こんにちは、デンタルスタッフ育成講師の大林尚子です。


私はコミュニケーションスキルがデンタルスタッフにとって

一番大事なスキルではないかと考えています。


どんな未熟な歯科衛生士でも、

どんなベテランスタッフでも、

コミュニケーションスキルがなければ、

患者さんとの信頼関係もそうですが、

スタッフ同士の信頼関係、

院長との信頼関係が築けないと

長い時間を共有する人間関係は構築されません。


コミュニケーションスキルのひとつ、

今回は「観察力」についてお話ししたいと思います。



観察力がコミュニケーションスキル?と思われる方も

いらっしゃるかもしれませんが、私は一番大切だと考えています。



たとえば、気分が悪そうにしている人に

「大丈夫ですか?」と声をかけます。


この、気分が悪そうにしている人とは、

その方を観察して、そう思う情報です。


では、気分が悪そうに見える人とは、どんな人でしょう。


顔色が悪い。


口に手を押さえている。


しゃがみこんでいる。


表情がとても辛そうにしている。


人によっては、表には出さずに

気分が悪くしている人もいるかもしれません。


他にもいろいろあるかも知れません。


気分が悪そうにしているのに、それに気づいていない人は

「今日ね、一緒にランチ行かない?」

と誘うかも知れません。


本当は気分悪いのにランチには行けないと断ると、

誘った方は「何が嫌なのかしら?」と思うでしょう。


気分が悪いのに断れずに、無理に一緒にランチして

後でキツイ思いをする人もいるかも知れません。


はたまたその反対で、

いかにもきつそうにしている人に「大丈夫?」と声をかけると、

「大丈夫。元気よ。」と返事をする方もいるかも知れません。




「実は、この前の治療ね、痛い思いをしたの…」

言いづらそうに私に伝えてくれる患者さんがたまにいます。


「どうなさったのですが?」と伺うと、

前回の治療のことを詳しく話してくださいます。


言わば、小さなクレームなのです。


嫌な思いをされたことで、「やっぱりあなたが良いわ。」と、

わざわざ私のいる日に予約を取ってくれる患者さんも少なくありません。


もしかすると、心の中では嫌だと思っていても、

言えない人、結構多いと思います。



さて、歯科業界に置き換えてみましょう。


もちろん、ベテランスタッフと新人スタッフには経験の差があります。


そこは変えられない事実です。


ですが、観察する眼を養えば、

ベテラン以上にコミュニケーションスキルがアップするかもしれませんね。


まずは、

「この人の今の状態はどうなのかしら?」と観察してみてください。


「この人はどんな人なのかしら?」と観察していてください。




気づきましたでしょうか?




観察することとは、

その人に興味を持つことなのです。


観察することとは、

その人に思いやりの気持ちをもって接することなのです。



仕事に置き換えなくても、

人間関係にすべて当てはめることができるのではないでしょうか?



「観察力」


簡単そうに見えて難しいです。


だって、自分の気持ちが落ち込んでいたり

気分が乗らなかったり、

辛くてきつい状態であれば、

他人を観察する余裕なんてないのですから。