リアリズムのヴィジョンを、一心不乱に追及して具現化することは簡単なことです。
只々情報量を詰め込んで、※描き込み倒せば、自ずと精度は上がります。
一方で、シンプルなヴィジョンを生み出すことには、かなりの(考えを伴いながらの)集中力や、センス(鋭い勘)が問われます。
これまでの話に鑑みて...なんだ、物事をシンプルにするなんて、AIの十八番じゃないの?...という疑問(矛盾)が浮かぶことも無理はありませんが、例えば、彫刻の制作工程に目を移せば、理解し易いでしょうか。
彫刻は、鉱山(採石場)から切り出された大理石の塊に対して、作者が頭の中に思い描く完成形を発掘するように、鑿(ノミ)で削りながら理想的な仕上がりに近付けて行きますが、一見、無駄な面を削っているようにも思えて、実は削った余白の空間にも、実体(実像)の構成に深く関わる要素(意味)が、余韻として残り続けます。
つまり、※作者の試行錯誤の残像ですね。
AIがその工程を担った場合、単純な引き算の理論(設計図)に従いながら、ただ削り出すだけです。
彫刻に限らず、そういう作者の試行錯誤の引き算の軌跡は、絵の描写や、物語の構成等にも同様で、余白が醸し出す効果を感じて、そこに意味が見出だせたり、想像力が膨らむことがあるでしょう。
シンプルで、荒削りでありながらも、存在感や魅力を湛えた絵やキャラクターの数々...人それぞれの脳裏に浮かび上がり、思い入れも傾くはずです。
その親しみ易さは、人の手(感性)によってのみ生み出されます。
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絵も描き込みを重ねれば、上手く見えるという誤魔化しの手法も有効だったりします(笑)。
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粘土で芯に肉付けして行く工程(足し算)も然りです。
♪「The Sun, Moon & Stars」:Babe Ruth
http://youtu.be/4y1C6LEGPzc



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