ジョジョ哲学 第7章 消滅 | あもん ザ・ワールド

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ディアボロ
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スタンド名 「キング・クリムソン」
能力
この世の時間を数十秒消し去りその中を自分だけが動くことができる
他人の動きを予知するように見ることができる
時間を消されたこの世の全ての人間や生き物はその時間を体験しておらず
記憶はもちろんない








過去というものは人間の真の平和をがんじがらめにする
イタリアギャング団「パッショーネ」のボスであるディアボロの哲学である
過去を消滅する
そうすれば人生の絶頂のままでいることができる







彼は実刑中の女性の体から生を受けた
女性は「父親はすでに病死している 妊娠したのは2年以上前だ」と言った
当然誰も信じなかったがその刑務所には男はひとりもいない
看守もすべて女性だ
原因はついにミステリーとなった






いつからディアボロの哲学が形成されていったかは不明だが
彼は少年の時実の母親を生きたまま床下に閉じ込めていた
そして彼の村は原因不明の大火事に見舞われる
死者名簿の中にはディアボロの名前が入っていたそうだ
19歳になった彼はエジプト遺跡発掘のバイトに参加中に
「矢」を偶然掘り起こした
翌日彼はその矢と共に姿を消した
名前も国籍も偽っていた彼は見つかることは無かった
そしてその矢は「エンヤ」と呼ばれる老婆に高額で売られた
後にエンヤはこの矢でディオのスタンド能力を産ませるきっかけを与えた







ギャング団のボスになったディアボロは
2つの能力によって「過去の消滅」を繰り返すことなった
ひとつは「多重人格」を操られる能力だ
人の精神は時に幼少の時に受けた衝撃などが原因で「心」に亀裂が入り
その部分が年齢と共に別の「人格」に育っていくことがある
別の人格は青年の頃になるとハッキリと日常に現れ一方が他方を支配する
さらにディアボロは人格に加え肉体まで支配することを可能にした





彼のもうひとつの人格を「ドッピオ」と言った
ドッピオは小心者で正体が知られそうになるとキレた
そしてボスの性格が現れ、肉体が変化していくのだ
ディアボロとドッピオの会話は電話で行われている
能力の一部をドッピオに与えることだってできる
そうしてディアボロは正体を明かすことなく行動することを可能とした
ドッピオを見かけた占い師がこう言っている
「君は秘密をもって生きている 光と影、表と裏、2つの人生と言ってもいい」
「しかしその秘密を利用し決してあきらめることの無い性格で常に勝利をおさめている」






もうひとうの能力はスタンド「キングクリムソン」だ
もし万が一彼の前に敵が現れたとしても
彼が能力を使うことにより「彼に会った時間」を消し去ることができ
「彼にあった記憶」さえも消し去ることができるからだ
ギャング団のボスに君臨する彼は「絶頂」を継続させることを望んだ
正体を隠し過去を消滅することが継続する術だと悟った
ある能力が絶頂まで登りきった先にあるのは衰退である

人間は肉体も能力も衰えていく
そんな摂理を覆す力が欲しかったに違いない
このスタンド能力を手に入れたディアボロはこう悟る
キング・クリムソンを見たものはすでに もうこの世にはいない


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しかしディアボロが恐れるものがたったひとつだけあった
「血統」である
かつてディオが恐れたジョースター家の血統のように
彼にも血統が存在していたのだ
彼にはトリッシュという名の娘が存在していたのだ
すぐさま彼は娘を保護するように組織に伝えた
その指令を遂行するのがボスの正体を探るジョルノが所属するグループだった
ディアボロの過去を消滅させる意志と
ディアボロの正体を探る意志との戦いが必然的に始まっていった









繰り返すと
ディアボロが見つけた「矢」はディオのスタンド能力を産ませ
ジョースター家の肉体を持つディオの息子であるジョルノが
ジョースター家の意志を受け継ぎディアボロを倒そうとしている
「血統」と「運命」ということばを証明させるような物語だ







スタンド能力を持つものが再び「矢」に刺さったとき
スタンド能力は新たな力を生み出す
「矢」には意志が存在し刺すものを選ぶ権利があった
「矢」はディアボロを選ばなかった
ジョルノを選び新しい能力「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」を生んだ
ディアボロはその能力に倒される運命にあった




この能力は相手の動作や意志の力を全て「ゼロ」に戻す能力であった
キングクリムソンが予知した未来は「真実」にはたどり着くことはできない
さらにこの力に殴られたものは「死んだこと」さえも「ゼロ」に戻ってしまう
よって何度でも無限に「死んでは生き返り、死んでは生き返り」を繰り返す
死ぬには現象が必要となってくるため
ディアボロは永遠に死に続けるのだ








絶頂の継続を求めたディアボロ
彼はジョルノによって絶頂の力を衰えさせることなく死ぬことができ
永遠に死に続けるから永遠に絶頂の力を継続することができる
これはディアボロが望んだ世界なのであり
ディアボロの運命だったのだ





※この哲学は単行本「ジョジョの奇妙な冒険」の第56巻,58巻,61巻~63巻を参考としています
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