2023/01/09 改訂

 

SIRILの日本語マニュアルのリンクです。

公式なものではなく私製のものですのでご参考程度のレベルである事を注釈しておきます。

 

 

以上、2023/01/09 改訂です。

 

日本では馴染みの薄い天体写真専用の画像処理ソフトです。

バージョンが0.99.6になってユーザーインターフェースが製品っぽい誰にも扱い易いものになりました。

以下、デジタル一眼レフ(DSLR)で処理する場合のプロセス(目下、私が理解するところの)をご紹介します。

 

(2020/04/07 追記 もっとしっかりした説明をアップしました。これでスタックする際の仕組みがマニュアルベースで分かる・・・と思います。)

 

ソフトは以下からダウンロードできます。Win、Mac両方の版があります。

なお、DSLR用のスクリプトはOSC_Reprocessingです。この作例では以前のバージョンのスクリプトがどうしたものか混ざっていてそれを使用しています。最新の0.99.8-1ならOSC_Reprocessingを使います。
 
作例はLX-200 10" F6.3 EOS6Dをオフアキシスでガイド撮影したM27です。
ISO800の3分露出を25フレームスタックします。
フラットについては後日に撮影したものを使っているためセンサーの上のゴミが残っています。
 
1 フォルダーの準備
biases、 darks、 flats、 lightsの4つのフォルダーを事前に作成する必要があります。私の場合はMacですが個人フォルダーのPictureフォルダーがSIRILによってデフォルトフォルダーとして自動選択されるのでここに4つのフォルダー作成が必要です。Windowsの場合も同様と思います。
処理に使うファイルを各々、4つのフォルダーに保管します。
 
参考:デフォルトフォルダーを任意に変更する、あるいはエラーが発生した場合は下記を参照ください。

(2021/01/22 : 追記 デフォルトフォルダーを指定する機能が最新版1.0.0-rc2でサポートされました。画面左上の家アイコンがそうです。)

 

 

2 SIRILによるプレプロセスとスタック
これが起動画面です。
 
3 スクリプトの実行
メニューのスクリプトからDSLR_Preprosessing(最新版ではOSC_Processing)を選択して実行します。
 
4 スタック完了
実行過程はスクリプトで実行されるコマンドとログがどわーっと表示されます。完了すると実行時間が表示されます。なおSIRLは数ある同様なソフトでもダントツの速さを誇ります。私の場合、ものすごく古いMacBook Airなのでこんなもんですが。
 
5 結果ファイル
結果はresult.fitというファイル名で保管されています。私の場合、FITSファイルがGIMPと関連付けされているのでアイコンはGIMPのアイコンになっています。
 
6 画像を開く
SIRILからresult.fitを開きます。
 
7 画像処理
デフォルトではRGBのRが表示されますがストレッチ前なので真っ黒です。
 
8 RGB表示
表示をRGBに変え、中央下のディスプレイモードの選択から自動イコライゼーションを選択します。
一面に緑で驚愕します。通常のデジカメの画素構成ではGのピクセル数が倍あるためカラーバランスが崩れているためです。
 
9 カラーバランス調整1
 
画像処理のメニューの色補正には色補正とフォトメトリック色補正の2つがあります。
フォトメトリック補正は星表のスペクトルデータに参照してカラーバランスを調整する機能でPixinsightなどでサポートされている機能です。これがフリーソフトでサポートされているのは素晴らしい。
 
9 カラーバランス調整2
画像の中央座標を入れるか天体名で検索するプレートソルビング機能があります。光学系の焦点距離、センサーの大きさを入れてOKをクリックすると自動的に色調整される仕組みです。
 
10 カラーバランス調整3
私の場合、成功率が低いです。今回もダメでした。
 
11 カラーバランス調整4
仕方がないので普通の色修正を行ます。RGBモードではエリア選択ができないのでRGBのどれかを選びます。
基準になるバックグランドのエリアをドラッグして選択し、「この選択を用いる」をクリックします。
 
12 カラーバランス調整5
対象となる天体のあたりを選択し、下の方にある別の「この選択を用いる」をクリックします。これはホワイトバランス用の参照エリアです。
 
13 カラーバランス調整5

Background Neutralizationをクリックするとこうなります。

 

14 カラーバランス調整6

右下の適用をクリックするとこうなります。

右下に盛大な光害によるカブリがありますが今の表示は自動ストレッチモードで見ているだけで実際にはまだこのストレッチは適用されていません。これからトーンカーブの調整によるストレッチを行います。

 

15 ストレッチとカブリ除去1

中央下のディスプレイモードから線形を選択します。

 

16 ストレッチとカブリ除去2

これが現状の画像です。真っ黒。

 

17 ストレッチとカブリ除去3

画像処理からヒストグラム変換を選択します。

 

18 ストレッチとカブリ除去4

ヒストグラムの下に並ぶアイコンの内、歯車のあるアイコンをクリックするとオートストレッチと同じトーンカーブが適用されます。この後、カブリ補正をするのですが、目下の経験則からするとここまでカブリが強いと修正が効きにくいので少し弱めます。ほとんど重なっていますがトーンカーブの足下の三角をドラッッグしてトーンカーブを寝かせます。

 

19 ストレッチとカブリ除去5

スクリーンショットではかなり暗めですが「まーまー」な程度?です。これで適用をクリックして確定します。

 

20 ストレッチとカブリ除去6

画像処理からBackground Extractionを選択します。

Samples per lineはバックグランドのサンプリングの細かさ、 Toleranceは補正の強度(許容度)。

画像全体に渡るカブリの傾向的な補正なのでサンプリング数は少なめの20にしています。これで生成をクリックします。

これが生成されたサンプリンングポイント。これで適用をクリックします。

注:修正です。Toleranceのパラメーターで設定するのは明るい部分をどこまで天体として許容するかのようです。上の例はどうも使い方を間違えています。右下にある強いカブリには緑のドットが乗っていません。これはSIRILがこの部分を天体の一部として認識し、カブリ補正の対象が外れている事を意味します。強くカブリ補正を効かせたい時はToleranceを大きくして広い範囲を背景としてSIRILに認識してもらう事が必要です。

 

21 ストレッチとカブリ除去8

カブリはかなり減りました。

 

22 ストレッチとカブリ除去9

カブリが減ったところでもう一段階、ストレッチ。これでカブリもまた増えます。

 

23 ストレッチとカブリ除去10

再びカブリ除去処理。

 

24 ストレッチとカブリ除去11

全体に赤みが強いですが、これはこの先のPSCCによる処理で修正する事としてこのままファイルを保管します。

 

24 ファイル保管

別名での保存は保存ボタンの右横の下向き矢印をクリックするとダイアグラムが開きます。ファイル名を打ち込み、右下からフィアルフォーマットを選択して保存をクリックします。

 

24 ファイル保管

PSCCでの処理を16bitでやりたいのでサンプル形式は16ビット非負整数を選択して保存をクリック。

 

25 PSCCでの処理

基本は以下と同じ処理なので詳細は省略です。

とまあ、こんな感じでフリーソフトのSIRILで一連の画像処理の基本部分はカバーできます。処理速度が早いので最近はDSSよりもこっちを使っています。

 

<追加訂正>

フォトメトリック色補正でプレートソルビング失敗としていましたが、M27ではなくN27と入力してました。

そりゃ見つからない。

やり直したらできました。上が結果です。

 

前のバージョンになりますが蒼月城さんの以下のYoutubeコンテツはSIRILの操作が丁寧に説明されています。私もこのYoutubeコンテツでSIRILの操作を学びました。

 

https://www.youtube.com/watch?v=aa08TuMhR9Q&lc=z22nu5lbqmrggtrfcacdp434mykt4blsexmy1zlkg51w03c010c&feature=em-comments

 

2021/02/13 更新です。 「バージョン 0.99.8が出ました。」

プレートソルビング後、写野にある天体の情報表示をする機能、スタック時に除外するフレームの閾値設定などができるようになっています。

 

 

https://siril.org/download/2021-02-10-siril-0.99.8/

 

2021/03/31

以下をアップしています。