学生時代の数ヶ月間、先輩の紹介で某広告代理店のデスクに腰掛けました。
TV局にコマーシャル・フィルムを届けたり、各地の放送局の営業所にタイムテーブルを貰いに行ったり等、体のいい使い走りのポスト(アルバイト)だったので、与えられたデスクに腰掛けるのは、ちょっとした休憩の間くらい。
真向かいには、別の部署から異動して来たばかりのコピーライターが、所狭しと積み上げられた辞書や原稿に溺れるように、デスクにかじり付いていたりします。

あーでもない、こーでもないと、顔を見ればいつも※バルザックのような風体で苦悶しているキャラクターから、自分はそのコピーライターを “バルさん” と呼んでいたのですが、「もー、なんだよそれ、害虫駆除隊の親分みたいだからやめてくれ」と(笑)、“ザックさん” に改めました。

そんなザックさんの口癖が、「もー、出来へんことだらけやんかー...ほんまにもー...堪忍してくれよ、もー!」で、つまりクライアント(広告主、顧客)からの制約が厳しい現状に嘆いているんですね。

どだい、商業デザインというものは、クライアントやユーザーの顔色をうかがうことが前提にあり、条件付きが行き過ぎた日常では、自分のスタイル(個性やエゴ)などは、端から求められていないのです。

方法論が限られたなかで、目的やテーマが明確に定まるという効果も勿論ありますが、商品 = 消耗品という性質上、広告も商業デザインも使い捨て上等で、いつの時代においても移り気で無味乾燥です。
時には、度肝を抜くユニークな表現に目を奪われることもありますが、それも大衆をいたずらに驚かせるような、瞬間的なインパクト(流行)ありきで、肝心のテーマ(商品)が見逃されていたり。

TV業界にしても、スポンサーならびに世間の目(視聴率)に気を取られてばかりでは、当たり障りのない番組内容に終始するしか仕方もありませんよね。

では、その解決策は?と問われても、そこは商業デザインや世間の目などとは関わるつもりもない自分の知ったことではありません(笑)。


^※
【オノレ・ド・バルザック(Honoré de Balzac:1799年~1850年)】
▼Wikipedia
http://goo.gl/GKuGNS



♪「A Quoi Je Sers...(En Concert 1989)」:Mylène Farmer
http://youtu.be/-ksv-t7NOsk








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