色にあるもの | あもん ザ・ワールド

あもん ザ・ワールド

君へと届け 元気玉

そこにあるものを

見ていたら

ずっと見ていたら

新しい日本語が

生まれた




『赤にあるもの』

年に一度拝見できる紅葉に興奮したり

燃え上がる血潮に体中が麻痺したと思えば

終わりを告げる夕陽に哀愁を感じている

に触れるときはパワーが無いといけない


若と老は紙一重なんて言うけれど

やっぱり常に見つめ続けることはできない

に飛び込むジャンプ台は年々高くなるけど


やっぱり燃え尽きるまで暴れたい

人は皆 あの頃の熱い想いを思い出し目を閉じたとき

自然とこの色の意味を確かめるのである






奮・燃・愁・尽 

此処ニ有リ
















『青にあるもの』



海を眺めると深呼吸したり溜め息をついたり

環海の静寂には必ず必要な色香であったり

爽快のアドレナリンを求めて探し続けている

に触れるときはリラックスが無いといけない


羊水の色彩は記憶に無いけれど

やっぱりいつか帰ってきたいと思い続けている

に帰る余裕は年々無くなっていくけど


どこかに流れつくまで浮かんでいたい

人は皆 記憶の始まりに辿りつこうと目を閉じたとき

自然とこの色の意味を確かめるのである






寂・爽・帰・流 

此処ニ有リ
















『白にあるもの』



雲の色を確かめるには一瞬しかチャンスはない

潔白の心にはいったい何秒なれるのだろう

生を授かっていつまで純粋な瞳でみられるのだろう


に触れるときはノーマインドを意識しないといけない

色のキャンパスには何か描くものだと決まっているけど

染まらない大人になりたいから描きたくない


色は年々黄ばみを増してくるものだから

手が荒れたって漂白剤を染みこませたい

人は皆 在りすぎる色に耐え切れず目を閉じたとき

自然とこの色の意味を確かめるのである






瞬・潔・粋・染 

此処ニ有リ
















『黒にあるもの』



眠りの快楽はだれにでもあるものだが

の恐怖にはいつの間にか慣れてしまっている

密閉されつつある今に気付くのはいつ?


に触れるときはスリルを覚悟していないといけない

足元灯がないと歩けないというのは大人の恥ずかしい言い訳で

歩く先が黒いからこそ勇気は成長していく


何を混ぜても染まらない完璧な世界だからこそ

きっといつか見つかる数ミリの光を目指し あえて彷徨いたい

人は皆 絶え間無く訪れる夜に快楽を求めて目を閉じたとき

自然とこの色の意味を確かめるのである






眠・闇・閉・彷 

此処ニ在リ