先ずは、この仕事を始めたきっかけ、そして一番印象に残っている最初に関わったNさんの事。
まだ子供が小さかった為、短時間から働ける仕事をと思い、ヘルパー2級の資格をとり、子供が幼稚園に行っている間に出来る訪問の仕事を始めました。
ところが、最初の訪問で道に迷い遅刻するという大失敗!
しかも、相手は超気難しいNさん。
当然、しこたま怒られ、落ち込み、この仕事向いてないかも…と思いましたが、一年は頑張ってみようと心に決めて続ける事に。
今思えば、独居で生活保護のNさん、かなり難しい方でした。
誰彼かまわず怒りまくるので、ヘルパーや訪問ナースが何人も何人も代わって…という方。
毎回怒られながら掃除をし、料理をし…楽な仕事なんてないから、と自分に言い聞かせながら数か月が経ち、一年経ち。
そうするうちに、何だか気に入られたようで訪問を楽しみにしてくれるようになりました。昔、占い師をしていたと(本当のところは分かりませんが)子供の姓名判断をしてくれたこともありました。
それから2年ほど経って亡くなりましたが、亡くなる前の数か月は、徐々に動けなくなり、喋れなくなり、話しかけても返事をすることもなくなりました。
ある朝訪問すると、お医者さんが亡くなったのを確認した直後でした。亡骸の前で手を合わせさせてもらい帰宅しました。
帰り道、初めて訪問した日の事を思い出しながら、怒っていたNさんも笑っていたNさんも、怒ることもしゃべることも出来なくなったNさんも同じNさんだと思うととても不思議な感じがしました。お若い頃のNさんは全然違う性格だったかもしれません。
高齢者の人生の一部に関わって、人間の奥深さのようなものを少しだけ覗き見たような気がします。
今でも介護の難しいお客様に出会うと、Nさんの事を思い出します。