取り次ぎ業者さんにサファイアの原石を送ってから一ヶ月半ほどして、研磨完了の連絡が入りました。
私も詳しくは訊かなかったんですが、どうやら、この業者さん、タイかどこかの国の研磨工場に石を送って加工してもらっているみたいなんですよね。
おかげで、加工費用は数千円という破格値でした
私のオーダーは、「オーバルファセットカットかクッションカットのいずれかで、最大サイズ、場面(表面積)大を希望」というもの。
オーバルは長円形のことで、クッションはその名の通りクッションのような角の落ちた四角形のカットです。
「いずれか」というのは、実際に研磨する職人に石の形状やインクルージョンの入り方などを見てもらった上で、どちらのカットが適しているか判断してもらおうということでした。
話によると、サファイアには光学軸があって、軸はあくまでテーブル面に対して垂直になるようにカットしなければ、キレイな色が出ないそうなんです。
私の原石は八面体がちょっと崩れたような形で、素人目にはどの角もクラウン側(上部)になりそうに見えました。
クラウン側が定まれば、自ずとカットも決まって来るはずなので、せっかくのキレイな石を無駄なく最大限活かすには、こちらで形を指定しない方がいいだろうと思ったわけなのです。
とは言え、上手くカットできたか、カットはどちらになったのか、最終的にキャラ数はいくつなのか、待っている間は気になって気になってたまりませんでした
オーバルだったら、こんなスリーストーンリングがいいな
クッションカットなら、モチーフ物にしようかな
と、ジュエリーデザインを考え尽くしたところで、それはそれはキレイに研磨された裸石が届きました
私好みの正方形に近いクッションカット!
テリテリキラキラでとても美しいです!
色も原石の時より濃くなっています。
写真ではイマイチ再現されていませんが、コーンフラワーブルーに白を少し混ぜて彩度を落とした感じの鮮やかなお色です。
優れたカッターはテーブルとキューレットの位置の調整で、色の濃い部分が正面に広がって見えるようにするそうです。
ということは、この石のカッターがそれを踏まえてキチンと研磨してくれたということ
グッジョブです
ルースを観察していたら、どうしてカッターがこの石をクッションカットにしたのかわかった気がしました。
写真の左下の部分に茶色いモヤ〜っとしたものが広がっていますよね。
モヤ〜を拡大するとこんな感じ。
実はこの茶色い内包物(酸化鉄らしい)、膜状になっていて、石の中心部にまでかかっているんです。
正面からはモヤモヤした部分しか見えませんが、それは膜状内包物が切り子面のふちに重なるよう巧みにカットしてあるから
つまり、カッターはできるだけインクルージョンが目立たないように計算してこのカットにしてくれたというわけです。
直接依頼したわけじゃなくても、手を抜いたりせず、ベストを尽くしてくれたんだなぁとすっかりうれしくなりました
手にのせてみたの図。
結構存在感があります。
この成功にすっかり味を占めた私は、またどこかにいい原石が転がってないかなーと、もっぱら二匹目のどじょうを探しております
今度はルビーがいいかなぁ