ジョジョ哲学 第5章平穏 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

吉良吉影



スタンド名 「キラークィーン」

能力 第1の能力  
手に触れたものをどんな物質であろうと爆弾に変えることができる
第2の能力
「シアーハートアタック」人の体温をどこまでも追って自撃爆破する
第3の能力
「バイツァ・ダスト」人にとりついて発現するスタンド
彼の正体を知ろうとする人や時間を爆破消滅する  



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吉良吉影は静かに暮らしたい
女性を殺害しその手に恋を抱く吉良吉影には「意志」があった
吉良は常に「心の平穏」を願って生きている
「勝ち負け」にこだわったり、頭を抱えるような「トラブル」とか
夜も眠れないといった「敵」を作らないというのが
彼の社会に対する姿勢であり、それが自分の幸福だということも知っている
そのために吉良は「目立たないように」人生を送ってきた
33歳独身 仕事はまじめでそつなくこなすが、いま一つ情熱のない男
悪いやつではないのだがこれと言って特徴のない影の薄い男
学生のころも音楽、陸上、作文とそつなく賞をとっている
しかしその順位はすべて3位である
大学も2流の大学に通い集合写真でも目立たない位置に立っている
吉良は自分の長所や短所を他人に出さない男だ





もちろんすべてワザとである
「高い知能と能力を隠す」ということが
最もトラブルを起こさないということを知っている
だからこの男が殺人鬼だとは誰も疑わない
万が一見つかってしまっても吉良のスタンド「キラークィーン」の能力によって
肉体ごと消し去ることができるから問題はなかった
目立たない人生は心の平穏を導いてくれる
心の平穏は自分の能力を最大限に使うことができ
「女を殺さないではいられない性格」を満喫できるのだ
彼のスタンドの能力は幽霊となった彼の父親が引き出した
彼の父親にとって「守るもの」は息子だった
「この性格でいることが幸せならそれを守ってやる」という想いによって
キラークィーンは生まれたのだ
ちなみに彼は自分の欲望が抑えきれない周期を
4~5年で現れる爪が激しく伸びる時期だと知っている





「スタンドどうしは惹かれ合う」という運命には吉良も逆らえなかったみたいだ
吉良は空条承太郎、広瀬康一、東方仗助、虹村億康に出会ってしまう
そこで吉良は生涯で一番ひどい日を味わうようになる
吉良には新たな「決心」が生まれた
「絶対に逃げ切ってやる」
この決心が「スタンドどうしは惹かれ合う」という別の運命を生み
吉良を助けることとなる
辻 彩の店に逃げ込んだ吉良は
彼女スタンド「シンデレラ」を無理やり使い、顔を変換させたのだ
そして吉良は再び姿を隠すことができた





吉良吉影には大きな「決心」があった
入れ替わった川尻浩作として平穏に生きるという決心があった
日々筆跡を練習し、自分の性格を抑え
妻と子供を愛す平凡な夫として生きていくことが
平穏に生きるための手段だったからだ
しかしその努力は妻にあっけなく見破られる
だがその「いままでと違う」というものは妻にとって夫の魅力となっていた
魅力のある夫になった川尻浩作を妻は好きになってしまう
彼を初めて疑ったのは川尻早人という彼の子供だった
家族への無関心を演じていた彼は実は家族に関心があった
そしていつしか「ぼくのパパはパパじゃない」と気付くことになる


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川尻浩作になった吉良吉影は爪を噛んでいた
絶望を味わったときの彼の癖だった
正体がバレた吉良は思わず川尻早人を殺してしまったのだ
困惑する吉良に幽霊である親父は問いかける
「もうこうなったら町を出るしかないぞ」
それを聞いた吉良は激怒する
「このわたしが 杜王町から逃げるだとー!」
「このわたしが 追ってくる者を気にして、背後におびえ、穏やかでも安心もできない人生をおくるのはまっぴらだという事はよく知っているだろう!」
「この町は決して出ないぞッ!」
そこには強い「守るもの」があった
「守るもの」はスタンドを成長させる
キラークィーンは第3の能力を持つこととなった






川尻浩作を駅でビデオカメラ撮影している川尻早人に気づいたのは岸辺露伴だった
露伴が早人に会うのは少し遅かった
吉良の第3の能力が発現してしまった後からだったからだ
第3の能力 キラークイーン バイツァ・ダストは無敵だった
吉良の正体を探ったものを爆破させ
そしてその時間さえ爆破する
爆破された瞬間から1時間ほど時が遡る
よって吉良吉影は永遠に誰にも知られることはない
その上一度起きた事実は背景が変わろうが運命として必ず起こるようになる
このスタンドによりジョジョファミリーはみんな爆破され
爆破されたという時も消され時が遡った





川尻早人は絶望した
絶望した上で決心をした
「僕が吉良吉影を殺す」
それしかこのスタンドを解除する方法はなかった
早人の決心は吉良の運命に勝つことはできなかった
勝ち誇った吉良はうぬぼれ始めた
早人になにもかも自分から喋ってしまう
しかし勝ったのは早人だった
彼はひとつの賭けをしていたのだ
消し去った世界で寝坊をしていた仗助をコールだけで早く起こしていたのだ
東方仗助は前の世界より少しだけ早くここにやってきた
しかも吉良が自分で名乗った時、後ろには東方仗助がいたのだ
これは偶然ではないましてや運命でもないと早人は言っている
早人は賭けに勝ったのだ
グレイジーダイヤモンドで襲いかかる仗助をかわすには
バイツァ・ダストを解除するしかなかった
そしてジョジョファミリーが爆破された世界は無いものになった





吉良吉影は事故死をした
スタンドで殺されることは無く事故死をした
顔がズタズタで身元が分からないような事故死をした
誰に葬られることなく
一部のジョジョファミリーにだけ存在を知られ
多くの殺人を犯した罪を裁かれることなく
事故死をした


吉良吉影は死者の魂の通り道で杉本鈴美と会っていた
15年前に吉良に殺された杉本鈴美はこの時を待っていた
吉良を確実にあの世につれていくために
この道で振り向かせることに成功したのだ
吉良は確実にあの世に行った







吉良吉影を思い出す人は少ないだろう
気付かないように生きた吉良は気付かれないように静かにあの世に行った
あの世は吉良にとって平穏な世界なのだろうか






※この哲学は単行本「ジョジョの奇妙な冒険」の第36~47巻を参考としています
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