ジョジョ哲学 第9章 引力 | あもん ザ・ワールド

あもん ザ・ワールド

君へと届け 元気玉

エンコリオ・プッチ
あもん ザ・ワールド


スタンド名 「メイド・イン・ヘブン」

能力 
地球や月や全宇宙の重力を利用して時間を少しずつ加速していく
そして全生物はその時の流れについていけない
その中で自由なのはプッチと神だけである








君は「引力」を信じるか?
プッチに初めて出会ったディオは言った
そしてディオはプッチに「矢」をプレゼントした










プッチは裕福な家庭で育ったが
同じ日に生まれた弟の死を知った時
神学校へ行こうと決心をした
プッチはこう感じたのだ
運命はなぜ自分ではなく弟を選んだのか
なぜ人に幸福と不幸があるのか?
真の幸福とは何なのか?







あるとき教会を掃除していたプッチは懺悔室にて告白を聞く
それはプッチの弟であるウェスを入れ替えた母親だった
プッチは「事実」の引力を感じていた
そして残酷な現実に遭遇した
実の弟と実の妹が恋に落ちているのだ

その恋の結果は妹の死によって終わってしまった
この結末はいったい誰の罪なのだろう
赤ん坊をすり替えた母親なのか?両親か?プッチか?恋をした妹か?

何も知らないウェザーなのか?
さらにプッチは悩んだ
なぜ赤ん坊の時、夫人は私ではなく弟を連れて行ったのか
なぜ私は教会で夫人の告白を聞いてしまったのか
なぜ私は神父になろうとしたのだ
なぜ人と人は出逢うのだ








そしてプッチはディオに会いに行った







「天国へ行く方法」があるかもしれない
ディオはプッチにそう語った
精神が天国へたどり着くことができると
本当の幸福がそこにはある
幸福とは無敵の肉体や大金を持つことや

人の頂点に立つことでは得られないということは分かっている
真の勝利者とは天国を見た者のことだ
そう語ったディオはプッチに自分の骨を捧げた
最後に「君がどこにいても私は君にパワーを与えるだろう」と言った








ディオの骨は意志を持っていた
天国へ行く方法を実行させる意志を持っていた
その意志はやがて緑色の赤ちゃんを産ませることとなった
ジョースター家の肉体の証である星型のアザを持つ赤ちゃんを産ませた







ディオが空条承太郎に倒され
ディオの言っていた「天国」へ行く具体的な方法が書かれたノートは
空条承太郎によって焼かれてしまった
その記憶をもっているのは承太郎だけだった
プッチは承太郎の記憶を奪うことによりその方法を知った









この二つの現象が重なり合ったのは
「引力」の他にどう説明していいのだろうか
運命が訪れる時 
それは引力が生じた時とも言える





天国への生き方を知ったプッチは待っていた
最後に必要な時を
天国への生き方を知ったプッチは向かっていた
最後に必要な場所を
それは「新月」と「ケープ・カナベラル」だった











プッチは立ちはだかるジョースター家にこう告げた
「イエス様は十字架にかかる運命を背負った」
「聖母マリア様も息子を失う運命にあった」
「人間の幸福において克服しなければならないのは運命だ」
「私とディオにとってのそれはジョースターの血統だった」
メイド・インヘブンは完成した
そしてジョースター家の血統は消滅した









「メイド・インヘブン」を使った世界は加速していった
時の加速は速度を上げ地球は消滅し
宇宙にたどり着いた
さらに時は加速をし
地球を創造した
人類はひとつの終点に到着し
新しい世界の夜明けを迎えた
そして人類は未来の全てを体験してこの世界へ到達した
精神が未来を記憶している 一巡した過去を記憶している
それこそが「幸福」というものである
これがプッチの求めた「メイド・インヘブン」だった











引力を信じきったプッチは引力に逆らうことはできなかった
プッチにとっての最大の引力は実はディオでなない
実の弟であるウェザーだったのだ
プッチの他にひとりだけ世界の循環から逃れられたものがいた

それは幽霊のスタンドを持つエンポリオだった
彼はウェザーのスタンド能力が記憶されたディスクを持っていた
このディスクを使ったエンポリオは「ウェザー・リポート」でプッチと戦った
そしてプッチはウェザーに倒されることなった
引力を信じたものは引力によって消滅されていった














ジョジョの奇妙な冒険は運命の物語である
運命を迎えるのは強い意志が必要となっている
この物語は運命を必死に生きようとした
ジョースター家とディオの生きざまであり
それぞれの信じる道を歩む歴史書でもある
そしてなにより
この世界を作り上げたのは意志の先にある
哲学である



END






明日は『あもんの休日』更新しま~す