米労働省が発表した7月の雇用統計は、米非農業部門の雇用者数が20万7000人増となり、市場予想の18万3000人増を上回る堅調な伸び。失業率は前月と同じ5.0%。3年9カ月ぶり低水準を維持しました。7月の米雇用統計が予想を上回る強い内容だったことを受けて、ドル/円は前週末に112円台を回復。本日8日は、午後1時からの郵政民営化法案の参院本会議採決が最大の注目点です。小泉首相は、否決されれば解散・総選挙に踏み切る意向を示しており、法案が否決される可能性を織り込み、円売り圧力のかかりやすい展開でマーケットは波乱商状。解散・総選挙となると、概算要求基準(シーリング)の閣議了解や各省要求締め切りといった予算編成プロセスが一段と先送りされる懸念が浮上しています。小泉改革の総仕上げになる06年度は、歳出改革路線を堅持・強化する方針ですが、政局次第では、05年度の基準を踏襲した仮シーリングの策定も選択肢となっています。
円売りが進み、上値を試す動きに弾みがつきそうだとみられていますが、日本の景気回復に対する海外投資家の期待感は強く、9日発表の6月機械受注や12日の4~6月期GDP国内総生産1次速報が、円買い戻しの手掛かりになる可能性もあります。ロイターが民間調査機関を対象に実施した事前調査によると、6月の機械受注(船舶・電力を除く民需)の予測中央値は前月比6.1%増となり、3カ月ぶりに増加する見通し。GDPは前期比プラス0.5%成長が予想されており、前回からは伸びが鈍化するものの、景気の踊り場脱却に向けた動きが確認できそうです。政府は個人消費と輸出、生産の動向を注視しており、足元では輸出などに持ち直しがみられるため、近い将来に踊り場を脱する確率が高まっているようです。また、郵政民営化法案の採決が否決された場合、政局リスクが意識され、短期的な株価動向に影響が出るとの見方ですが、ただ、景況感の改善や割安なバリュエーションが下支えとなり、日経平均株価の下げ幅は限定的になる見通しです。日経が1万2000円台を再び回復するような局面では、景気の踊り場脱却、CPI消費者物価指数の早期プラス転換の思惑が意識されるのではないでしょうか。
一方、8、9日の日銀決定会合、9日のFOMC米連邦公開市場委員会など、日米金利動向を見逃せず、政局ばかりに目が奪われがちですが、重要イベントが目白押しです。日銀は8・9日の金融政策決定会合で、当座預金残高の誘導目標を30兆円~35兆円程度とする現行の金融政策を維持する見通し。日銀当座預金残高は3営業日連続で下限の30兆円割れとなりましたが、早期に30兆円を回復する見通しがあり、日銀は「一時的」と判断する模様です。IT情報技術調整の進展や雇用や所得の改善などを背景に、日銀は景気踊り場脱却に向けた確信を深めています。福井日銀総裁は2日の衆院財務金融委員会の日銀半期報告質疑で「比較的早く踊り場を脱却しても量的緩和の枠組み修正は厳密な判断と時間が必要」と述べており、量的緩和の解除について慎重な見方です。政局リスクや長期金利の上昇懸念がくすぶるなか、福井総裁は、9日の定例会見では市場を刺激するような発言を慎むのではないでしょうか。FOMCでは、3.25から3.5%へ利上げされると見込まれていますが、最近の米指標の好調さや週末の米雇用統計の伸びなどから、利上げが鈍化する可能性などに注目です。雇用統計を受けた米国債市場では、米利上げ継続の思惑が高まり、米長期金利は4.40%付近に上昇しています。
共同通信などによると、自民党執行部は7日、郵政法案の反対派の説得を続行したものの調整は難航。郵政民営化法案に反対票を投じる意向を明らかにした自民党参議院は、18票の否決ラインを超える19人、棄権が2人。このほかにも10人前後の議員に反対、棄権の可能性がある模様です。朝方、自民党執行部による週末の反対派説得が難航したと伝えられたことから、郵政民営化法案が否決される可能性が高まったとの見方がで円売りが先行し、ドル/円上昇。ユーロ/円は、前週末海外市場でつけた高値の138.40円を上抜けて、4月下旬以来約3カ月ぶりユーロ高/円安水準を更新。