世界的に名高い二人のスティーヴンがいます。

共に同世代で、1970年代から映画や文学のエンターテインメントの世界の第一線で活躍し続けている現役の作家といえば、誰しも思い当たるのは、スピルバーグと※キングの存在でしょう。

その人気の秘訣は、いつの時代においても、単純明快な娯楽性に徹する姿勢を忘れないところ。
忘れないというよりも、人々が普遍的に抱いている興味本位の心理を巧みに操るための “驚きのツボ(points)” を刺激することこそが、彼らの作家的スタイルであり、そこを変えてしまえば存在価値すら危うくなりかねません。

ただし、単純明快さが背負うマイナスの宿命として、品行方正を保たなければ立ち行かないという厄介な縛りがあります。
老若男女が一瞬に楽しめて共感を分かち合える作品(大ヒット、ベストセラー)には、わかりやすさが欠かせませんよね。

二人のスティーヴンの作品には、ヴァイオレントやグロテスクに塗(まみ)れたお行儀の悪い場面もお約束のように登場しますが、それを見せる意図は単純明快のセオリーに忠実に従い、狙いは正確無比です。

だから、彼らによって与えられる恐怖や驚きのパッションの数々は、お行儀正しいが故に何の後遺症(後味)も残さず、※特別な感慨を呼び覚ますこともありません。
時に深いテーマ性が匂うことがあっても、それを解釈する視点は、作者が提示する一つの方向に限られ、異なった読み取りや見方を許さないように仕上げられています。

それは、エンターテインメントのあるべき姿でもあるのですが。

 

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スティーヴン・エドウィン・キング:Stephen Edwin King...のスペルから、ファーストネームは “ステファン” では?という疑問も感じさせますが、スペルこそ違えど発音上では「ph = v」という互換性があります。
「stephen = steven」で、同じく “スティーヴン” と発音表記されます。
日本語の「五月 = さつき」という重複読みのニュアンスが、わかりやすい例になるでしょうか。

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お断りしておきますが、自分は彼らを否定しているわけではありません(苦笑)。
自宅のライブラリーの中には、スピルバーグが手がけた『未知との遭遇(1977年)』が、コレクションとして加わっているし、キングの原作や脚本からなる海外ドラマ・シリーズの数々も、毎回楽しんで観ています。
もちろん、彼らの作品から多大な影響を受けたり、信奉してやまない方々もいるでしょう。
自分にとってはそれ程でもない、好みではないというだけです。

 

♪「Black Sabbath(Live at Hammersmith Odeon, London 1982/1/1)」:Black Sabbath
http://youtu.be/M9ieyJQxgW8





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