ハリウッド版ではリベンジ作品となるゴジラである
自分で言うのは何だか、私はゴジラというキャラクターを死ぬほど愛している
私は今年32歳だが、92年のvsキングギドラ~vsデストロイアまで、当時小学生ながら封切日の初回上映を一人で見に行った
劇場も開いていない朝6時、誰も並んでいない中(と言うか人通りすらまばら)、寒空の劇場前で待っていた
まぁそれがキャラクター愛を示す指標になるわけではないが、当時の大阪府下で最もゴジラが好きだった少年の一人であったことは間違いない
さて、話を2014年に戻そう
今作、いざ見るまで可能な限り事前情報を入れないようにしていた
ただ、ちらほら聞こえてくる噂や、ぱっと見の造形、咆哮等から、オリジナルへのリスペクトを感じられたため、かなり期待はしていた
で、見た後の感想なのだが、一言で言うと『つまらなかった』である
出ているのは確かにゴジラだ、それは間違いない
怪獣の動き、表現等には、オリジナルの感じを残しつつ、邦画では絶対にできないであろう超絶なリアリティと美しさがある
ストーリーに関しても、ゴジラが本来的に持つ核への恐怖、畏怖をテーマに押し出そうとしている感じは見て取れる
前半は日本が舞台だが、原発事故とその跡地で隠蔽されたプロジェクトが進行しているという描写は、一日本人として耳が痛い
個別に見るととてもクオリティが高いと感じられるのだが、全編を通してみると、映画としてはあまり面白くない、中途半端という感想になってしまう
その原因は敵怪獣のムートーの存在にあると思う
まず、ムートー自体の出来が良いかどうかは置いておいて、そもそもゴジラ単体で初回の映画を1本作れないなら最初から作るべきではないと私は思う
初回から敵怪獣との対決を据えるとなると、当然ながらゴジラというキャラクター像を描く時間が圧倒的に足りない
むしろムートーを追いかけている時間の方が長いので、どちらかと言うとムートーが主役怪獣に見えなくもない
結局今作の世界におけるゴジラがどういうキャラクターだったのかいまいち分からず終わってしまう
キャラクターものの映画としてまず中途半端だったと思うし、怪獣バトルをやりたかったのか怪獣の恐怖を描きたかったのかもよく分からず結果的に両方中途半端という感想になってしまう
そして、ただでさえ詰め込み過ぎの中、ゴジラとムートーを押しのけるように出しゃばるのが米軍である
別に米軍自体が出るのは良いし活躍するのも良い
現実的に怪獣が現れた場合、人類代表で戦うのは米軍だし、今作の怪獣は耐久力もかなり高そうなので、ガチンコで戦う姿もそれはそれで楽しみと言える
しかし、怪獣対決をやると決めた以上、観客が観たいのは怪獣バトルである
少なくとも戦闘に関して言えば、人間側は脇役に徹しないとダメだ
そこら辺がいつも上手いなと思うのはトランスフォーマーで、あれも米軍が異常に出てくるが、大事なところはオプティマス達オートボットに譲っている
米軍が倒すのは3番手あたりの敵である
ところが、今作の米軍は登場シーンこそ多いものの、チマチマした動きしかせず、はっきり言って尺の無駄遣いである
あえて今作の設定で米軍のベストな活躍方法を考えるならば、2体いるムートーの片方(小さい方)を担当することだったと思う
ただ、やはり初回なのだから、ムートーは無しにして、普通にゴジラvs人類(米軍)で良かったと思う
日本のオリジナルだって、54年も84年もゴジラvs人類である
そこでゴジラという圧倒的な生物のキャラクター像が定まってから敵怪獣の登場だろう
ていうか自衛隊よりよほど米軍の方が戦えるのだから、なぜいきなり怪獣対決にしたのか意味が分からない
まぁ、お金も桁違いに掛かっているし、最初から全力で要素を入れて後悔しないようにしたのだと思うが、逆に中途半端な映画になってしまったという印象である(続編作れるのかな…)
今作を見て改めて感じるのは、『怪獣映画
』というジャンルを真面目に作るのはとても難しいということだ
そういう意味では、54年と84年のゴジラの出来はやはり神がかっていると思うのである
日本のゴジラ作品が世界的に見て劣っているのはSF表現だけなので、本編は日本が作って、特撮だけハリウッドにやってもらえれば一番良い物が出来るように思う
まぁ日本のゴジラ作品も9割は駄作(映画としては)なので、ハリウッド版もできればこのまま何本か作り続けてほしいものである
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自分で言うのは何だか、私はゴジラというキャラクターを死ぬほど愛している
私は今年32歳だが、92年のvsキングギドラ~vsデストロイアまで、当時小学生ながら封切日の初回上映を一人で見に行った
劇場も開いていない朝6時、誰も並んでいない中(と言うか人通りすらまばら)、寒空の劇場前で待っていた
まぁそれがキャラクター愛を示す指標になるわけではないが、当時の大阪府下で最もゴジラが好きだった少年の一人であったことは間違いない
さて、話を2014年に戻そう
今作、いざ見るまで可能な限り事前情報を入れないようにしていた
ただ、ちらほら聞こえてくる噂や、ぱっと見の造形、咆哮等から、オリジナルへのリスペクトを感じられたため、かなり期待はしていた
で、見た後の感想なのだが、一言で言うと『つまらなかった』である
出ているのは確かにゴジラだ、それは間違いない
怪獣の動き、表現等には、オリジナルの感じを残しつつ、邦画では絶対にできないであろう超絶なリアリティと美しさがある
ストーリーに関しても、ゴジラが本来的に持つ核への恐怖、畏怖をテーマに押し出そうとしている感じは見て取れる
前半は日本が舞台だが、原発事故とその跡地で隠蔽されたプロジェクトが進行しているという描写は、一日本人として耳が痛い
個別に見るととてもクオリティが高いと感じられるのだが、全編を通してみると、映画としてはあまり面白くない、中途半端という感想になってしまう
その原因は敵怪獣のムートーの存在にあると思う
まず、ムートー自体の出来が良いかどうかは置いておいて、そもそもゴジラ単体で初回の映画を1本作れないなら最初から作るべきではないと私は思う
初回から敵怪獣との対決を据えるとなると、当然ながらゴジラというキャラクター像を描く時間が圧倒的に足りない
むしろムートーを追いかけている時間の方が長いので、どちらかと言うとムートーが主役怪獣に見えなくもない
結局今作の世界におけるゴジラがどういうキャラクターだったのかいまいち分からず終わってしまう
キャラクターものの映画としてまず中途半端だったと思うし、怪獣バトルをやりたかったのか怪獣の恐怖を描きたかったのかもよく分からず結果的に両方中途半端という感想になってしまう
そして、ただでさえ詰め込み過ぎの中、ゴジラとムートーを押しのけるように出しゃばるのが米軍である
別に米軍自体が出るのは良いし活躍するのも良い
現実的に怪獣が現れた場合、人類代表で戦うのは米軍だし、今作の怪獣は耐久力もかなり高そうなので、ガチンコで戦う姿もそれはそれで楽しみと言える
しかし、怪獣対決をやると決めた以上、観客が観たいのは怪獣バトルである
少なくとも戦闘に関して言えば、人間側は脇役に徹しないとダメだ
そこら辺がいつも上手いなと思うのはトランスフォーマーで、あれも米軍が異常に出てくるが、大事なところはオプティマス達オートボットに譲っている
米軍が倒すのは3番手あたりの敵である
ところが、今作の米軍は登場シーンこそ多いものの、チマチマした動きしかせず、はっきり言って尺の無駄遣いである
あえて今作の設定で米軍のベストな活躍方法を考えるならば、2体いるムートーの片方(小さい方)を担当することだったと思う
ただ、やはり初回なのだから、ムートーは無しにして、普通にゴジラvs人類(米軍)で良かったと思う
日本のオリジナルだって、54年も84年もゴジラvs人類である
そこでゴジラという圧倒的な生物のキャラクター像が定まってから敵怪獣の登場だろう
ていうか自衛隊よりよほど米軍の方が戦えるのだから、なぜいきなり怪獣対決にしたのか意味が分からない
まぁ、お金も桁違いに掛かっているし、最初から全力で要素を入れて後悔しないようにしたのだと思うが、逆に中途半端な映画になってしまったという印象である(続編作れるのかな…)
今作を見て改めて感じるのは、『怪獣映画
』というジャンルを真面目に作るのはとても難しいということだ
そういう意味では、54年と84年のゴジラの出来はやはり神がかっていると思うのである
日本のゴジラ作品が世界的に見て劣っているのはSF表現だけなので、本編は日本が作って、特撮だけハリウッドにやってもらえれば一番良い物が出来るように思う
まぁ日本のゴジラ作品も9割は駄作(映画としては)なので、ハリウッド版もできればこのまま何本か作り続けてほしいものである
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