昨晩「SPECTER」を観たので、感想をダラダラと書いていきたいと思います
途中まではネタバレなしですので、まだ観ていない方もご安心を
今作を観てまず思ったことは「前作・前々作に比べるとそこまで重くはなかった」
TRUMP・LILIUMはかなりズシッと来るラストでしたが、SPECTERは前二作の前日譚となるので「この人とこの人はこんな繋がりが!」といったような衝撃が上回った気がします
SPECTERはかなり前二作との繋がりがあるので、まだTRUMP・LILIUMを観ていない方はぜひ先にそちらを観ることをおすすめします
あと、今作はTRUMPシリーズ恒例のギャグが少なめだったような・・・?
ダリ卿とかナスターシャムみたいな笑いを取りにくるキャラ(?)もいなかったですし(いちおうそれらしきキャラがいたような気もするが影が薄すぎた&つまらなかった)
あ、ちなみに僕はダリちゃん大好きです
一切ネタバレなしの感想だとこれぐらいが限界ですね
短いんですが、これ以上書くとポロっとネタバレしそうなので・・・
とにかく、今作もぜひ観るべき!!
今すぐにでもAmazonでポチッとしましょう!
あ、DVD付属のパンフレット(小冊子)はネタバレ含むので鑑賞前に見ないように!
では、ここからはネタバレ込みになります
TRUMP・LILIUMのネタバレも含みます
3作のうち、ひとつでもまだ観ていない方はここから下は絶対に読まないでください
今作は過去シリーズと同名人物がいるので
TRUMPのガ・バンリ(=ノーム)→バンリ
SPECTERの臥萬里→萬里
リリー→基本的にLILIUMのリリー
ソフィ→基本的にソフィ・アンダーソン(=ファルス)
とします
萬里の妻のリリー・萬里の本名のソフィに関しては出てくる場面が少ないので、文章中に出てきたら読んで区別できるように書いていきます
まずは
萬里!萬里!!
ガ・バンリというキャラクターは「TRUMP」の中で僕が一番好き(ダリ卿と甲乙つけ難いけど)なキャラクターなので、「萬里」と聞いて興奮しました
萬里=バンリなのか?でも年齢や性格が合わないよな?
すると今度は真の名はソフィだとか言い出して・・・
ソフィ=萬里=バンリ!?いや、そんなことありえないだろ!とか混乱しながら観ていました
まさか萬里がバンリ・ソフィにあんなに深く繋がっているとは思いませんでしたね
萬里はこれまでのソフィ(TRUMP)・リリー(LILIUM)に比べてかなり行動的な主人公でしたね
ソフィとリリーは周りに翻弄されがちでしたから
気性は荒いながらも優しさもあり(ただし32歳にしては子供っぽい?)、終盤殺された時は本当に辛かったです
萬里には生き残って欲しかった
ただ、TRUMPシリーズの人物としては比較的幸せに死んでいったのではないでしょうか
メッタ刺しという無残な殺され方とはいえ、守りたいものを守って戦いの中で死んだのですから
しかも守った相手は自分の息子(おそらく)ですからね
燃やされる・イニシアチブで自害させられるなどの他の人物の最期に比べればマシと言えると思います
また、ノーム=バンリだったわけですが、序盤のノームを見ていて、あれが後のバンリだと気づけた人はいないでしょうね
ノームの死は劇中で予言されていましたが、TRUMPを見ていた時にバンリがウルにあっけなく殺されてしまったことを思い出しました
当時はなんでこんなにあっさり・・・と思いましたが、ここに至る伏線だったんですね
萬里の妻のリリーを殺害したヴァンプは「片目が銀色」
さすがにそんな人物出てきてないよな・・・?と思いました
もちろん「片目が銀色のヴァンプ」はいませんでした
しかし、「片目が覆われているヴァンプ」ならいました
SPECTERパンフレットに載っている短編小説「ドナテルロ回顧録」でこの事実を知って卒倒しそうになりました
グスタフも結構好きなキャラクターだったので、まさか彼がそんなことをしていたなんて・・・
しかも萬里の妻だけでなく、多くの人間を殺しているそうです
スパルタの厳しい先生だとばかり思っていましたが、まさか殺人鬼だったとはね(._.)
ちなみに、萬里の妻が「リリー」であることは何かに関係があったのでしょうか?
萬里が「リリー・・・」と言った瞬間、リリーを思い浮かべてドキッとしましたがね
まぁあのリリーはこの当時まだ産まれていませんし、直後に「死んだ」と言われたことから別人だと分かりましたが
この伏線、どこかで回収されてましたかね?
見落としたのか、今後回収されるのか、偶然の一致か・・・
*追記
特典ディスクの繭期ナイト内で末満さんから「子供にソフィと名付けることで因果が続いていくということを示したかった」との話がありました
つまり、ソフィ(萬里)とリリー(妻)という繋がりがソフィ(ファルス)とリリー(鞘師)に受け継がれてしまうということですね
萬里が「ソフィ」という名前をノームに渡し、ノームが赤子に名付けてしまった・・・
ここからファルスとリリーの因果が始まるわけですね
3014年も後(リリーがクランにやってくるのは2214年後)の話ですが
せめて萬里が名を明かさないか、ノームが別の名前を名付けていれば・・・
ちなみにノームがソフィと名付けるチャプターのタイトルは「因果は結ばれる」
クラナッハに関しても分からないことだらけです
間違いなく彼がLILIUMで歌われていた「庭師」のはずですが、「或る庭師の物語」の歌詞とどうもリンクしないんですよね
曲の終盤まではまぁ納得するんですが、最後の「だけど結局 その花も 儚く朽ちて果てるのだ」がしっくり来ません
「枯れた花畑」は恐らく崩壊しつつあるネブラ村or死んだ村人たち
「庭師の亡骸の上に 一輪の小さな花が咲く」は間違いなくソフィのことでしょう
そうすると先ほどの歌詞が合わなくなるんですよね
ソフィは儚く朽ちて果てるどころか、永遠に枯れない花になってしまったわけですから
そして枯れた花畑=村人たち、一輪の小さな花=ソフィと解釈すると「庭師が大切にしていた花」だけ本物の花と解釈していいのか疑問になります
これも誰か人を指しているのか・・・?でも、話の流れ的には植物の花だろうし・・・
*追記
繭期ナイトで末満さんは「庭師=ソフィ」と明言していました
確かにそれはLILIUM鑑賞直後に考えましたが、なおさらしっくりこないような・・・
ソフィが不死である以上、「庭師の亡骸」は比喩表現なのでしょうが、一体何を指してるのかさっぱり分かりません
ソフィが失った思いやりの心・・・とか?(絶対違う)
そして咲いた花はリリーですが、こちらも儚く朽ちて果てるわけではないですし
続編に期待ですかね
それからあらすじに書いてある、クラナッハの「悲恋」というのがよく分からないんですよね
クラナッハがハリエットを本気で愛しているような描写は彼女が亡くなった時ぐらいしかありませんでしたし、そもそもどの辺りが「悲恋」だったのか・・・はっ!!
もしかして、「悲恋」=「大切にしていた花(恋人)が枯れた(亡くなった)」なのでしょうか?
ハリエットよりも前に恋人がいて、その人を亡くしてしまったから花の研究に没頭した・・・!?
いささか飛躍しすぎな気もしますけどね
クラナッハが小屋で花の紹介をしていた際、僕の記憶が正しければ「ファルス」は出てこなかったと思います
巻き戻して確認したわけでもないので不確かですが、それ以外のLILIUMメンバーは全員出ていたような・・・
「秘密の花が綻ぶ」と同じトリックですね
もしかして、順番もあの曲と同じでしたかね?
今回もカトレアが最初で、スノウ・リリーと終わっていたような記憶があります
*追記
もう1度観て確認しました
やはり歌と同じ順(シルベチカはマリーゴールドとスノウの間に挿入)で、ファルスだけ抜けていました
クラナッハが死に際にソフィに
「永遠に枯れない花を あの百合のように美しい花を 君がその手で咲かせてくれ」
と言ったことがそのままLILIUMに繋がっていましたね
セリフを聞いた瞬間ゾッとしました
もうひとつクラナッハに関して分からないのは、なぜクラナッハがアレンのあのポーズをやっていたのか時系列的にアレンの後の話ですしクラウスも劇中でやっていたので、それを見て真似したということも考えられますが
ちなみにあれを見て苦しむクラウスの姿で、この作品がアレン後の話なんだと分かりました
スティグマ、ついに前面に出てきましたね
LILIUMの劇中歌にしては歌詞があまりリンクしていない気がしていましたが、こちらと関わっていたわけですね
ただ、「スティグマ事件」もイマイチ歌詞と結びつきません
そもそも曲は「葬送」なのに、事件は「生贄」のためにやっていたわけで、全く違いますよね
LILIUMの曲とスティグマ事件の繋がりでもうひとつ
この曲はLILIUMの感想を書いた時に「歌詞の意味が分からない」と書いた記憶があります
まさか今作であのような形で出てくるとは思いませんでした
「Eli,Eli,Lema Sabachthani?」とは新約聖書に書いてある言葉で、磔にされたイエスが死の間際に叫んだものです
意味は「わが神、わが神、どうして私をお見捨てになったのですか」
この曲でも神とはいわゆる神だと思っていましたが、どうやらTRUMPを指していたようですね
「TRUMPよ、なぜ私をお見捨てになったのですか(=不死の命を奪ったのですか)」といったところでしょうか?
「祝福」=「永遠の命」という解釈で間違っていないでしょう
北十字星・南十字星の意味するものは今作でも分かりませんでした
*追記
北十字星はクラウス・南十字星はソフィを示しているのではないかという意見を見ました
これはなかなか説得力のある説だなと思います
「北十字星を夢想せば この胸に永劫の虚空の火だけが落ちて」
クラウスによって不老不死にされたソフィは「永遠にひとりぼっち」になりました
あるいは、TRUMPを崇める者はだいたい燃やされるか無残な最期を遂げている(アンジェリコやローザなど)ので、「不死(=TRUMP=クラウス)を望むことなど虚しい」と捉えることもできるかもしれません
「南十字星を夢想せば 失うその贄は愉楽なる刻よ」
ファルスによって操られたクランの少女たちは記憶を操作されていました
リリーはスノウと親友だった記憶を失いました
きっとスノウだって、リリーが親友だった時はあんな塞ぎこむような性格ではなく、まさに演者である「和田彩花」のような明るい性格だったと思います
「愉楽なる刻」を「不老不死を得る」ことによって失ったと考えても良いのでは?
若干無理があるような気もしますが、当てはめようと思えば当てはめられそうですね
それにしても、ローザの生への執着はウルのそれを思い出させました
ウルの方がはるかに思いやりがあり、好感の持てる人物でしたが
最後にソフィに斬りかかったところ以外は他人を犠牲にする素振りは一切ありませんでしたし、そのときもすぐに改心していましたよね
でも、短命なダンピールならばローザのようになってしまうことはそれほど珍しいことではないのかもしれません
長生きしたいと思うのは当然でしょうから・・・
バルトロメの「命ってあっけないな」というセリフがなかなか心に刺さりますね
最期の「ごめんね 繭期ってのは自分たちではどうにもならなくてさ」というセリフもね・・・
彼は脇役だと思っていましたが、クラナッハとのやりとりでかなり重要な役どころを果たした気がします
ところでダンピールで思い出しましたが、SPECTERパンフレットの年表に「マリーゴールドが母親を殺害」とありました
繭期の影響もあったのでしょうが、結果として母親は死に、父親は(恐らく)行方知れず・・・
彼女もまた孤独だったのでしょう
両親を失ったダンピールというよく似た立場のソフィはマリーゴールドに親近感を抱いたのかもしれません
年表からもうひとつ
ソフィはアレンとメリーベルの血を引いているということで、ネブラ村とどのあたりで繋がったのかと思っていましたが、メリーベル自身がネブラ村の創設者だったそうです
カルロがクラナッハの小屋で「創設者が恋人の死を悼んで湖に身を投げた」という言い伝えを話していましたが、この創設者がメリーベル、恋人がアレンだったわけですね
その湖の畔へクラウスが来ることになったのも因縁を感じます
ところで、メリーベルがロダンの曽祖母・ソフィがロダンの孫なので、ソフィはメリーベルの5代後の子孫ということになりますね
年表によるとこの間約86年しかないのですが・・・
いくらダンピールが短命とはいえ、若干期間が短すぎる気がします
クラウス役は初演と再演でクラウスを演じた山浦さんという方だったんですね
「なんか雰囲気違うな、でも話し方はクラウスだな」とか思ってましたが、とんでもないですね
これが本物のクラウスでした
パンフレットの年表にはいろいろ仮題のついた出来事がありました
末満さんが舞台化を考えているものでしょう
血の戦争を描く「sacrifice TRUMP」、ラファエロとアンジェリコの友情と決裂「COCOON」、シルベチカが塔から身を投げる「LYCORIS」などなど・・・
特に「LYCORIS」だけは(仮題)と付いていないので、近いうちに舞台化されるのかもしれませんね
シルベチカ×キャメリアもいいですが、LILIUM劇中ではわずかに示唆される程度だったキャメリアとチェリーの関係がとても気になるので、ぜひやってもらいたいものです
僕が一番気になるのは「雪月花」
LILIUMから3000年、リリーがスノウと瓜二つの少女に出会い、ファルスと再会する・・・
この一文だけでゾクゾクしてきませんか?
ファルスはリリーが生きていることを知って何を思うのでしょうか
あやちょがいつ卒業しちゃうかも分からないですしハロメンもどんどん成長してるので、できるだけ早くやってもらいたいですね
この辺りは「不老不死」のデメリットと言えるかもしれません
見た目が変わると・・・という
他の人が演じるのとどっちがいいかと言われたら難しいですがね
*追記
繭期ナイトで末満さんが「これまではソフィ三部作、次はデリコ家三部作を作ろうと考えている」と話していました
ウルもラファエロもダリちゃんも大好きなのでぜひ観たいのですが、それより先にスノウを・・・
リリーとファルスももう1度見せてくださいお願いします
また何か思い出したりしたら追記・新記事で
P.S.
観終わった直後のメモ
メチャクチャ・・・