あもん史 第四十三章 激闘 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

ライバルと言う文字は好敵手と綴る
敵として好きな相手
それがライバルである
“負けない”という気持ちは互いを意識し始め
己の精一杯の力でぶつかり合うことにより共に成長する
自分の無限なる可能性を導き出すには
本気でぶつかり合うことができる仲間を持つことが必要である


第30代応援団は春先には人数が少なく
新入生勧誘ではあまり効果を生まなかったが
あもん達が引退する1ヶ月前には
3年幹部 男子4人女子5人
2年生 男子3人女子4人
1年生 男子2人女子2人
までなっていた
ここまでそろえば確実に第31代応援団は発足できる
一時は解散説も流れた第30代応援団は
次に応援団を受け継ぐことができる




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(前左からボブ西,あもん,たっひー,EIG)
(後左からベジータ,イグリ,よっしー,カズ,Q)



そこであもん達が決めなければならないのは
第31代幹部である
この選定はOBの意見は一切聞かず
現役幹部だけによって決定される


2年生男子である Q,イグリ,よっしー
2年生女子である わかば,マコ,ナオ,えり
第31代団長は男子で一番初めに入ったQに決定していた
彼が入団した当時からもうそのように育てていたからだ
残りは男子2人である
第31代リーダー部長と第31代親衛隊長である


リーダー部長とは一番に演技のリーダーとなる存在である
よって観客を魅了させる演技が出来ないといけない
そして皆の先頭になって応援をリードしていかないといけない
いわゆる、演技のリーダーである


親衛隊長はどちらかと言えば影の存在であり
団旗と太鼓を守るのが仕事である
派手は動きはしないが団の結束を図るための精神力が必要であり
団長の側近的役割も果たさなければいけない


イグリとよっしー
この二人をどちらに付かせるかが会議の焦点となった
どちらかというとイグリは器用な方であり
何でもなんなくこなすタイプである
よっしーは人一倍努力はするが不器用な所があり
演技面で損をすることが多々あるタイプである
この理由から器用な点でイグリをリーダー部長にするのは適任であり
それが幹部の多くの意見であった


しかし、あもんは一人違う意見を言った

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『よっしーをリーダー部長の立場に立たせ成長させたいんじゃ!』

現リーダー部長であるEIGが言った
『でも、今のレベルで言うと観客を魅了するのはイグリじゃけん』
『応援団の質を向上させるのもあいつじゃと思うで』
あもんは言った
『それはわかっとる!じゃけど立場は人を変えるんじゃ!』
『イグリは確かに器用じゃけん、どちらのポストもこなすと思うで』
『じゃけど、よっしーの弱点は柔軟性じゃ!それを克服させるためにあえてリーダー長の立場に立たせるんじゃ』


誰もが黙っていた
部室に沈黙が続いた




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あもんはキレた

『なんでみんな黙っとんじゃい!お前ら!マジに考えよるんか!』
『やっと手に入れた後継者じゃろう!お前ら!どうでもいいんか!』
『おう!なんとか言ってみんかい!!』



この時
あもんはアローンになった


B’z『ALONE』



キレたあもんを見て
団長たっひーは言った

『今日は一旦、解散じゃ~また、後日やるけんの~』

それを聞いたあもんはドアをバタンと閉め一番に出て行った




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家に帰ったあもんは己と葛藤をした
もう一度ゼロから考えよう


B’z『ZERO』


その後日が来た
たっひーがみんなに聞いた
『みんな。ひとりづつどっちがいいかだけ言ってくれ』

あもん以外のみんなはイグリをリーダー部長に推薦をした

あもんだけが反対をした


たっひーは言った



『よし!リーダー部長はイグリじゃぁ』




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あもんはまたキレた
『ワシはまだその理由を聞いとらんぞ!』
『じゃけ~納得せんわい!』
『ワシが納得する理由をひとりづつ聞くまで納得せんぞ!』









キレたあもんにたっひーは言った



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『ワシが決めたんじゃ!』
『それが理由じゃ!』











団長絶対主義

海田高校応援団に残る崇高なる伝統である
団長が決めたことが団の決まりであり
それに従わぬものは退団である
もし、この時たっひーがこの主義を使わなかったらどうなるのだろ
多分、あもんは暴れていたと思う
それを押さえたのが
『ワシが決めたんじゃ!』という言葉


でも、あもんはみんなの理由が聞きたかったのである
みんなに本気で考えてもらいたかったのである
きっとみんなはあもんを説得させる理由が見つからなかったのだろう
『ワシが決めたということが理由じゃ』
この言葉を聞いた時あもんは初めて納得をした
たっひーはこの収集が付かない会議を見事に終わらせた


きっと、たっひーは
ひとつ上の戦いをしていたのだろう


B’z
『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』







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団長絶対主義

海田高校応援団に残る崇高なる伝統である