こんにちは、デンタルスタッフ育成講師の大林尚子です。


今日は、私にとって大切な日です。


私が母親になった日。


5年前、私は息子を出産し母親になりました。




息子を産んで、私の人生観は変わりました。


「バリバリのキャリアウーマン」になりたいという強い意志はありませんでしたが、

1人の女性として、それなりに楽しんで過ごしていました。


仕事も、プライベートも、充実した日々でした。


妊娠が発覚しても、何ら実感がなく、

「マタニティライフを楽しんでね~」と言われても、

どう楽しんでいいのかわからず、妊娠前と同じ生活をしていました。


幸い、つわりがなく、逆に快調だった妊娠中でしたので、

日に日に少しずつ増えていく体重も気にせず、

いつも通り仕事をこなす毎日でした。


さすがに、お腹が目立ってきた妊娠後期は、

歯科治療に来院された担当の患者さんから、仕事中に走ることを注意されたのを覚えています。


産婦人科で「少し安静にしてください。」とドクターに言われても、

どの程度安静にしておくべきなのか分かりませんでした。


臨月に入るまで働き、

逆子が治らなかったため、計画的帝王切開でしたので、

仕事をお休みして2週間後には出産しました。


出産は帝王切開でも感動しました。


自分のお中から出てきた我が子に、感動しました。


妊娠中、全然我が子の想像がつかず、イメージもパッとせず、実感もなかったのですが、

はじめてお乳を飲む我が子に、とてもとても愛おしく感じたことは今でもはっきり覚えています。




息子を産んで、得たものがたくさんあります。


自分じゃない誰かを、こんなに真剣に自分を後回しにして優先できる存在。


それは一生続く訳ではないので、貴重な体験をさせてもらっています。




息子を産んで、私の生活は一変しました。


産休、育休から復帰して、またバリバリ仕事をするつもりでいました。


出産前と同じように働けると思っていました。


ですが、就業時間は朝8時半~夜7時半。


どう考えても、保育園だけじゃ無理でした。


周りのサポートもありませんでした。


主人も、私の実母も、正社員として働いている中、

私一人に負担は全部かかってきました。


保育園からのお熱の電話があっても、私しか迎えに行けません。


辛そうな息子の看病で心は痛み、仕事には穴をあけ迷惑ばかり。


我が子にも、職場のスタッフにも、肩身の狭い気持ちになるばかり。


息子をこんな辛い思いをさせてまで、私は働くべきだろうか?


スタッフにもこんなに迷惑ばかりで、私は邪魔じゃないだろうか?


自分の存在が小さく小さくなってしまっていました。


泣けば済むわけでもないのに、辛くて悲しくて、悔しくて。


そこに追い打ちをかけるように、当時のチーフから、

「あなたはプロとして失格です。ほかのスタッフもかなり迷惑しています。

このまま働かれても迷惑になるので、辞めてください。」

衝撃的な言葉をもらいました。


チーフは、私よりも4つ年上の子育て経験者でした。


しかも歯科助手で、パートという存在。


人生の先輩として、もらいたくない言葉でした。


悲しすぎました。


協力やサポートしてくれる周囲の存在がほしかった時期に、

冷たく突き放された言葉は、私にとっては凶器でした。


職場の院長は、チーフと対立した私をかばって下さいましたが、

そこは女社会の場です。


かばえばかばうほど、どんどん私は肩身の狭い居心地の悪い場所になるばかりでした。


1か月は頑張って働いたものの、

チーフからのいびりは続き、退職することになりました。


表向きは、息子の体調が悪いから。


こんな退職の仕方ありませんよね。


とても悔しかったです。


「女の敵は女」だと痛感しました。




こうして、息子のおかげでフリーランスの第一歩を踏み出せました。


悔しい思いしかしていません。


もし、あのまま何の問題もなく、壁もなく、正社員として復帰できていれば、

そのまま一般歯科診療所のしがない歯科衛生士で終わっていたかもしれません。


悔しい思いがあったからこそ、私は頑張ってフリーランスの道を登っています。


まだ見晴らしのいい景色までは到着しておりませんが、

その先に見える景色を楽しみに、今も精進しています。




母親になった記念すべき日。


息子のおかげで強い女性になっています。