沖縄特産といえば「泡盛」
インディカ米の原料を黒麹で発酵させもろみを蒸留させる蒸留酒だ
三年以上熟成させた泡盛をクースー(古酒)という
独特の味で人気を二分するお酒である
もちろん、あもんは泡盛を好んで飲む
酒屋で安く購入し、みんなで飲むのも好きだし
居酒屋でひとり嗜むのも好きだ
居酒屋ではグラスではなく一合と水と氷が出てくるのが嬉しい
あもんは泡盛なら水割り、クースーならロックで嗜む
与那国島のアルコール度60%以上の酒は手ごわかったし
宮古島のオトーリという飲み方は恐くて体験したことが無い
島外には出荷しない波照間島の泡波を飲んだ時はちょっと感動した
沖縄は泡盛なしでは味わえない
そんな泡盛の素敵な宴は日々繰り返される
座間味島で再来したダイビングショップで
こんな素敵な宴を体験した
熱帯の魚たちと戯れた僕たちは
このショップで食事をとりログ付けをした
今宵は満月だった
このショップのオーナーが言った
「月見でもしませんか?」
場所は座間味島の人気のビーチ「古座間味ビーチ」
隣のショップのお客さんも誘い
月明かりの下で泡盛を飲んだ
メンバーは今日、船の上で「はじめまして」と言いあった人たち
名前も知らないみんなが満月の下で飲み語る
さざなみの音色で海を振り返って見たら
月明かりで煌めく濃い海の波が幻想的だった
全国からこの満月に引き寄せられた人たちが集まった
この時この島を旅していなければこの宴には参加できなかったし
このショップを再来しなければ参加できなかった
この宴が目的で島を訪れた人はいないけど
きっとこの出会いを目的にこの島を訪れたに違いない
海をも引き寄せる力がある月の引力は
あらゆる人間も引き寄せる力を持っていた
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『島国からの贈物』
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『今宵満月の下で』
2005年9月17日沖縄県座間味島 古座間味ビーチにて
『月は丸かった』と初めて実感できたこの日は
この世に無い色彩のツキカサがあったのだと初めて知った日で
月のうさぎの餅つきがまた見られた
灯りという道具は案外要らないと思ったのは
隣にいる人が月下美人になっていたから
紺碧のビーチも宵の紺碧に投影しているから
月の引力は無限大なるもので
このとき島にいる隣人たちを引き合わせてくれて
これまであったあらゆる心痛を消し去った
今宵は満月の下で時を刻もう
名前の知らない
隣の隣のまた隣の隣の人たちと
この島で
この時に
この満月の下で
出会ったのだから
詩集 『島国の宝物』より
人生テストを解くには
沖縄の離島に旅立つ しかない
次回更新 『ひとりじゃない』