ナポロ達のクラブはは180開脚をストラドルと呼んでいるので私もそう呼ぶことにする。

今日はダンスの日。

先週は休み、先々週は2週続けてジムだったので、今日は久々のダンス。

インストラクターは、別の人だった。この人のほうが厳しそう。
ナポロは厳しい人が好き。

このクラスには12歳以上の中学生スイマーもAGに入っていないビギナー~中級レベルの子達も強制ではないが参加している。が、今日はあまり参加者がいない様子。

クラスは最初音楽がかかっていた。

音楽の好みもこのインストラクターは違うよう。レディガガだ。これもナポロ好み。笑


ダンスをよく知らないのだが、走りながらステップで空中開脚するのを何と呼ぶのだろう?
いつも練習に入っているのだが、ナポロは驚くほど下手である。
ダンス経験者なのに。。。。

その後、「魔のストレッチ」が始まった。ナポロには魔でも何でもないのだが、うちのクラブは体の硬い子が多いので、ストレッチをみんな嫌がっている。

ジュニアまで全てを含めたクラブ総勢40人近くの中でナポロが一番柔軟性があると言われているが、AG12歳以下の中では次にやわらかいと言われている子は非常にプライドが高い。
まあ、実力も兼ね備えているのだが、それにしてもプライドの高さと目立ちたがり屋ではピカイチだ。

カウントを覚えるのなども早いし、グループ練習などではいつも先頭を切ってやっている。

特にみんなから見られていると、さらに上手くなるのか、そういう体質なのだろうか、輝いている。

ナポロは彼女があまり好きではない。

最初の頃、彼女はいじめっ子なので、嫌いな子や自分より実力が低いだろうと思う子には、非常に冷たい。ナポロと仲良くしている子に、「あなたはチームには下手だから入れない!」みたいなことを言って、それからナポロは嫌っている。

私が唯一読んだことのあるシンクロの小説でカナダだかどこかの国の本なのだが、「プールプリンセス」という本がある。そこに出てくるいじめっ子の目立ちたがり屋に非常に似ている。どちらも実力は兼ね備えているのだが。

が、家の家訓で、(私が勝手にそう思っている。少なくとも私母親の前で口には出してはいけない。)たとえ嫌いな人でも、自分より何かが優れていてその人から何かを学べることがあるのならその人を嫌いにならない努力をする。と諭しているので、最近ナポロは彼女を嫌うのを辞めた。
少なくとも、ナポロよりはブーストは高いし、一応今のグループのトップ2の1人なのだ。


話は戻って、その子もナポロの隣でストレッチ前後180度開脚(スプリット)をやっていた。右足は確実に開くようにとコーチに言われているが、これが出来るのは今のところ二人のみ。左足が出来るのは、左足しか出来ない医者の娘がいるので、これも二人か。ストラドルが出来る人などいない。
これはナポロもあと2センチほどなのだが、確実に床についてはいない。

家でのストレッチの項目にも入れてあるのだが、どういうわけか、言わないとやらない。

が、今日のインストラクターにとって、(彼女は全くシンクロと関係のないダンスコーチ)右足、左足両方のスプリットに加え、ストラドルがこんな小さな小粒に出来るのは非常にびっくりしたのだろう。
褒めていただいたとのこと。

まちがいない、ここで彼女の出てくる番なのだ。

彼女は移籍してきたナポロを認めているとはいえ、他にスポットライトが当たっているのは許せない。
ましてや、そういうところで注意などされたりすると、この前など涙ながらに抗議していた。

やはりそういうプライドの高い子なのだ。

ナポロはどうでもいいタイプ。ほめられれば素直に喜ぶし、注意されれば素直に直す。
負けず嫌いだが、プライドは私や彼女のように高くない。

例の小説を思い出した。

例の小説では、このいじめっ子が、主役の女の子のスイムキャップ(カナダはラテックスが主流なのか??パウダーを使うようだ。。。)に、大量のパウダーをわざと入れる場面がある。
で、彼女がキャップを被ろうとすると、大量のパウダーが顔に降りかかり、パンダのようになってしまうのだ。このいじめはさすがにひどい。

世界中探してもあまりシンクロを題材にした小説と言うのは見つからないかもしれない。
私は図書館の相互貸し借りを得て、回りまわって私のところに3日日間だけ貸してもらった。
あまりにも現実的な内容なのでナポロにも貸してあげた。

ナポロもあのプールプリンセスはうちのクラブのあの子に似ているといっていた。

何はともあれ、ストラドルが出来るようになってよかった。