こんばんは。
休日前夜、蟻塚残務をやっつけこのまま寝るのは勿体なくなり、ネットフリックスの「雪山の絆」を開けてしまった。
夜更けに観るには重くて、壮絶過ぎた
1972年に起きたウルグアイ空軍機571便墜落事故を取り上げ、事故の衝撃や、アルプス山脈の奥深く俗世から拒絶された世界も絶望感と、あの世のような美しい雪山の光景に冒頭から背中がピリピリした。
2か月にも及ぶ、あまりにも過酷な遭難生活で、どれだけ彼らが支え励まし合い、絆を結んでいったかが犇々と伺えた。目をそむけたくなるような選択についても、皆がそこに思い至り実行するまでの過程が、凄く静かに淡々と描かれていたのは、被害者の方々への敬意やと感じた。もう1回は、たぶん観れないけれどこんな過酷な状況下におかれても、生きるための誇りを失わず、誰かのために手を差し伸べられる人の強さを忘れずにいたい。
夢の話
そして、床についたのは丑三つ時。絶対夢の中でフラッシュバックするな・・・と思っていたのに、睡眠導入本を2ページも読まないうちに寝落ちしていた。
あんな過酷スペクタクルな映画を観たあとなのに、バリ島の夢をみた件。
私は、南の島の美しいビーチで過剰に日焼け対策をし本を読んでいた。すると急に、美しい海からデカい無数のアフリカ象が、象使いの少年らとともに、ざば~んと押しよせ、あっという間にアフリカ象ビーチになった。こんなシャブ中みたいな夢なのに、夢の私は「象って縁起のええ動物だし、懲りずにまた宝くじ買えというお告げやな」とポジティブだった。
などと、夢の中でもエゴにまみれていると夢時間でも夜になり、私は特設会場へ移動していた。「世界杏仁豆腐切り大会」は盛況で、どこの国だかわからない国旗をつけ、国家代表として選出されていた。
開始の合図とともに、エスカレーターの手すり幅ほどのレーンに、矢継ぎ早に延々と投下されていく杏仁豆腐。私は世界的スピードで、ひし形に刻んでは、足元の測りのたらいに落としていく。まだら几帳面に素早く均等に刻んだ杏仁は、べちゃっと崩れ散らかす。なんやこの賽の河原の石積みのような夢は・・・夢の中の光景さえも滑稽やし、なんや寂寞やのう。知らんけど
「不適切にもほどがある」2話
令和へ戻るバスに乗り遅たサカエ(吉田羊)親子。初回と同じように喫茶店の和式トイレから、昭和に戻ろうとした市郎(阿部サダヲ)だが、洋式にリフォームされており叶わず・・・という1話終わりからスタート。
モバイルWi-Fiと脚立で、昭和から電話をかけてきてしまうサカエ。
サカエについて、有名なフェミニストだと説明する2人。信じられぬ速度でタイムスリップを受け入れるチーム令和陣だが、そんなのも比にならぬほどの速度で、地図アプリ、フリック入力、ジブリの地上波の凄さなどをアップデートしていく市郎のハイスペックっぷりに、噓やんジジィってなる。そして、このドラマはタイムスリップ云々には、そんな重きをおいていないことがわかるわけで、凄く好き。
サカエの息子としけこむ娘が心配だから、大至急現場へ向かうよう指示をする市郎。
息子が心配な母は、脚立を担ぎ商店街を猛ダッシュ江角マキコさん以来のwith脚立もお似合い。一瞬だけ2回逢っただけの2人の素晴らしい連携プレイっぷりに、我が子への想いの深さを知る大河の衣装は、今の所全く似合っていない気がしてならないけれど、サカエ役の羊さんはスタイリッシュでおしゃれ顔が映えている
無事に阻止した件と、電波に脚立は関係がなかった件について丁寧に報告。優秀なポケットWi-Fiである。
令和の喫茶「すきゃんだる」では、張り詰めていたものが、ぷちんと切れてしまい離婚と退職を一度に決断した渚が、そこに至るまでの経緯を、思い出の全てが残されているスマホをカンニングしながら語る。
ちょいちょい失言めいた言葉を散りばめてくる市郎だが、「思い出の全てが、その中にあるんだ、失くしたら大変だ。」という台詞に、「ほんまやで」とハッとさせられた。が、制作側によるスマホ依存に対する嫌みだったかもしれないと邪魔をした。
「何もしないから、家行ってもいいか?」だとか、シングルマザーの女性に問うてガッカリするねんけれど、手首の腕時計焼けを見つけてはまた、熱血指導していたんだろうなと寄せては返す市郎の個人的好感度。
2話は、「働き方改革」という美辞麗句に翻弄された人代表みたいな渚が主人公。テレビ局員として経験した様々な嫌なことあるあるが、数秒ごとに乱射され、業界は違えど「紙資料の方がまだいい時あるよね」だとか、サービス残業をさせたくないのはわかるけれど、そんな言い方はどうよ、だとか、色々共感し過ぎて疲れた妙にリアリティーのある業界の裏話にへぇーっとなったり、あんな扱いなのに出演されている八嶋智人さんの好感度が爆上がりした。
※ミュージカルシーンの動画をお借り致します。
渚からの着信に気付き、ちゃんとバスを降りてから電話に出て、地図アプリを使い、彼女の勤務先へ『お尻拭き』を届けるという令和なれの速度よであるが、それ以上にゴタゴタの最中に、ささっとお尻を拭き、おむつ替えを済ませている様にキュンとしてしまった。昭和ジジィもこんなフラットに育児に取り組んでいたことがわかる。「米寿の夜~♪」が好きすぎた。
元夫役が柿沢勇人ということは、2話もミュージカルがくるのだなと高まり待った実在するコメンテーター的な方々をぎゅっと寄せ集めたような「いい事ばっかいうやつ」を爽やかで嫌に好演。さすがミュージカル界の貴公子、体幹のぶれなさと気高さがキリリ。
産休明けすぐからそんな飛ばさなくてもとも感じたし、働き方のルールは理解していても、イマイチそれにピタッとはしておらず、どちらかというと昭和っぽい働き方が合っているかもしれない感じだから、あんな市郎にもすぐに好意を持ったのだろうと、もう好きになったん早くねという雑念に蓋をした。そんな人なのに、到底合わなそうなあいつと結婚していた人というのが、渚がどんな人かに深みを感じさせるわけで、凄いなぁ・・・クドカンとなる。
そんな頃、昭和の市郎宅では純子が家事をしながら、母が亡くなり抜け殻のように憔悴していた市郎を想い、一時的にグレているだけだとか、サカエをハッとさせる。私もした。
サカエのスタイリングが好き過ぎる件。
グレースコンチネンタルか・・・ネットだとどこも完売だけれど店舗に行ってみよ。
眼鏡はトムブランっぽい。か、かけてぇ~ちょっと行ってみよ。
すぐに横道にそれてしまい、すみません。仕事じゃないって楽しくてつい
父は、タイムスリップした先の未来で元気にしている。未来へ行くバスを発明したのはサカエの夫であり、自分達はその未来から来た者であることを説明される。純子の受け入れ速度も世界記録並み。
サカエの夫は、初めて未来へ行き過去へ戻った市郎に、「バックトゥーザフューチャーみたいな話はあり得るから、がんばれ」と励まされたあの作文の生徒かな、たぶん。
かぶりつき気味に聞いていた純子。
勿論、タブレットに。亡くなってしまったと勘違いして、秒で「遺産はいる」だなんてしっかり者である。
令和では家なしの市郎は、おそらくムッチ先輩の息子であろう秋津(磯村勇)宅に宿泊。家族の話をしながら、亡き妻との思い出の全てを巾着に詰め込んで常に持参していると語る。「失くしたら大変だ」は揶揄ではなく共感だった市郎に、ひねくれた想いを詫びた。
2話のオチは、ガチガチ昭和ジジィの市郎が、理想論でカチコチな人々の心をほぐす社内カウンセラーに就任するだった。どちらもあり得ぬ速度の決断だけれど、カウンセラー室に「ビデオデッキ」があるのを知り即決した市郎のブレなさが凄い。
大事そうにしていたビデオをデッキにいれる。そんなにエロいのが観たかったのかと思わせて、妻と娘の「渚のシンドバッド」とは死ぬほど観ているであろう思い出のビデオを愛しそうに観る市郎。涙を流すシーンがなくても、毎回泣いているのだろうと思わせ、私を泣かせる。凄いってばクドカン。(数回目)
渚は、市郎の孫なのかなぁ~。
3話放送日が近いいうのに、やっと2話を視聴して今頃書いてもうた。仕事じゃないって楽しい(2回目)
最後までお付き合いいただきありがとうございました