■Soen「Lotus」2019年2月1日リリース
01. Opponent(5'44")
02. Lascivious (5'37")
03. Martyrs (6'08")
04. Lotus (5'24")
05. Covenant(5'42")
06. Penance(6'17")
07. River (5'21")
08. Rival (5'51")
09. Lunacy(8'05")
元※OPETHのドラマー、マーティン・ロペスが率いるバンドだけに、音楽性は聴くまでもなく察しがつくことでしょう。
なので、両者の類似点や相違の云々について、詳細を検証するのも野暮に思えますが、敢えて似て非なるフィーリングを覚えるのは、かの※TOOLが好む冷徹な耽美主義の影響が見え隠れするところ。
異形(森羅万象)への錯綜した愛や慈しみを、オルタナティヴな手法で音楽に具象化するという、あそこまで明白なものではありませんが、マーティンのそのTOOLへの傾倒が、OPETHからの脱却に繋がりを見せるのか、その逆もまた然りなのか、何れにしても、ミカエル・オーカーフェルト(OPETHのオリジナル・メンバーにして音楽性のイニシアティブを握るリーダー)に重なる、研ぎ澄まされた美意識を理論化しない限り、こういう巧みにコントロールされたプログレッシヴ・メタル的な音の世界観は生まれて来ません。
ただ、近年のOPETHの中枢が、往年(1970年代)のプログレッシヴ・ロックやブリティッシュ・ハードロックといった古典に接近し、その深みを見据えて究めて行く方法論に特化しつつあるのに比べれば、このSOENの視野(好奇心)は幅広く、TOOLのモダニズムのそれに近い、自由な匂いを感じます。
それにしても、下手をすれば散漫な展開に陥る危惧をはらんでいるのですが、何よりも端的に楽曲の出来映えや構成のセンスが魅惑的です。
良い意味で、微妙に希薄で冷めた音の印象に、OPETHよりも親しみやすい(聴きやすい)手応えがありますね。
抽象的な喩えになりますが、OPETH、そしてTOOLにしろ、彼らは深海の底に眠る貝に秘められた希少な真珠を求めて、厳しい水圧や息苦しさに耐え、可能な限り潜り続けたからこそ、オリジナリティという宝物を手に掴みましたが、このSOENは、悪く言えばそういったアドヴェンチャーには挑まずに、潜る最中に深海の底を目視したのみで、見切りをつけて浮上したという弱さがあります。
しかし、見方を変えれば、それも限界を自覚した上での賢明な選択であり、その如才無いセンスこそが、SOENというバンドの武器なのだと思います。
ソングライティングの才の完成形を見た前作「Lykaia(2017年)」の流れから本作に至る姿に、バンドの志向やポテンシャルに限界も見えた以上、今後メジャー・シーンで画期的な存在感を示したり、突き抜けたカリスマ性をまとうことは展望出来ませんが、自分のお気に入りの音楽(アルバム)として、付き合って行きたいという価値は感じています。
個人的な好みでは、「06. Penance」や、アルバム・タイトル曲の「04. Lotus」などは近年にない情緒を揺さぶられ、甚く気に入っています。
侘しさに躊躇いを覚えた時に背中を押してくれるような、辛さの中にも糧や光明が見出だせる佳曲で、目下のところヘヴィー・ローテーションです♪
死に体に微かに覚醒する間合いの浮遊感、限界を知って逆に自由力が効き、柔軟性が増すこともあるのです。
♪Soen「Penance(Official Audio)」
♪Soen「Lotus(Official Video)」
♪Soen「Covenant (Official Video)」
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【OPETH:オーペス(スウェーデン出身のプログレッシヴ・メタル・バンド)】
▼Wikipedia
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【TOOL:トゥール(アメリカ合衆国のオルタナティヴ・ロック・バンド)】
▼Wikipedia






