2005.7.19 | Amvision Co.,Ltd.

2005.7.19

 週明け18日のニューヨーク外国為替市場は、米財務省発表の5月対米証券投資で、海外投資家による米株投資が7200万ドルと04年9月以来で初めて売り越しに転じたことが、ドル建て資産に対する関心が不安定であると示唆していると受け止められ、ドルが下落。ユーロは一時は1.2089ドルまで上昇しました。外国投資家による米株投資は過去4カ月でみても90億ドルと極めて小幅な買い越しに留まり、ハイテクバブルが終わった後、米株投資が多分に手控えられている傾向を示しています。また、5月にドルが大幅に上昇したにもかかわらず、外国人による米長期債投資意欲は通常以上の水準にはならなかった事を示す、証券投資全体の買い越し額が1~2月平均の880億ドルを下回ったことにも着目。ドルスイスフランは、1.2906スイスフランに一時下落。ドル/円はポジション調整の動きや、最近の上昇分の利益確定に押され1ドル111.90円と下落。ドルは一時111.50円の支持線寸前まで下落したが、持ちこたえています。ポンドは対ドルで下落し、1ポンド1.7841ドル。英不動産関連のウェブサイト、ライトムーブがこの日発表した英住宅価格が弱い数値となったことから、8月にイングランド銀行による利下げが実施されるという観測が強まっています。中国政府の国家発展改革委員会傘下のマクロ経済研究院のChen Dongqi副院長が同日付の経済週間誌瞭望で「中国の大幅な貿易黒字を縮小するために人民元の変動幅を3%に拡大すべき」と述べたことを受け、人民元NDFノンデリバラブル・フォワードの対ドル・プレミアムが、ほぼ2カ月ぶりの高水準となっています。「人民元を通貨バスケットと連動させるのは技術的に難しいと指摘し、中国の輸出入の約90%が米ドル建てなので、通貨バスケットへのペッグを急ぐ必要はない」との見解も示していますが、人民元の変動幅が2~3%拡大されることは、すでに市場に織り込み済みで、市場が注目しているのは実施のタイミングであるため、反応の度合はそれほど大きくはありませんでした。また、CFTC米商品先物取引委員会が15日に発表したIMM通貨先物取組高報告(7月6日~7月12日)では、円先物のネットショートが一段と増加し、前週の5万2186枚から1999年5月以来最高となる6万3076枚まで増加。ドル/円は前週に一度調整し再び高値を試す展開になるかと思われたのですが、ドルの強い数字には反応が薄く、売り材料に反応する展開。ECBによる利下げ観測が後退していることや、中東の銀行がドル資産をユーロに切り替えているとか、外貨準備の外貨配分調整で中央銀行が下落してきたユーロを買っているという話もあり、ドルの上昇は、対ユーロでも鈍くなるのではないでしょうか。一方、CEA米大統領諮問委員会のバーナンキ委員長は18日、記者団との懇談で「米経済は全般的に健全だが、原油高は、米国民にとって確かに問題だ。原油高が生産コストを上げ、家計や企業利益の重荷になっているが、経済の全体的な成長という点では、これまでのところ、経済成長を極端に抑制しておらず、米経済はエネルギーコストの増加に対応しているようだ」との認識を示しました。中国が米政府に人民元の早期切り上げを確約したとの一部報道については、コメントを拒否。「中国はより柔軟な為替レートに向けて移行すべきだと思う」とだけ述べています。また、EIA米エネルギー情報局は18日、先週のガソリン小売価格(全米平均、無鉛)が、過去最高値を記録した前週から0.01ドル低下し、1ガロン2.32ドルになったと発表。ガソリン価格の低下は7週間ぶり。前年同期の水準は依然0.39ドル上回っています。

 企業年金の買いに加え、海外勢の買いも再開基調で、日経平均が1万1800円~1万1900円を上抜けて1万2000円に接近し、海外勢が日本株買いを本格的に増大させるかポイント。18日のNY市場で、シティグループの決算が市場予想を下回ったことなどを契機に調整売りが優勢となり、米ダウ工業株30種平均株価が1万574ドル99セントと、前週末の終値に比べ、65ドル84セント安と下落しており、その影響を織り込むのか注目。もし、日経平均が本格的上昇基調に向かえば、ドル高が進んできたドル/円で円買い要因として意識されます。連休明け東京株式市場の日経平均株価は、前週末の終値と比べ2円93銭高の1万1761円61銭で取引を始めています。
 米国では、19日にインテルの決算発表があるほか、6月の米住宅着工件数などが発表されますが、20日に米下院で、21日には上院で、グリーンスパンFRB米連邦準備理事会議長の証言が注目されています。米景気の先行きに強気の発言が出てくれば、米利上げ継続観測の強まりとともに、ドル買い要因。逆に、ドルのロングポジションがかなり溜まっていることなどから、同議長の発言次第では、ドル調整売りがまとまって出てくる可能性もあります。年内残り4回のFOMC米連邦公開市場委員会で、毎回25ベーシスポイントの利上げが実施されるとの見通しが強まれば、ドル買いを支援しそうだとの見方が複数示されていますが、やはりドル買いポジションが大きいことなどから、ドル/円が7月8日につけた約1年2カ月ぶり高値の112.60円を上回る可能性は低いようです。18日には、FRB議長がサクストン上下両院経済合同委員長の質問に対する返答で「米国の経済は、03年以降の原油価格の高騰が今年の米成長率を0.75%ポイント押し下げる可能性があるが、総じて原油高にうまく対処している」との見解を示していたことが明らかになっています。また21日にはFRBが米政策金利を3.25%に引き上げた6月29~30日のFOMC議事録が公表されます。また日本では、19日に6月14、15日の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表。金融調節方針維持は引き続き7対2の賛成多数でしたが、当座預金目標25~30兆円、27~32兆円への引き下げの議案が提出。反対多数で否決されたものの、政策委員のやりとりが注目されます。当預目標の下限割れ容認を決めた5月会合以降、6月2、3日には実際に目標を割り込んでおり、この間の市場調節に関する評価なども要確認事項。19日14:00には、5月景気動向指数改定値(内閣府)が発表。速報値では一致指数は55.6%でしたが、これは上方改訂となり50%超を維持する見通し。先行指数は40.0%でしたが、こちらは下方改訂となり4カ月連続で50%割れ。そして、21日に都内で開かれる「リテール金融フォーラム」で午後1時過ぎから福井日銀総裁が基調講演。テーマは「金融の新潮流―新たな個人金融サービスの創造」なので、金融政策に関する発言は期待薄ですが、当座預金残高の30兆円割れが予想される状況下では注目。円債市場では、日銀が当座預金残高の引き下げに踏み切るのは、相当先になるとの見方が多数意見。21日08:50にはまた、6月貿易統計(財務省)が発表。ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査によると、27社の予測中央値で、7506億円程度の黒字、前年同月比で34.2%程度の減少と3カ月連続の前年割れ。輸出が予測中央値で前年比1.3%増と伸び悩む一方、原油高を受けて輸入が増加し同12%程度の伸びとなる見通し。22日08:50には、5月第3次産業活動指数(経済産業省)も発表予定。ロイター27社聞き取り調査予測中央値は前月比1.3%の低下。4月に高い伸びを示した反動により低下する業種が多いとみられています。

 人民元改革については、市場などで8月にも行われるとの観測が浮上。先ほど、谷垣財務相は閣議後の会見で「中国の人民元改革が、より柔軟性を持つことは中国自身にも世界経済にとっても望ましい。果断な措置が望まれる。私のスタンスは前から変化していない。まず第一に中国自身が責任をもって決めるべきことだ。第二点としては、人民元に関するより一層のフレキシビリティが中国自身にも、あるいは世界経済にとっても望ましいことだと思われるので、果断な措置が望まれる。改革の時期は、常に、この問題にはいろいろな観測があるが、私から申し上げるべきことは今の段階ではない」と語りました。