まずは頼りなげな設定
覚束ない足取りで歩行しては、自ら手のひらをジッと見つめる。 うむ、私は人間でしかない。そして、人間でもある。 ……プレアデス散開星団に誰がいようと、どこにブッダが再臨しようと、瞑想には無関係だ。 瞑想は個人に始まって個人に終わる。 否、むしろ個人に始まって、不在に終わる。 もっと言えば、不在に始まって、不在に終わる。 たがこんな言葉もまた瞑想とは何の関わりもない。 実践ともいわず、知の変容ともいわず、私はできるコトを……やろう。
ある遠いどこかの土地で
想像もつかない 土地の彼方に 体が岩の 巨人がひとり 花を愛で小鳥を愛でる 彼の苦悩たるや凄まじき 無上の愛をもって撫でたれば 花は散り、小鳥は息絶える あまりの苦悩にやがて巨人は朽ち果てる 朽ち果てた岩は粉々となり、やがて土となる 土には芽が出始め、小鳥がたわむれはじめる 春が訪れたのだ