明日の昼過ぎに妻が帰宅する。そんなことを思うと急に体の節々から音のない悲鳴が聞こえるようであった。

「あとひとつ寝るとママに会えるからね。」
そう言うと、2歳9ヶ月の長男は、何も言わず、うんとうなづいた。

9ヶ月の次男坊と2歳9ヶ月の長男と向き合った10日間が間もなく終わろうとしている。1ヶ月前に妻に「言っておいでよ」といったものの、はて前日に妻から「本当に大丈夫?」と聞かれたときには正直不安が襲ってきた。両親は遠く離れていて、いざとなったら頼れるものはいない。頼れるのは自分だけ。そういった環境で子供二人とともに生活ができるのか。病気をしたら?熱を出したら?肺炎が再発したら?怪我をしたら?何かあったら?元来心配性なこともあり、リスクはすべて事前に解消しておきたい。妻がパワポで引き継ぎ書を作成してくれた。保育園の送り迎え、毎朝持って行くもの/やること、帰宅後にやること、ごはんについて、医者について、夜について、などなど細かく注意事項を写真付きでピックアップしてくれた。僕はこれをTodoリストに打ち込むこと、毎日70項目。よくやったよ、毎日全部。

しかしこれはルーティンの作業であり、実際には予期せぬ事が多々起きる。ついにストレスがピークの3日目(日曜日)の夜、あまりに聞き分けのないイヤイヤ大王と化した長男を大泣きさせてしまった。正直自己嫌悪に落ち込み、素直に長男に詫びた。「ごめんよ、パパが悪かったよ」(ほんとうにごめん)

月曜日から保育園に預ける事ができ、自分一人の時間がとれるようになった。自分自身とも向き合う。子供たちとの会話、仕草、表情を読み取り、試行錯誤しながら軌道修正をしていく。彼は本当はなにを感じ取ったのか。どこまで理解しているのか。そして自分の至らなさを。

ひとつ小さな壁をクリアした気がする。

子供たちと向き合うことで、実は自分自身と向き合うことができたのではないだろうか。押し流されていく日頃の会社生活の中では決して得ることのできない、とてもとても大切な経験を積ませてもらったよ。ちいさな王様たち、そして妻に感謝。

これが僕の夏休み2010。
毎日書こうと思っていたのだが、日頃慣れていない育児をしていると普段と違う筋肉を使い、正直ヘトヘトで子供と一緒に寝てしまう。夜中に二度三度と起こされ気がつくと朝。。。

さて、今週水曜日に初めて2歳9ヶ月長男の保育園の遠足に参加した。せっかくだもの我が子がどんなことをしているのか、自分も経験しなくてはということで。

朝9時に、みんなに長男のパパだよと紹介され11人の2歳から4歳の子供を前に、
元気よく「よろしくお願いします~」と(汗)
「よろしくお願いしま~す」と子供達の大合唱。

さて、出発~と、バスに乗り、、大騒ぎするかと思いきや、いやみんなおとなしく乗っている。バスを降りたら、ワイワイ!公園に到着。

とたんに、全員走り回る!!!

ゲートボールをしているお年寄りの邪魔をしないように回り道。
「あれ、水が出ていない!?」保育士さんが公園事務所に電話したら、9:45 に水が出ますと。ほーらすぐに水が出てきたよ。川の流れができた途端、あっという間に裸になる子供達。水しぶきをあげ、歓声をあげる。

僕も水をかけられ、 シャツ、ズボンはびしょ濡れ。。仕方なく上半身裸になる中古浪。(知り合いには見せられません;汗)長男は甘ちゃんモード全開で、「こっち においでよ、、(僕はパパと一緒だよ)」と自慢げに、僕を遊びに誘う。

そういえば、バスの中で、「今日はパパは休みをとって一緒だよ」と言う と、
やった~、やった~、わーい!わーい!」と大きな声で喜びを表していたね。

パンツマンたちが11人。滑り台、ブランコなど、大いにはしゃぐ。

ひとしきり騒いだら、お弁当タイム!みんな自分でお弁当を出して準備完了。全員で「いただきます~!」の歌を歌って、「いただきます~!」の大合唱!

長男も食べ始めた。ちゃんとほうれん草も食べるじゃないか、きみ。なんだかお弁当を食べてる姿を見ると、嬉しくなってくるね。鮭としらすのおにぎり、コロッケ、卵焼き、ハム、ほうれん草のおひた し。全部食べた。しかも、もりもりと。はじめて見たよ。

と、その時、携帯が鳴る。なんとイタリアにいる妻からの電話。
「うん、うん。ほら、空を見てよ。雲が走ってるよ。」「じゃあね、バイバイ」
電話が終わって、彼は言った。
「ママと会えて(?)嬉しかった!」と。いやはや、君はよく我慢してるよ、母親なしで。

それから、全員でお昼寝タイムに。
すやすや眠る我が子や子供達を見ていると、なんだか普段の生活が本当の世界なのか不思議な感覚にとらわれる。

風が心地よい。ゆったりと時間が過ぎて行く。

5時起きで、見よう見まねではじめて作ったお弁当。
全部平らげた姿をみて、こんなに嬉しくなるとは思ってもいなかったよ。
寝顔を見ながら、そう思った。

この日から、何かが変わったような気がする。なんだろう、この心地よい、今まで味わったことのない感覚は。

はじめて、彼と向き合った記念すべき日なのかもしれない。

僕の夏休み、ある日のできごと。




今朝、妻がイタリアに旅立って行った。結婚してから、長男、次男の出産、子育てと怒濤のごとき日々に押し流され、一息つく間もなく走り続けてきた彼女へ、僕ができる最高のことをしてあげたかった。彼女の20代最後の誕生日プレゼント。

自宅を出てから成田空港に行くまで、さらに飛行機に乗り込むまで、ずっと、子供達のことを気にしていた。子供たちはどうしている?とか。暫し子供のことを忘れて、いろんな意味でリフレッシュして欲しい。いってらっしゃい。

さて、家にはというと、2歳9ヶ月の長男坊、9ヶ月の次男坊と中古浪の男三人。以前から話していたとは言え、普段と変わらない仕草でバイバイとする長男。そういえば、昨晩妻の成田エクスプレスのチケットを買いに出かけようとしたとき、「僕も行く!」と長男がついてきた。「もう8時だよ、もう寝る時間だよ」と言っても一緒に行きたいと言う。自転車に乗せて駅までの道。

長男「空にスターが見えるね。あれは何?」
僕「あれは飛行機だね」
長男「そうだね」
僕「そういえば明日からママは飛行機でイタリアに行くんだよね」
長男「そうだよね。僕はパパと一緒だから大丈夫だよ」と。

本当に愛おしく抱きしめたくなったよ。

そして今日。思った以上に子供たちはストレスを感じているのだろう。

なんたって今まで一日だって離れたことのない母親がいないんだから。

朝から次男は7.3度の微熱。大事をとって保育園をお休みに。長男は保育園に行きたくないと言い出す。プープをし始め椅子から動かない。時間だけが過ぎていく。無理強いすることはしたくない。保育園には行くんだよと耳元で優しく諭すと意を決したように椅子から降りた。心がざわざわしてるんだろうね。

無理矢理ではなく時間をとってあげよう。

せかすことなく玄関で待っていると自分でテレビを消して来た。そして着替えをしていざ出陣。外を見ると雨。次男を抱えながら、しかたなく自宅からタクシーを拾い保育園に向かう。保育園では至って普通。泣くこともなく長男とバイバイをし次男を肩から下げ小雨の中を自宅に戻った。

それにしても主夫業も楽ではない。当たり前だが大量の洗濯物。今日だけでも洗濯機を3回まわし、浴室乾燥機に干す作業が続く。そして大量の洗濯物を畳む。近くでは9ヶ月の次男坊が畳んだばかりの洗濯物を次々と。。笑う。そして一緒に遊ぶ。作業を効率よく進めようなどと思ってはいけないのだ。これは仕事ではない。今このときは二度とこない。こうなったら楽しもうと心に決めた。

まだ9ヶ月の次男坊。キャッキャと笑い、大騒ぎしたあとは、すぐに眠くなる。ぐずる。泣く。そりゃそうだ、泣けばみんなが動く。

「僕は大王様だからね。君たちは僕(しもべ)なんだからね。」
「はい、その通りでございます。お殿様。」

それにしてもよく寝る。一息つこうと離れると泣く。「はいはい、もう一緒に寝てしまいますよ」と言いながら僕もしばし夢の中へ。

昼食の離乳食を作り食べさせ、ミルクを飲ませ、、あっと言う間に時間がすぎていく。焦るなよ。こんな時は二度とないぞ。自分のランチなんて二の次だね、本当に。そしてまた遊び、寝て、もう長男の迎えの時間に。。

保育園では、長男はいつも通り迎えを待っていた。2階に次男の汚れ物をピックアップに行って1階に下りてきたら、長男が汚れ物の袋を手に抱え待っていた。「ありがとう。」気が利きすぎて心配になる。もっと自分の好きなように生きていいんだよ。いい子になんかなって欲しくないんだよって心の中で彼に語りかける。

三人で帰宅したらすぐにお風呂に直行。だが長男は入りたくないとだだをこね始めた。(いいよ。心がざわざわするよね。)

夕食は、次男坊に離乳食を食べさせる。猛烈に食べる食べる。熱は下がりもう大丈夫。
その間、長男はミルクを飲みながらミッキーとマックイーンのDVDを観ながら待っていた。
「僕のご飯は?」
「今すぐ作るから待っててね。お昼は何を食べたの?」
「何も食べなかった」
(本当?)「そうか。今晩はお魚にしよう」
夕飯は、ご飯をお変わり!と威勢良く言ったはいいが、やはり食欲はあまりないようだったね。喜ばせようなんて考えなくていいよ。

食後、次男坊に処方された薬を飲ませる。薬の後にお口直しにミルクを飲ませた。あっと言う間に、ミルク200mlを一気飲み。本当に次男はパワフル。母親がいないことなんて関係ないのかな、きみ。

早めに動いたにも関わらず、あっと言う間に時は過ぎ、普段寝る時間になってしまう。本当に時間が経つのが早い!次男坊を寝かしつけしていると、長男が寝室に入ってくる。そりゃ、そうだろ。僕をほっといてずるい!ってことだろう。次男坊は本当に長男が好き。うれしそうに笑う!、雄叫びをあげる!興奮して寝かせるどころではなくなった。もういいや、疲れ果てるまで遊んでしまおう!そう心に決めてクタクタになるまで遊び倒した。

疲れてスヤスヤ寝息を立てる次男坊。長男は普段は絵本を読み聴かせしながら寝るのだが今日はDVDが観たいと。観ていたら途中で僕が先に夢の中に。気がついたら彼も寝ていた。

怒濤の一日が過ぎた。結局、僕のできることをやるしかないのだ。

これが僕の今年の夏休み。