善き人のためのソナタ

青と青を混ぜたら、青ができる。


黄色と黄色を混ぜたら、やっぱり黄色。

じゃあ黒と白を混ぜたら?赤と青と黄色を混ぜたら?

この映画を観終わった後は、複雑な気分。


何色か分からない不思議な色が、残ったまま消えていかないからだ。

赤に赤を重ねて塗りたくって、濃厚な赤が打ち寄せてくるような映画は、感情的に激しく心を揺さぶるけどもあとに残らない。


プロパガンダ映画の色は、きっと目を見張るような鮮やかさを持っているに違いない。

一言ではなかなか表せないにごった色。その色は国家にも市民にも属していない。鮮やかでもなく、人目を惹くような美しさは持ち合わせていないかもしれない。

この繊細な色調をどうにかして世に伝えたいがために、人はメガホンを握るのだろう。なんかそんな気がした。

単色だった色が混ざり合い、形成され始めていくときに流れ出る短い音楽が、 とても美しい。

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