はこんなに優しい人なんだ」
「私が失敗したから怒られただけなんだ」
と、つい自分に原因があって相手にそうさせたのだと勘違いしてしまうんです。
自己肯定感の低い人は、特にその策略にハマってしまいやすい。
私も彼といる時は、いつも
「彼が不機嫌なのは私が悪いからだ」
「彼を怒らせないようにすればすべてうまくいく」
と思い、彼の機嫌を損ねないよう、とても気を遣っていました。
だけど、そもそも本当に優しい人は
最初からモラハラなんてしないですからwww
親に頼れず、友達もいなかった当時の私には、心の拠り所は彼しかいなかったのです。
彼から離れることが怖かった。
たとえつらくても、苦しくても、1人ぼっちになるくらいなら彼と一緒にいた方がマシだと思っていたのです。
そして5年間の交際の後、結婚します。
(今では大失敗な選択だったと思います)