イングランドプレミアリーグ第32節。注目の判定・注目の試合をピックアップし、簡単に講評する。

 

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Referee topics

 

可哀想な部分はあるが、
接触がある以上ファウルやむなし。

 

 クリスタルパレス vs エヴァートン
(Referee: ジョン・ブルックス VAR: ダレン・イングランド)

 

80分、ホルゲイトが2枚目の警告を受けて退場に。1枚目は接触の強度はそこまで強くなかったが腕を使って相手の進行を阻んだのでファウル妥当。ファウルであれば位置とプレーの方向としてSPA(チャンス阻止)とみなすのが妥当だ。2枚目は結局ボールに触れることができなかったのでファウルやむなし。ファウルであればパレスのカウンターにつながるシーンなので、こちらもSPAでの警告で妥当だろう。可哀想な部分はあるが、判定としては問題ない。

 

 レスター vs ウルブス
(Referee: アンディ・マドレー VAR: クリス・カヴァナー)

 

34分、裏に抜け出したヴァーディーをジョゼ・サが倒してPK。ジョゼ・サがボールに追いすがる中で、「たまたま」ヴァーディーの足を踏みつけてしまった形であり、不用意な接触としてファウルを採られるのはやむを得ない。

 

アクシデンタルな部分はあるが、結果的に足を踏みつける形になっているのでラフプレーでの警告が出てもおかしくないが、今回は提示なし。悪意がなかったこともふまえて、厳重注意のみとする判断は十分に受け入れられる。

 

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各試合の講評

 

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 アーセナルvsサウサンプトン

 
アーセナルはラムズデールのパスミスで早々に失点し、それ以降も常に先行される苦しい展開に。後半の怒涛の攻撃で引き分けに持ち込んだものの、2失点後にようやくいつものプレー強度の高さが戻ってくるなど「らしくない」振る舞いで勝利を逃した…という印象は強い。
 
首位のアーセナルは3戦連続のドローで足踏みが続き、一方の2位シティは6連勝で勝ち点差5。ただ、シティのほうが消化試合が2試合少なく、未消化分を連勝すればシティが逆転…という状況になってきた。
 
CLやFA杯でも勝ち残っているシティは重要な試合が重なり、かなり負担感が高いスケジュールになってくるので、取りこぼしはありうる。とはいえ、次節の直接対決が天王山になることは間違いない。シティがポゼッションする展開が予想される中で、決して多くはないであろう決定機を決め切ることができるかが鍵か。また、プレスの強度・精度はアーセナルの生命線になりそうで、早めの選手交代も含め、強度を保つアルテタ采配にも注目だ。
 

 ニューカッスル vs トッテナム

 
4-3-3のニューカッスルを意識してか4バックを採用したスパーズだったが、前半20分間で5失点。3バック+2ウィングバックに慣れ親しんだ選手たちはポジショニングが安定せずに右往左往するばかりで、特に最終ラインはギャップが生まれまくり。両サイドの選手の位置が下がったことで中盤のプレッシングもまったく機能せず、特に前半はニューカッスル攻撃陣に蹂躙された。
 
3トップに対して数的優位を作れるという面はあるものの、ポロやペリシッチはサイドバックとしては守備力に不安があり、機動力に優れたロメロの適性は明らかに3バック。戦術的な狙いは垣間見えるものの、選手特性との不一致が如実に出てしまった印象だ。
 

この布陣を採用したのがステッリーニ暫定監督なのかコーチ陣なのかはわからないが、CL出場権を争う重要な試合での戦術判断としてはミスと言わざるを得ない。6失点での大敗は、チームのモチベーションという観点でも得失点差という観点でもあまりにも大きい。