僕の井戸 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

自分の人生がすべて正しいとは全く思わないが
自分の信念は貫き通したいと思っている
それが自分の生きた証であるから

自分の人生を真似しろとは決して言わないが
自分の真摯な気持ちは伝えていきたい

そしてこの言葉により潜在的な未来の意識に
新たな芽が出てくれることを今、望むのだ!




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『僕の井戸』

ふわりと舞う落葉を追いかけていたら
深い森にある小さな井戸に導かれた
井戸とはまさに名ばかりで
井筒だけが頑丈にできており
まるで未完成な僕のようだ
ふわりと舞う落葉は見失ったけど
僕はここで自分の井戸を見つけた
今からは僕の井戸を掘り続ければいい


サクりサクりとスコップが刺さる
粘土質な土は僕の小さなこだわりで
大きな転石は僕の煩悩だ
井戸の周りで世間様が井戸端会議を始めた
井の中の蛙だと笑っているのだろうか
反骨心が僕を奮い立たせ
世論が犬の遠吠えと聞く
いつか湧き出る水をビジョンとして
それが温泉だったらと希望を膨らませ
清らかな水が僕を解脱させると信じた


あのひと言が全ての原因なのだろう
別に思い貯めていた訳では無く
自然と口から出て自分でも驚いたぐらいだ
そこに理論や哲学は全くない
ただ少し疲れていただけなのだ
『ひとりになりたい』
このほんの小さな願望が
今の僕の状態を創り上げてしまったのだ


至って普通の家庭に生まれ
苦も無く平凡すぎる暮しを頂き社会へ出た
これと言って自慢できる仕事も与えられず
だからと言って不要だと肩も叩かれない
上司も同僚も仮面をかぶり始めた
恋人までもが仮面を造り始めたという噂だ

ごくごく普通に生きてきたから
せめて死ぬ時ぐらいは華になってやろう
いつしか、死ぬことが唯一の夢となった


井筒に囲まれた時がしばらく過ぎた
僕は泥んこだらけになってしまって
最近のわんぱく小学生よりも汚い
辺りは土の色さえ分からないくらい暗い
スコップはもう十二本ダメになった
すでに此処からの脱出は不可能になっており
助けを呼ぶ行為は体力を奪うだけだ
ゴツリ、ゴツリと煩悩が多く出始めた
未だに湧水は出てこない…



もう、世間の光は届かなくなった
遠い世間の先で僕を呼ぶ声が聞こえる
君はきっと自分の井戸を掘り切ったのだろう
僕ももうじきそっちに行くよ
君の井戸と繋がるまでもう少し待ってくれ

『ひとりになりたくない』
このひと言が君を創造し
明日に挑む勇気を生んだ
『ひとりにしないでくれ』
このひと言で君を想像し
未来を望む元気を生んだ



僕の井戸
それは僕の弱さだった


one ok rock 『the beginning』