アンダーグラウンド


1995 フランス ドイツ ハンガリー

監督 : エミール・クストリッツァ

出演 : ミキ・マイノロヴィッチ ラザル・リストフスキー ミリャナ・ヤコビチ

1995年度パルム・ドール受賞作  


1941年、ドイツ軍占領下のセルビアの首都、ベオグラードに住む武器商人のマルコは、レジスタンス活動を行うために、市民を率いて地下(アンダーグラウンド)で生活させた。彼は市民に武器を製造させて巨万の富を築きあげる。ナチスが去り、チトーの共産主義の時代を迎えても、マルコは市民を裏切り続けた。そして50年後の1991年、アンダーグラウンドの人が地上へ出た時、ようやく「祖国 ユーゴスラヴィアが失われていた」屈辱的な事実を知る。


映画を観て、むせび泣いたのなんて初めてだ。

ひどく不細工な顔をしてたと思う。


感情があまりにも刺激されて、何だか少し調子がおかしい。

今自分は映画を観てたのだっけ・・・


突然、自分の国が 「存在しない」 っていわれたら?

みんながばらばらになって殺し合いを始めたら?

敬愛する同胞や血を分けた兄に、あっさりと裏切られたら?


想像もつかない。 でも、実際に起こってたこと。


この監督のすきなところは、悲劇を大袈裟にたたきつけるのではなく、「人間」の視点で物語を進め、どんな時でもファンタジーを忘れないところだ。戦時中だって人は音楽に酔いしれたし冗談も言ったはず。


「地球全体が地下だ。」

そうかもしれない。 自分が当然のように信じていることが、地球の裏側では、疑いようのない大嘘かもしれない。


「正しい人間はとても暮らせない ムリだ。」

地下の中の暮らしに対する言葉。

じゃあ 地球全体が地下だったら・・・?

正しい人間って・・・?


何百人が殺されたから 街が壊滅されたから、戦争なのではない。

あんなに慕ってた兄弟が殺しあう。 同胞が殺しあう。 この状況を生み出させる何かが 戦争なのだと思う。


生涯忘れられない大すきな作品。