28日の海外市場は、ドルに対して強気の見方が依然あるものの、112円前半にあったドルの買い持ちポジションの解消を誘発するストップロスがついたことや、ユーロが引き続きドルに対する1.1950ドルの支持線をオプション絡みの支持線維持の買いで上回っていることなどのテクニカル要因でドルが軟調になった上に、米10年債利回りが6ベーシスポイント低下して4.20%をつけ、2年債と10年債のスプレッドも約23bpと4年半ぶりの水準まで縮小するなど、米長期債の利回りが低下もあり、今日の米GDP国内総生産発表を控えてポジション調整の動きでドルが主要通貨に対して全面安。米債の利回り曲線のフラット化は、通常ドルにとって中期的には支援材料ですが、短期的には、ユーロ/ドルが1.19~1.20ドルのレンジを割り込まない限りは、レンジ内での値動きの荒い展開を誘発しそうです。また、カナダのトロントで、地下鉄が警察により閉鎖されたという報には影響なし。ドル/円は0.3%安の111.97円と、オーバーナイト高値の112.87円から下落。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万0705ドル55セントと、前日の終値に比べ、68ドル46セント高で取引を終了。この米株高の影響と、ソニーの業績悪化から、日本株の動向にも注目。
また、米ICI投資信託協会によると、7月27日までの1週間の米MMF短期資金投資信託資産は前週比23億7000万ドル減少し、資産残高1兆9170億ドル。個人向けファンドは8082億8000万ドルとなり、前週比で11億5000万ドル減少。一方、法人向けファンドは1兆1090億ドルとなり、前週比12億2000万ドル減少しています。そしてまた、消費者信頼感指数を算出する事で有名な民間調査機関コンファレンスボードが調査・公表した米6月求人広告数は38と前月の37から上昇、事前予想は38、前年同月も38。ただこの指標は新聞を媒体にした求人広告であり、ここ最近はインターネットを媒体とした広告が増えている事から、以前のような注目を集める事はなく、注目度も高くありません。むしろISMやフィラデルフィア地区連銀指数等の構成項目である雇用指数の方が重要度は高くなっています。
一方、英国北アイルランド自治区のカトリック系過激派IRAアイルランド共和軍は28日に声明を発表「政治手段で目的を達成し、今後は武装闘争を行わない」と宣言しました。北アイルランド紛争は、1960年代以降約30年間に3000人以上の犠牲者を出しています。北アイルランドでは英国からの分離・独立を目指すカトリック系組織と、英国の統治継続を求めるプロテスタント系組織が対立。両者は98年に和平で合意し停戦が実現したもののIRAは武装闘争方針を放棄せず、武装解除に応じませんでした。その為、99年に始まった自治は02年10月に停止。声明を受けブレア首相は「テロに対する政治の勝利だ。英国民、特に統治継続を求めるプロテスタント系組織は状況を理解すべきだ」と和平実現に各勢力の協力を訴えました。また、ロンドン警視庁は28日午前、21日の同時テロ事件に関連し、ロンドン南部トゥーティング地区の2カ所を家宅捜索、反テロ法違反の疑いで計9人を逮捕。逮捕者の中に、テロを実行したとされ、逃走中の容疑者3人は含まれていないとみられています。27日夜には、ウォレンストリート駅近くで爆破を図ったとして、21日の実行犯とみられるヤシン・ハッサン・オマル容疑者(24)を反テロ法違反容疑で逮捕しています。また、米CNNテレビは、米政府筋の話として今月7日に起きたロンドン同時テロの首謀者の可能性があるハルーン・ラシッド・アスワト容疑者がアフリカ中南部のザンビアで拘束されたと報じています。
依然市場は、中国人民元切り上げによる円高圧力が後退し、今後は日米金利差拡大や日本の郵政民営化法案を巡る政治の不透明感などを背景にドルが再び買い進まれる可能性が高くなってきています。ただ現在は、耐久財受注やベージュブック地区連銀経済報告など強い米経済指標に対する市場の反応が鈍く、ドルは伸び悩み。米国GDPで、ドルが底堅さを増すか見極めたいところです。中国の人民元切り上げについては、今後の米国と中国の政治的駆け引きを背景に再び注目度が高まる時期が来るでしょうが、短期的な影響は一巡しています。今日は月末に当たりますので仲値が不足しドル/円を多少下支え。
総務省が29日発表した労働力調査によると、6月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.2ポイント減の4.2%。男性の失業率は前月比0.2ポイント減の4.4%、女性は3.9%で同0.3ポイント低下。完全失業者数は前年同月比29万人減の280万人。また、6月の有効求人倍率は、92年11月以来の高水準の0.96倍。一方、7月の東京都区部消費者物価指数、6月の全国消費者物価指数とも、事前の市場予想に比べて下振れ。日銀が物価見通しに対して強気な見方を示していただけに、円債相場にとってサポート要因。ただし、今後は特殊要因の剥落などで、再びマイナス幅の縮小やゼロ%になることへの警戒感は残りそうです。6月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)は、前年比マイナス0.2%となり、5月の同ゼロ%から再びマイナス。原油価格が前年に比べて一度下がる場面があったことに加えて、日並びなどの要因が影響した模様です。他方、野村證券・JMMA発表の7月製造業PMIは、生産高と雇用が増加したことから54.1に上昇。
経済産業省が発表した6月の鉱工業生産指数速報(2000年=100、季節調整済み)は前月比+1.5%の上昇となり、2カ月ぶりで上昇。ロイター通信の事前予測調査では、前月比1.5%の上昇が見込まれていました。6月の出荷は前月比+2.0%、在庫は同-0.2%。4~6月の生産は前期比-0.4%。製造工業予測指数は、7月が前月比-0.2%、8月が同+1.9%の見通し。鉱工業生産の基調判断は、「総じて見れば生産は横ばい傾向で推移している」と前月の判断を据え置いています。在庫が若干マイナスになったことが評価される可能性があるも、全体的には、これまでの景気に対する見方を変えるものではなく、市場にとっても中立材料。4~6月期は、当初の予定よりマイナスにはなっていますが、これは造船などが特殊要因を背景に落ち込み、やや在庫調整局面入りした影響が出たとみられます。輸出も5月の落ち込みから改善しつつあることは、市場にとってもポジティブ要因。7月、8月の生産予測を基に、7~9月を占うと、9月が8月から横ばいだった場合、生産はプラス1.1%の見込み。ただ、8月は夏休みであることから、9月は反動減が予想され、実際の7~9月の生産はプラス0.4~0.5%くらいの小幅の上昇となり、緩やかな回復過ぎて景気の踊り場からの脱却を確信するものには至らない可能性が高いです。
竹中経済財政・郵政民営化担当大臣は「失業率の改善は、企業部門の好調が家計に及ぶシナリオの進展を裏づけるものだ。また、人民元は運用次第、どのように柔軟性があるかは注視していく」と述べています。また、郵政民営化関連法案を審議している参院郵政民営化特別委員会は29日午前の理事会で、8月1日に一般質疑、2日に小泉純一郎首相が出席する総括質疑を行うことを決定。与党側は3日の中央公聴会開催も提案しましたが、中央公聴会が決まると、残る重要日程は、同特別委での締めくくり総括質疑と採決、参院本会議での採決だけになるため野党側は応じず、改めて協議することしています。
一方、訪米中の町村外相は日本時間28日未明、ニューヨークの国連本部で記者会見し「日本が国連安保理の常任理事国入りを果たせなかった場合、現在約20%を拠出している国連への分担金を減らすべきだとの意見が国内に広がるおそれがある」と、日本やドイツなどG4とアフリカ連合AUの決議案一本化が迷走する中、これに反対する国々を牽制しました。町村外相とライス米国務長官は、日本時間28日夜にワシントンで会談予定。
第4回6カ国協議は3日目の28日、北京の釣魚台迎賓館で3回目の米朝協議が行われ、合意事項を盛り込んだ共同文書取りまとめに向けた調整が続きました。議長国中国は同日中に文案を各国に示すとみられましたが、提示はなし。米朝間の溝が埋まらず、調整は難航しています。各国代表団の一部が週末に一時帰国するとの見通しも強まり、協議が週明けも続行される可能性が強まっています。そして本日午前も米朝協議が行われる予定。28日に予定されていた首席代表協議は本日29日午後に延期。中国外務省の秦剛・副報道局長は28日、中国は共同文書の草案をまだ各国に提示しておらず、同文書起草について「語るのはまだ早い。29日のうちに6カ国協議が終了する感触はない」と語りました。米首席代表のヒル国務次官補は28日「24時間以内に同文書の草案をまとめる作業が始められることを望む」と期待感を表明しましたが、日本首席代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は「十分に煮詰まらないと、そのタイミングに入れない」と慎重な見方。外務省筋は米朝協議について「成果を挙げられる形まで立場が縮まった状況ではない」との認識をしめしています。また、ロシア首席代表のアレクセーエフ外務次官は同日、記者会見し、各国代表団のうち「いくつかは本国との協議のため、帰国するだろう」との見方を示し、自らも「30日に帰国するが、次席代表は北京に残る」と述べました。28日は午前中の米朝協議の後、中国の戴秉国外務次官主催の昼食会が開かれ、午後は各国の2国間協議が行われました。
本日は、日本時間14:00に、6月建設工事受注統計・6月住宅着工統計(国土交通省)。16:30に、04年度決算概要(財務省)。19:00に、7月実績日銀当座預金増減要因と金融調節(日銀)・外国為替平衡操作の実施状況(財務省)。企業第1四半期決算は12:00JAL、13:00住友商事、ヤマト運輸、13:30三菱商事、三井物産、14:30丸紅15:00大和証券グループ本社、アサヒ飲料全日空、伊藤忠エネクス、NTTドコモ、15:30オリックスなどがあります。海外では日本時間15:00に、独6月小売売上高、15:45に、仏6月失業率、17:30に、英6月マネーサプライM4確報値、18:00に、ユーロ圏7月業況・景況感、ユーロ圏7月消費者物価指数速報値、21:30に、第2四半期米GDP速報値、第2四半期米雇用コスト指数、ロイター通信が実施した調査によるエコノミストGDP伸び率予想は、3.4%。また、22:30には、米7月ミシガン大消費信頼感指数確報値、23:00に、米7月シカゴ購買部協会景気指数などがあり、明けて0:00に、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁が世界経済について講演、3:50には、イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁が米国経済と金融政策について同地区連銀ポートランド支店主催のユタ州ソルトレークシティー昼食会で講演予定。