お疲れ様です。
ピンク色のシャワーみたいやな・・・とエア梅浴びをして通り抜けた梅の道。今の時期はウメッシュとか、梅酒がよく売れるのだろうか
梅の宿は梅酒が有名だけれど、桃好きなのでこれ↑が好き。日本酒と国産の白桃を惜しみなく使用したリキュールで果実感溢れ、爽やかで飲みやすい。月に2度ほど奈良へ出張する先で、お土産にいただいたのがきっかけだが、「柚子」「みかん」も捨てがたいけれど、「桃」を圧倒的にリピートしている。ほぼ桃のように飲みやすいので、余りお酒が強くないけど、お酒の席はわりと好きな方への贈り物にも良くてお気に入り
乳がん検診
なんでも私は、胸にしこりができやすい体質らしく、定期的に検診をしている。大量にあるしこりのエコーを撮り、その画像をもとに担当医が判断する。新たに発見されたしこりや、以前より大きくなっているしこりなどがあったが、結果として、現在のところ悪性のものはないとのことで経過観察を続けている。
多すぎるしこりの分布図を記載したカルテの一部をコピーして土産に下さり、「いっぱいあるけど、これを見ながら、月に1度は自分で触って、変化がないか確認してください。」と言われ、楽しくないけど頑張っている。
御存じすぎることや思うが、エコーとはヌルヌルを塗り、バーコードをピッとするような機器をすべらせていく検査法だ。できれば、寒くない時に受けたい。
乳房内部の様子が画面に映し出される。エコーのブースはカーテンで仕切られており、隣の声は筒抜けである。技師の方は、バーコードをピッとする機器的なものを操作しつつ、画面に見入っている。数えきれぬほど受けた検査とはいえ、「今日はどんなやろ」と薄く不安にもなり、神妙に横になっていた。
すると、隣から、別の技師と患者らしき方の声が聞こえてきた。
「今日は、ご家族の方は?」
「いいえ、一人です。」
「これが背骨ですよ。こちらが胃。」
「わぁ。」
「はい。男の子ですね。」
「ご家族の方は」なんていうから、一瞬何か深刻な病かと勝手に気を揉んだではないかおめでたい話で安堵したが、胎児の父よりも早く性別を知ってしまった。カーテン越しなので妊婦さんの顔も名もわからないが、なんだか妙な気分だった。私は横たわり乳のエコーを撮ってもらっておる場合なのか
ここは全力で、「性別判明おめでとうございます」といい
餅でもつくべきやないのかと薄く焦った。しかし、別にやっちまったわけやないから、違うなと思い改め、横たわったまま心の中で、祝福をクールポコのままで述べるに留めておいた。
疾患のある方や、検査を受けにくる方もいれば、生まれてくる命もある。病院というのは、社会や人のありようがギュッと濃縮された不思議な場所やなと、いつも思う。
ヌルヌル検査を終え、担当医の診断を待つ。ポカポカそうな窓際のソファーに座っていたら、かなり元気な3歳くらいの男児が母親と共に現れた。男児は、病院という非日常な場所に興奮気味なのか、待合の廊下を雪の日の犬の如く駆け巡ったり、靴のままソファーに乗り、窓の外を眺めたりしていた。母親は、必死に言い聞かせ、正そうと追いかけるのだが、ハムスターのように潜り抜け、靴を脱がさせる隙さえも与えぬほどだった。
私は勝手に、体調が悪くても怪我をしても、3歳じゃ留守番もできひんから連れてきはってんなだとか、患者は母親の方だと思っていた。ところが、看護師の事前問診で、怪我をしたのはすばしっこく走り回っていた男児の方だという、驚愕の事実が発覚した
やっと捕獲された男児に、「頭ぶつけちゃったの?」と問いかける看護師。「そうなんです。自宅で頭から棚に突っ込んでいきまして」と、説明されていた。その子ならば、突っ込んでいくでしょう・・・。待合にいた老若男女全てが、看護師と母親のやり取りに聞き耳を立てているようだった。
「棚に突っ込んでいく位はいつものことなんですが。今日は運悪く、棚の上に置いてあった大きくて重くて尖った時計が落ちてきて、この子の頭に刺さったんです。」
なんですて外野陣全員の胸に、驚きと心配と、そんなコントみたいなという笑いを含んだ声がこだましたと思われる、たぶん。
「大至急止血したんですが、なかなか止まらなくて。不安と心配で受診しました。」
男児は既に、母の腕の中からねじねじして抜け出し、先ほどのようにまた廊下をハムスター走りしていた。医師でも看護師でもない者の見立てですが、息子さんはこの上なく平気そうですよ、お母さん。
「血が止まらない」というても、流血しているわけではない。男児は私が座るすぐ横のソファーの上で、トランポリンのようにピョンピョンしていたが、一体どこに時計がぶっ刺さったのかわからない程度だ。この躍動感で脳挫傷とかだったら驚愕やて
が、素人の生兵法は慎まねばならぬ。「頭の怪我やから安静にしないと。」と言ったところで通用しないだろうし、専門家に診てもらうべきだろう。
とめどなくピョンピョンする男児を眺めながら、「普段と変わった様子はないですか?」と看護師が尋ねた。頭に時計が刺さった衝撃で興奮状態にあるのではないか。いや、そうであってくれ、という一縷の希望を託した問いであることを察した外野陣。
しかし、母親は、「はい。普段どおりです。」と、覇気なく答えていた。日々こんなちび怪獣と相まみれねばならぬとは、母って猛獣使いである。
念のためレントゲンを撮るように伝えた後、「レントゲン室には職員が大勢いますから。」と言うてみえた。逃走しようとしても取り押さえ要員はいますよ、ということだったのかまたも、ひとしきり追いかけまわし捕獲した男児を連れて、2階のレントゲン室へと去って行った。
はて、あのちび怪獣が大人しく撮らせてくれるのだろうか。静寂の戻った待合にガヤガヤと疑問符が飛び交った。
そんな後、診察室へ呼ばれた。エコー画像を眺め、前回の画像およびカルテを虫眼鏡的なものを駆使しながら比較されていた。老眼なのだろうか
「前回のしこりの大きさが・・・。ん?これ何ミリて書いてある?」「7ミリとあります。」だとか、カルテ読みのお手伝いをしながら、判断を待つ。しーーーん
すると、そのとき天井から世界の終わりかとばかりに泣き叫ぶ、子供の声が降ってきた。紛れもなく先ほどのちび怪獣である。画像を撮られておるのか、やっぱり一筋縄ではいかぬわなと、笑いそうになるのを、必死に噛み殺した。おかげで、判断を待つ時の苦手な緊張感も紛れた、ありがとう、ちび怪獣。
結果は、今回も問題なし。何が原因でいつ命をなくしてしまうかわからない。時計が頭にぶっ刺さる事態は、さすがにそんな予測できそうにないが、できるだけ気ぃつけて、生のあるうちは精一杯生きていたいものである。
わりとポップな病名
先日、実家が徒歩4分の腐れ縁の友人が、LINEではなく電話をかけてきた。それもビデオ通話で。残業中だったので中庭に出て、ビデオ通話で応答した。
「なんその桃屋みたいな眼鏡」という第一声に、「あんな丸いのちゃうわ」と秒で返すのは小学生の頃のままでノスタルジー。
「ほな、オロナミンCやな」という昭和ラリー。
深刻顔で、入院するから2週間位仕事を休むという。「手術するねん。」と今にも泣きだしそうな顔でいうので、病名を聞くのが怖くて躊躇った。「何の手術なん?」と勇気をだすと「鼻のな・・・」非常に危険だったので、思わず息を止めたがプルプルしていた。「鼻にポリープできてんやん。」という駄目押しである。
「鼻ポリ」と思わず声がでてしまった。
よりによって、どうして鼻にできるねん。色んな場所があるのに。それに鼻のポリープってほぼほぼ良性だし、心配いらん話。しかし、本人にとっては不安なわけで、なんでも鼻腔内に中指大ほどの巨峰の実のようなものが鎮座しておるらしい。スマホを鼻に押し付け、鼻腔の巨峰もどきをLIVE中継してきたりした。関係ないが、巨峰より桃が好きでほんまによかった。
今日、退院報告の電話がきた。「巨峰とれてよかったね」と祝福をしながら一抹の不安。なんだこの美声は。
いつも鼻声だったのは巨峰のせいだったのか鼻ポリと決別し、エレガントな声の女性になるなんて、私のこのババァなのに、ややアニメ声というコンプレックスとも決別できるのだろうか鼻ポリないけれど。なんで、鼻にできんねんと笑ってしまったが、わりとポップでええなとさえ思えてきてしまった話を終わります。
とりとめのないブログに、最後までお付き合いいただきありがとうございました