スタッフとの「埋められない壁」の隙間から育成コンサルティング
歯科医院専門スタッフ育成講師の大林尚子です^ ^
熊本地震のあと、不安の中で法人化して10年。会社とともに成長してきました
気づけば、法人化して10年が経っていました。
「10周年だから、何か記念になることをしよう」
そんなことを考える余裕もなく、目の前の仕事に必死で向き合っているうちに、いつの間にか10年。
振り返ってみると、決して順風満帆なスタートではありませんでした。
産休・育休から復帰して、わずか1か月で退職
私が正社員を辞めたのは、今から16年前。
息子を出産し、産休・育休から職場へ復帰した、わずか1か月後のことでした。
当時は、産休や育休を取得するスタッフがまだ少なかった時代。
院長先生には理解していただいていましたが、周囲から十分な協力を得ることが難しく、仕事と子育てを両立しながら正社員として働き続けることを諦めました。
本当は、辞めたくありませんでした。
歯科衛生士の仕事が好きでしたし、それまで積み重ねてきたキャリアもありました。
それでも当時の私には、退職以外の選択肢が見つからず、泣く泣く職場を離れました。
あの退職がなければ、今の私はいなかった
あの頃の私は、正社員を辞めることを「キャリアを失うこと」のように感じていました。
けれど今振り返ると、あのまま正社員として働き続けていたら、今の私はいなかったと思います。
退職後、私はフリーランスの歯科衛生士として働き始めました。
そして、ひょんなきっかけから法人化し、会社を立ち上げることになりました。
明確な事業計画があったわけでも、経営者としての知識や自信があったわけでもありません。
ただ、自分にできることを模索しながら、一歩ずつ進んでいきました。
熊本地震のあと、不安の中で法人化
法人化したのは、2016年の熊本地震で大きく被災したあとのことでした。
生活も仕事も、これからどうなっていくのか分からない。
先の見えない状況での法人化でしたから、期待よりも不安のほうが大きかったことを覚えています。
「本当に私に会社を経営できるのだろうか」
「これから仕事を続けていけるのだろうか」
そんな不安を抱えながらのスタートでした。
経営についても、会社のお金についても、ほとんど何も分からない状態。
歯科衛生士として患者さんの口腔内を見ることはできても、決算書や会計の数字を読むことはできませんでした。
領収書はどう管理するのか。
帳簿とは何なのか。
会社のお金と個人のお金は、どう分けるのか。
法人化してから、必要に迫られるように経理を学び始めました。
今思えば、右も左も分からないまま、よく会社を立ち上げたものだと思います(笑)
コロナ禍で、初めてビジネスの基礎を学んだ
少しずつ仕事を続けていく中で、今度は新型コロナウイルスの感染拡大が起こりました。
訪問することが当たり前だった仕事が、突然できなくなる。
人と直接会い、現場で伝えることを大切にしてきた私にとって、これまでの働き方を見直さなければならない大きな転機でした。
そこで私は、初めて本格的にビジネスの基礎を学び始めました。
自分の経験や知識を、誰に、どのような形で届けるのか。
自分が提供できる価値を、どのように言葉にするのか。
必要としてくださる方と、どうやって出会うのか。
良い技術や知識を持っているだけでは、必要な方には届きません。
届けるための仕組みをつくることも、仕事の一部なのだと知りました。
法人化をきっかけに経理を学び、コロナ禍をきっかけにビジネスを学ぶ。
振り返れば、その時々に起きた出来事が、私に必要な学びを与えてくれました。
会社を成長させたのではなく、会社に成長させてもらった
この10年間、私が会社を成長させてきたように見えるかもしれません。
けれど、本当は逆なのだと思います。
私は、法人化とともに成長させてもらいました。
経営者として判断すること。
自分の仕事に責任を持つこと。
数字から逃げずに向き合うこと。
自分の経験や知識の価値を、きちんと言葉にして届けること。
そして、一人では何もできないと知ること。
会社を続ける中で、私は多くのことを学ばせてもらいました。
BRILLIAは、私にとって単なる屋号ではありません。
私自身の成長の過程そのものです。
思いどおりにならなかった経験が、今の使命につながった
フリーランスになり、さまざまな歯科医院に関わる中で、私は多くのスタッフの悩みに触れてきました。
仕事は好きなのに、人間関係に悩んでいる。
頑張っているのに、認めてもらえない。
結婚や出産をきっかけに、働き続けることを諦めようとしている。
院長とスタッフの思いがすれ違い、医院全体が苦しくなっている。
その姿を見るたびに、16年前の自分と重なります。
だからこそ私は今、
「歯科医院で楽しく、輝いて働くスタッフを増やしたい」
という思いで、医院改革コンサルティングやスタッフ教育に携わっています。
私にとっての「楽しく働く」とは、ただ仲良く、楽に働くことではありません。
自分から患者さんや医院のために考え、行動できること。
そして「輝いて働く」とは、自分らしさや強みを生かしながら、イキイキと仕事ができることです。
16年前、働き続けたくても続けられなかった経験があるからこそ、スタッフが安心して成長できる医院づくりを支えたいと思うようになりました。
あのときは「失った」と感じていた出来事が、今の私の仕事と使命につながっています。
すべての出来事には、あとから分かる意味がある
人生には、そのときには意味が分からない出来事があります。
できれば経験したくなかったこと。
思いどおりにならず、悔しかったこと。
もう終わりだと思ったこと。
けれど、それが新しい人生の始まりになることもあります。
正社員を辞めたこと。
熊本地震で被災したこと。
不安の中で法人化したこと。
コロナ禍で働き方を見直したこと。
その一つひとつが、今の私をつくってくれました。
11年目にして、やっと地に足がついた
そして11年目を迎えた今。
やっと、やっと、地に足がついたような感覚があります。
これまでの10年間は、目の前の仕事に向き合い、走りながら考え、必要なことを必死に学び続けてきました。
自分は何を大切にしたいのか。
誰の、どのような力になりたいのか。
自分の経験や強みを、仕事としてどう届けていくのか。
迷いながら進んできた点と点が、ようやく一本の線としてつながってきたように思います。
もちろん、すべてが完成したわけではありません。
けれど今は、自分が進む方向と、果たしたい役割がはっきり見えています。
10年かかって、ようやくここまで来ました。
そして、ここからが本当のスタートなのだと思います。
ここまで関わってくださった、すべての皆さまへ
法人化して10年。
決して、私一人の力で歩いてきた10年ではありません。
仕事を任せてくださった院長先生。
一緒に学び、成長してくださったスタッフの皆さん。
応援してくださる仲間。
支えてくれる家族。
そして、これまで出会ってくださったすべての皆さまのおかげで、今の私があります。
本当にありがとうございます。
これからもBRILLIAは、歯科医院で楽しく、輝いて働くスタッフを増やすために。
院長とスタッフの思いをつなぎ、患者さんによりよい医療が届く組織をつくるために。
これまでの経験を力に変えながら、私らしく一歩ずつ進んでいきます。
11年目のBRILLIAも、どうぞよろしくお願いいたします。
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