昨日8時まで練習して今日は朝から土曜練習。

昨日の夜は、最初のハイブリッドを上手に出来ない子たちがいるので、3カウントぐらいずつに区切ってやっていた。最初のハイブリッドで567とカウントする場所は3箇所ある。その最後の部分だけをやっていたのだが、娘 どうやらつかめていない様子。

まあ、いつものことだ。

飲み込みが非常に悪い。覚えたら一生忘れない性質だが覚えるまで時間がかかる。今に始まったことではないが、移籍後のコーチはそんなことは知らない。

全部やれば出来る。

途中からと言うのができないのだ。

私には理解できないタイプの人間だが、仕方がない。そういう子もいるのだ。
下の娘とは大きく違う。

でも、努力でカバーして、最後には頂点を掴み取る。いままでずっとそうやってつかんできた表彰台や去年の実績なのだ。

影で本当に努力してきた。

水曜に出来なかったカウントは、木曜の自主練習でカバーした。
金曜に出来なかった部分のカウントは帰りの車でしつこく練習した。

そうやって、見えないところでちゃんとみんなに追いついているのだ。


今日はダイブタンクでの練習日だ。

当たり前だが、リフトの練習が主だ。

アシスタントコーチは、今日は競泳のほうの大会の練習があるので、数年前までこのチームにいたが、自国へ帰っていった東ヨーロッパの女性がアシスタントとして来ていた。
非常に綺麗な人。シンクロをやる為に生まれてきたような風貌。
今は自国のナショナルチームで泳いでいるとか。そういえば、昨日の練習でもローマの世界水泳の記念ポロシャツのようなものを着ていた。

今のチームで市外に住んでいるのはうちだけだ。

が、このダイビングプールはうちに近い場所にあるので、私達はずいぶん早く着いて、ストレッチをやっていた。他の選手が来てから、ランドドリルを始め、コーチが来てからみんなに話があった。

みんなが一番聞きたい話だ。誰がレギュラーをとるのか?ということだ。
今の所属メンバーは10人だが、8人しかルーティンを泳げないと言うこと。
一人以外はみんな自分が入れると思っている。
年齢では決まらない。12歳が6人、11歳が2人、残りが10歳以下だ。
技術的には去年の全国出場の居残りが4人、中級レベルからあがって来たのが3人、初心者から上がってきたのが1人、まったくの初心者が1人、そして、他クラブから移籍したきた娘だ。

去年の全国最終予選のフィギュアの結果を見ると、娘は全国に出場した4人の成績よりも上回っている。それは移籍前から知っていたことだが、全く持って口に出さないことにしている。威張ってどうなるものではない。最初の大会の結果で分かるはずだ。

コーチは、みんなにまだレギュラーを決めていないと言った。

まあ、嘘だろう。

これから、みんなの態度や食生活、練習時間への遅刻や欠席、そういったものもすべて含めて総合的に判断するとの事。

この10人からソロを除く小さなグループルーティンも作るとのこと。
トップの二人と、娘ともう1人の10歳以下で泳ぐ子には二組だけ別の曲でのデュエットが用意されているとのこと。

これは、移籍前にコーチ直々にお願いしたことだ。
今年はどうしても勝たなければならない選手がいること。そのためには10歳以下でもう一度リベンジなのだ。11歳以上で泳いだら、10歳以下のフィギュアには反映されないシステムに変更してしまったのだ。去年一度も彼女に勝っていない。バラクーダの個別ランキングだけだ。ことごとく負けているのだ。
地方予選でフィギュアでもソロでも一位で通過した井の中の蛙だった娘は、同じ年にあれほど強い選手を見たのは大層な刺激だったようだ。
AG11-12で泳ぐのは構わないが、10歳以下でも一つルーティンを泳がせてくれることを移籍の条件にした。再来年のソロももちろんだが、これだけは娘の中で譲れない条件であったのだ。

話は戻ってリフトの練習へ。

その自国のナショナルチームに入った選手が、プールに入って、土台を作ってくれた。
娘は外されていたので、最初は分からなかったが、土台だけ練習してから上に行くのだな。と理解した。

最初、ジャンパーになる娘を支えるのは初心者だ。どうしてこういう設定にしたのか首を傾げたくもなったが、ただ黙って様子を見ていた。
トップの二人は外されてデュエットの最初の部分を練習していたからだ。

やはり、まだシンクロ初心者で足腰もそう強くない子にジャンパーを支えるのは無理だったのだろう。
デュエットから戻ってきた1人の去年リフトにあがった軽めの子だけどしっかりした子を娘を支える役になったら、これでもか~ってほど娘は高く上がるようになった。

ここからだ。

コーチは、「じゃ、ここでフリップをいれてみましょう!」
ということに。

最初はただ前にジャンプするだけだったのが欲が出たのかバックフリップへ。


娘は非常に怖がりである。

そんなことできるわけはない。

怖さと恐怖心が顔に出ていて、真剣身が感じられない。

プール脇から支えられて何度か練習したが、周りから「私もやりたい!私もやりたい!」というのが出てきて、結局娘を支える役だったちょっと軽めの子がやってみることに。

娘はトイレへ行った。


帰ってきて、自分の場所を変わられてしまった娘は、コーチに「私はどこへ行けばいいの?」と聞いたようだが、「脇で見てないさい」と言われたよう。

かなり傷ついている様子。

確かに彼女のほうが度胸があってダイナミックだし、見栄えがいい。
私でもそう思うので、たぶんコーチもそう思っているのだろう。


そうなると、娘はどこへ行くのか?

今の10人のなかで体は一番小さいし、体重も軽い。
土台は難しいだろう。
本人もそう思ってたのか?

瞬時に自分はチームから外されてしまうと思ったのか、顔が段々泣きそうになってきていた。
幸いこれは練習の最後のほうであったので、続きは火曜日にやることに。

練習が終って、タオルを取りに戻ってきた娘はもう泣く寸前であった。
「泣いてるの?」と聞いたら、違うよ。と言ってたけど、殆ど泣いていた。

「ママはこうなると思ってたよ。」とだけ言った。
与えられたチャンスを無駄にしたのだ。
それは私がコーチでもそうしただろう。

軽ければ上にいけるというわけではない。

「知ってたけど、出来なかったんだもん。。。。」といって本当に泣き出した。
「私はもう行く場所がない、外されるんだ。」といってワーワー泣き出した。


コーチが水中スピーカーのコードを巻き取っていたので、「娘泣いちゃったんだけど、収拾つかないから何か言ってあげてくれる?」とお願いした。娘は、とっても覚えるのが遅いこと+それを陰の努力でカバーしていること、他の選手のように前面には出さないが、非常に負けず嫌いなこと、ちゃんと分かっていたようだ。

あとで聞いたが、娘はジャンパーを取られたかたら泣いていたわけではない。
自分には土台にも場所がないのかと思っていたそうだ。まあ、同じようなものだが。


コーチと、アシスタントのナショナルチームの選手が来て何か諭していたようだが、耳に入っていたのか入っていないのか。。。。コーチにはあるまじき行為に思えたのだが、「あなたが上に行くのだから大丈夫よ。」と言うようなことも言っていた。
そういう軽々しいことは口にしてはいけないと私は思っている。

「あなたよりもLの方が、ジャンパーになる素材を持っているからあなたは土台のひとつとして頑張りなさい!」とハッキリ言ってやればよかったのだ。
本気でやってる子達に、泣いてるからと言って軽々しい言葉をかけるのは禁物だ。


私はこういう状況では全く持って口を出さないことにしている。

みんなに泣いているのは見られたくないだろうと思ったので、シャワーは辞めてそのまま車に戻った。


「泣いて、レギュラーの座が取れるんだったら、みんな泣くと思うよ。」と言った。


本当にまだ子供である。

「泣いたら時間の無駄だし、体力消耗するだけだと思うよ。」とも言った。


私は絶対に同情はしない。
母親も一緒にもらい涙で泣いて強くなれるなら毎日泣いてやる。


与えられたチャンスを無駄にしない。


そういうことを学んでくれたらそれでいい。