「お金をお金で塗り固めるなんて品のないことしたらつまらんわ、持っとるお金を増やそうなんてロクな魂胆やないけん...」

子供の頃に耳にした、祖母の言葉が心に残っています。

何年か昔、ある投資ファンドの運営者が、株式相場にまつわるインサイダー取引疑惑を受け、急遽開いた記者会見の模様が、テレビの報道番組で映し出されたことがありました。
こちらとしては、端から疑惑だの釈明だの事情の詳細には無関心で、ただ、腹話術の人形擬きのような風貌をしたその運営者が、集まった記者の面々から矢継ぎ早に放たれる質問に、やたら血眼をギョロつかせながら饒舌(台本無し)に対応するケッタイなパフォーマンスがあまりにも滑稽で、しばし見入ってしまいました。

いや、自分は何であれ騒々しい記者会見の類いを目にするのは苦手で、善くも悪くも目出度くもしんみりも、席上の対象者が殆ど吊し上げられているような状況にしか見えませんからね。

その喧騒の中で、守銭奴の代表者として標的にされ、非難を浴び続けることに耐えきれなくなったかのように、思わず運営者の口から飛び出した台詞があります。

「お金儲けは悪いことですか?!」

おそらくも思わずも何も、きっとそれは本音(信念)なのでしょう。
途端に、嫌なものを目にしてしまったなと、気分が悪くなりました。

汗水垂らすまでもなく、人が我が身のエナジーを燃やして働き、その対価として金銭を得ることは尊いことだと思います。
でも、どだい株式投資というものは所詮は“博打”の類いであり、ギャンブルにまつわるお金というものは、あくまでも汚く醜いもの。
それを忘れて相場の変動に振り回されるように一喜一憂している人たちは、夢中のゲーム感覚に陥っているようにしか、自分の目には映らない。

大胆な投資を決行すれば、上手く運べば“利ざや”も巨額になりますが、その裏には損失に泣き、一家離散や路頭に迷う人たちも大勢いるわけです。
それを慮(おもんぱか)れば、件の運営者の厚顔無恥な台詞は、吐き気止めを飲まなくても口から吐けない。

腹話術の人形擬きが吐き出した姿に、こちらが吐き気をもよおしました。

まぁ、これだけ嫌悪感を出していれば、ペッポコファンドだの物言うピッポコだのビットプッポコなどに関わっている人たちと、互いの人生がクロスオーヴァーするはずもないのですが、日頃、何かと言えば真っ先にお金の話題を持ち出す人の目付きや風貌を見るにつけ、祖母の戒めが心の中の道標を照らすのです。



♪「Jesus Christ Pose(Like at Pinkpop Festival, Landgraaf, Holland, June 8/1992)」:Soundgarden
http://youtu.be/xbMCbKtnFW8












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