ダ・ポンテ

7/22の2公演観劇しました。



観劇したときはフェラレーゼ役の井上さんが体調不良により講演に参加できなかったですが、代役を務められた吉田さんのフェラレーゼも美しかった。

元を知らないので、この部分の演出変えたんだろうかなど想像するしかないですが、吉田さんは他の役も演じられてたから大変だっただろうと思うし、その中でも上演してくださって感謝しかなかったです。



舞台上のセットには、五線譜の上に音符とアルファベットが並んでました。
アルファベットは、最初はコード?と思ったけど、コードではないアルファベットもあり、左から見つけた順に読んでも意味は分からずでなんだろう…?と思ってた。

つづりをわかってないまま見たので自信はないけど、「コジ・ファン・トゥッテ」の時はそのつづりで光ってたのかな。Tが2つあったから多分……でも席の都合か見えない文字もあってよくわからなかった。
ヴィヴァイタリアのとき「VIVA」が光ってたのは見つけたけど、他もあったんだろうか。
フォントバラバラにしたのも何か意図があったのかな。

五線譜の中にアルファベットあるのはなぜ?と思ってたけど、音符と言葉合わさったモニュメントで、モーツァルトとダ・ポンテの共作というか、2人の関係を表してたんだろうかと後から想像してました。



モーツァルトは知ってたけど、モーツァルトのオペラの歌詞を書いたダ・ポンテのことは今回の作品で初めて知りました。

モーツァルトの知ってる曲もたくさん劇中にあって楽しい。

ドン・ジョバンニのシーンではラファエルいるかなーと思ってみてた(別作品)


ダ・ポンテはヴェネチアを追放されてから、モーツァルトはザルツブルクを追い出されてから2人は出会う

その時の2人は地位も名誉もなくした状態だけど、気の持ち方は反対のように感じました。

2人が別々で歌う
「あてもない つてもない」という歌詞の歌

モーツァルトは、(しがらみがなくて)自由だ!これから好きなことができる!と希望にあふれているけど

ダ・ポンテは、これからどうなるかわからない不安と、ウィーンでのし上がってやる!という大きな野心に燃えている


そしてダ・ポンテの処女作のオペラが不評で終わった後に2人は出会う
オペラで宮廷楽長のサリエリを見返したいダ・ポンテと、ダ・ポンテの書くオペラに興味を持ったモーツァルト

ダ・ポンテはモーツァルトを自分の言葉を広めるために利用しようとしたのかもしれない。モーツァルトは歌詞に興味を持ったんだろうなと。
いろんな気持ちはあっただろうけど一緒に素晴らしいオペラを作り上げた2人


壮ちゃんモーツァルト
かわいい。もしゃもしゃの髪がトイプードルの子犬
ダ・ポンテと一緒にいるときは悪友のようなときもあるけど、コンスタンツェと一緒の時は赤ちゃん

姉みたいに才能がない 妹みたいにかわいくないと歌うコンスタンツェ
その言葉を聞きながら違うというように頭をふりふりするモーツァルト(かわいい)
そのあとコンスタンツェの口紅がほっぺについているのを見つけてしまって萌えた


でも病気と闘いながら魔笛の作曲家してるとき、咳が苦しそうでつらい

子供のときのお別れの言葉「また遊ぼう」をダポンテにかける

自由になったことで、ずっと自分がやりたいこと、興味があること、自分の気持ちを優先しながらたくさんの音楽を生み出した人
モーツァルトの音楽、明るいのが多いのは、モーツァルト自身の「楽しい」という気持ちを優先してきたんだろうなと。
そのため宮廷との折り合いは悪い。宮廷にいるときに1番表情がかたくなる。


モーツァルトの音楽に対してまっすぐで、「今」の楽しいと感じる気持ちを大事にするところは、壮ちゃんと通じるところがあると思っていて、モーツァルトはすごく壮ちゃんに似合うと思った。

子犬や赤ちゃんの面(面?)が見れるとは思ってなかったけど、それもかわいかった。
あと、歌の雰囲気がちょっと変わった気がして、ますます歌がうまくなってて素敵だった。



海宝くんのダ・ポンテ
色気ある、言葉巧み、顔がいい。
そりゃ女性にモテないわけがない。と納得

ダ・ポンテの言葉がなかったら、モーツァルトはオペラの名曲を作曲できなかったかもしれないし、オペラを上演できるよう皇帝に交渉することもできなかったかも。
ダ・ポンテの交渉と皇帝陛下の寛容な心があったから、モーツァルトの生きているうちにオペラの上演が成功しなかったかも

生まれも音楽家の息子として生まれ、小さい時から才能を認められてたモーツァルトと
出自を隠し、自分の才能を生かしてのし上がったダ・ポンテは正反対

オペラという共通の項目がなかったら知り合うことはなかっただろうなと思った。
生い立ちも考え方も気が合わなそう。


ただ、お互いの才能は認めていて

モーツァルトがダ・ポンテに言う「君は音楽」
ダ・ポンテがモーツァルトに言う「君は言葉」

お互いがお互いへの最高の賛辞のように思った。



サリエリさんの「次にダ・ポンテの言葉に音楽をつけるくらいなら指をすべて切りおとしてやる」
言葉こわいけど、サリエリさんとダ・ポンテのものまねがコミカルでなんだかかわいい

サリエリさん、ダ・ポンテは仕事仲間として認めてたからか?ジョバンニの結婚の成功以降、ダ・ポンテに強く当たることはなかったように思う。

同じ音楽家のモーツァルトとはいろいろあっただろうけど、今回そこまで2人のシーンはなかった気がするからなんだかかわいい人だった。相葉くんの人柄なのかもと思った


コンスタンツェ
浪費癖は見え隠れしてるけど、モーツァルトの音楽の才能を生かすように働きかけてるようで、今までのイメージになかったいい人だった。そしてかわいい


ナンシー&オルソラのめいめいかわいい。
いろんな年代の女性(ダ・ポンテが愛した人)それぞれで表情も歌もかわいい
ピンクのドレスかわいかった。


フェラレーゼも野心家でダ・ポンテに似た部分あるけど、ダ・ポンテはそれに気づけなかった。
モーツァルトは、フェラーゼの歌の表現が好きではなかったんだろうな。音楽に関わる人には厳しい


八十田さんのヨーゼフ2世は、つかみどころのない人だった。
でもこの人が皇帝陛下じゃなければ3作品ともモーツァルトが生きてるうちに上演されなかったかもしれない。

時代的にも制約が多いし、人間関係複雑だと思うんだけど、どのキャラクターもいい人に見えたのが不思議だった