ブログを書き始めて10日ほど経ったのに、まだ主役となっている娘に名前がついておらず、今後も何かと不便なのでニックネーム(ブログネーム)をつけることに。。。

練習帰りの車の中でいろいろ考えたところ、娘から発言。

「ナポロ」

非常にいい響きである。かわいい。

まあ、どうしてこうなったかはその、数十分ほど前まで見ていたダンス系のテレビで出ていた出演者の名前をもじったのである。

これからは、ナポロでいく。

さて、練習を迎えに行き、駐車場に車を停めて、いつもの道を歩いていた。

昨日、ハロウィンが終わったので、プールにつくまでの歩道のデコレーションなどは外されていたのだが、しばらく飾ってあったので、何となく今でも、樹木からガイコツドクロがぶら下がっていたりしているような感覚を思い起こした。

私の前をある父親と小さな男の子二人が歩いていた。父親が私に挨拶してきたので、私も挨拶を。
その父親のTシャツになにやらいろいろ文字が書いてあるので何気なく見ていた。

で、そのいつもガイコツドクロがぶら下がっていた辺りを通ると、その樹木のところから小さな声が聞こえてきた。

「あれ~、あのガイコツドクロってなんか声を発するような仕掛けだったっけ???」

と、何気なく思いながら、ふとその樹木を見たら、

なんと、

黒いTシャツを着た男の子が木に潜んでいるではないか。。。。。オバケ

本当にびっくりして発狂してしまった。

「わ~、びっくりした。」と思わず言ってしまった。

肝が飛び出るかと思うくらいびっくりした。

その父親の別の子供だったみたいで、

「この子にやられちゃったみたいですね。。。」と言われたので、

「本当にびっくりしたわ。。。。omg」と言って、恥ずかしかったのでそのまま早めにその場所から退散。


心臓によくない。


さて、今日はプールの中に最後の練習日だからか、k選手が入っていた。
モデルのように背が高く(たぶん178~180センチくらい??)、足も非常に長く、クレーンか、ベントニーの練習をしていたようだが、「わ~、すごい!!」という足の長さであった。

今日は30分も練習を見ていないのだが、最後の30分はルーティンをちょっと進めることになったようだ。今日はk選手が最後だと言うことで、そして彼女をいつも思い出せるようにというコーチの発案で彼女がちょっとルーティンを考えてくれることに。

曲が緩やかになるところの中盤部分で、K選手版フラワーを作ることに。。。。。
4,4に分かれてバレエレッグ~ダブルバレエレッグの変形をやるレッガーと、その下から持ち上げて手の動きをやる土台に分かれた。

やはり、レッガーの方が花形なので、みんなやりたがっていた。

コーチは、トップの二人をまずレッガーに選んだ。
その後である。

ナポロと数人を除く、殆どの子が手を上げてあと2人の枠を、「私やりたい!」「私やりたい!」と手を挙げていた。

ナポロはこういう場所では絶対にしゃしゃり出たりしない。

コーチは、
「あなたは、バレエレッグ、まっすぐにあがらないからダメ」
「あなたは、綺麗に上がらないからダメ。」
「あなたも出来ないからダメ。」などと、ことごとく潰していき、

考えている様子であったが、

ナポロのパートナーであるRと4枠目にナポロを選んだ。

そして、土台になる残り4人をレッガーのパートナーになるよう1人ずつ選んでいった。
そこで、先週ポジションを取って代わられたCは、自分が本当に外されていることを悟ったようだ。

残念ながら、彼女は自分の位置(+実力)を気づいていなかったようだ。

最初の競泳でも、下手なのに、体が大きいからと思っているのか、何なのかいつもナポロの前を泳いでいる。ナポロはいつも追いついてしまい、前に行きたいようだが、行かせてくれないらしい。

どのデモンストレーションでも必ず「私がやりたい!」と手を挙げる。

絶対に自分は外れないと思っていたのか???

挙句の果てにこの前の土曜日には、ナポロとスモールルーティンを組みたいと申し出てコーチに断られていた。笑


あれだけのへこたれない居座った度胸はナポロにもあって欲しいものだが。。。。

が、さすがに、4人しか入れない土台には選ばれなかったので、コーチに、「先週Iと場所変わっちゃったけど、これでIが私の場所に入ることになるの??じゃ、私は補欠になるの??」と聞いていたようだった。

この高度な技術を要するフラワーは、10歳以下もいる12歳以下のグループの子供達に30分で教えるのはあまりにも時間がかかりすぎて結局タイムアップで次回やることに。。。。

プールから上がってきたナポロは、
「ちゃんとカメラとお土産持ってきてくれたよね???」
と聞くので、

「それは忘れなかったよ。。。(昨日の図書館のあとなので。)」と答えた。

一番面倒を見てもらったAG12歳以下グループの中でK選手が今日が最終日だと言うことを知っていた人はあまりいなかったようで、練習中に聞いてびっくりしている子供達もいたくらいだが、用意周到な私達は、先週からカードもギフトも用意していた。

全て手作りで心がこもっているのだ。どれも大したものではないが、ハートから伝わっていると分かるものである。

が、みんなの前でうちだけ渡すのもなんなので、ちょっと待っていることにした。

最初に写真を撮っておこうと言うことになり、ナポロと一緒に写真を。。。

たぶん、彼女の腰の部分にも行かないような小さなナポロの為にかがんで一緒に写真を撮ってくれた。

「あなたはとてもよい選手だし、頑張り屋さんだわ。」とナポロに言ってキスをしてくれたようだ。
それが、彼女の国のやり方なのかも。。。

私は小さな声で、「あなたに渡したいものがあるの。」と言った。

ナポロは、「カードを書いたの。」とピンクの紙袋を渡した。

カードは例のペーパークラフトを用いた力作である。「これ、あなたが作ったの??」と聞いていたので、「私が作ったのよ。。。」と私が答えた。
ギフトは、暗くてよく見えなかったようだが、まあ、うちに帰って明るいところで見れば、繊細な日本のタオル技術を分かっていただけるだろう。タオル工芸なのだ。日本のタオルは世界で一番吸い取りがいいと海外赴任時代に同僚に言われたことがある。

彼女は喜んでくれた。

いつまでもしつこくいるのもどうかと思ったので、さっと引き際よく帰ることに。

帰り際に、コーチが、ナポロは次回からウェイトベルトの負荷を軽くしてもよいと。うちのナポロと土台を持ち上げるようなナポロの3倍以上あるような体型の子と一緒の負荷ではあまりにもナポロがかわいそうであった。最近の練習は沈んでいると言うより溺れている様で惨めであった。

ナポロは小さいのである。

下の娘を迎えにおじいちゃんおばあちゃんの家に寄った。
そこで、ナポロが、今日はK選手とお別れで何だか寂しくなっちゃってね。。。。と言う話をおじいちゃんとしていた。

おじいちゃんが、ナポロがカードやギフトを渡したと言うのを聞いて、
「ナポロがシンクロ留学した最後の日を思い出すようだね。。。今度はあなたが送る番だったのだね。」と言ってハッとした。

本当だ。今度は、ナポロが送る側であったのだ。

ナポロは今でも留学した先でお世話になったコーチや選手のみんなのことをよく思い出す。お誕生日にもらったぬいぐるみや最後の日にある選手のお母さんが作ってくれたイルカのぬいぐるみなどベッドに大切にしているし、机のところには寄せ書きやら写真やらたくさんの思い出を身の回りにおいている。

今まで一緒に練習していたのに帰国によっていなくなって寂しくなるという、送られる側も送る側もどちらも体験することによって、しかもどちらもシンクロでの体験で、また成長していけるのだろう。。。。広いようで狭い世界なのだ。きっとまたどこかで会えるかもしれない。

彼女は自国でナショナルチーム入りをしている。年代が違うので、万が一ナポロが大きくなっても、まあ世界レベルの大会で会うようなことはないだろうが、そういう夢を持つだけでも、楽しみが増えるのでは。。。と思う。


シンクロから学べること、そしてそれから成長できること、これはお金では買えない財産である。

今日もいい練習であった。

K選手は、自国へ明日旅立つそうだ。
Have a nice trip back home!