そこにあるものを
見ていたら
ずっと見ていたら
新しい日本語が
生まれた
光
これは幻なのであろうか
どうやって存在を確かめればいいのだろう
包み込む器に誇大されすぎて
追い続けると幻視の世界に辿り着いた
日々の光は誠しやかであっても
我々は光を求めて生きていくしかない
幻視を続けているのが難しいと感じないのは
生まれた時から無意識に幻視を行っているからである
幻であるからこそあるものとなって
幻であっても求め続ける
夢
これは幻なのであろうか
どうやって存在を確かめればいいのだろう
意識すると確かめられず
覚えているのはごく僅か
脳の片隅にしまってあるのだろうだけれども
いつ引き出しを開けるかは分からない
デジャブーとは全くもって都合のいい言葉で
夢が存在するという幻覚に惑わされている
美化され続けている幻覚は
我々の無限の可能性を気付かせてくれる
心
これは幻なのであろうか
心の臓とは幻の器官であるから与えられた言葉で
鼓動を理由に存在を得ている
心と体は必ずしも一体ではなくて
体で生きているからこそ我々の存在がある
心の変貌は日常茶飯事であるから
体は心を映しだす鏡にはなれない
幻の海で漂っているのは心地好いから
死ぬまで幻はあって欲しいと所望する
生
これは幻なのであろうか
境はどこにあるかは分からないが
必ずどこかにはラインがある
生きる意義を探したら駄目で
明日歩く意欲を探さないといけない
ここにいるという感触が大事なもので
ここにいない寂しさを忘れてはいけない
生は授かるものではなくて
自分で創り育てていくものだ
生きていけばきっとないものは無く
生きているからあるものはある
人は皆
あるものを探し続けていったとき
ないものの大切さに気付くのである
光・夢・心・生
此処ニ有リ
あもん詩集~あるもの~
終わり