注:この作品はアニメを元にした二次創作です。
次の日・・・この日はセーラがイギリスに四カ月ぶりにインドへの旅から戻った日であった。
予定日より3日も早く着いたこともあり、セーラ一行の出迎えは殆ど居なかったが、唯一居たのがカーマイケル弁護士一家であり、甲板から降りてくるセーラ一行を出迎えたのだった。
カーマイケル「クリスフォードさん、それにセーラさん、お帰りなさい!」
クリスフォード「おお、カーマイケル君、出迎えありがとう!! 予定日より3日も早く着いてしまって出迎えは居ないと思っていたが、よく帰航日が分かったもんだな!」
カーマイケル「はは、クリスフォードさん、私の情報網を侮ってはいけませんよ。 先週には帰航日が早まる情報は掴んでおりましたから」
クリスフォード「そうか、流石ロンドンでも名の知れた一流弁護士のカーマイケル君だ! ははは!」
ドナルド「ふーん、でもそれって僕からの情報だよね。 あんまりお父さんは威張れないんじゃない?」
ジャネット「こら、ドナルド! 余計なこと言うんじゃないの!!」
クリスフォード「こりゃあ、一本取られたな!」
クリスフォード「はっはは!!」
セーラ「カーマイケルさん、ただいま帰りました!」
カーマイケル「お・・・」
ドナルド「お帰りなさい、セーラ!!」
カーマイケル夫人「ドナルド!! また、出しゃばるんだから!!」
ドナルド「ごめんなさい・・・」
カーマイケル「セーラさん、改めてお帰りなさい!」
セーラ「ありがとうございます。 ところでお聞きしたいのですが、私達が居なかった間に学院のことで何か深刻な問題が起きたのではないですか?」
カーマイケル「え!? 何でそれを? まだそれはここにいる誰にも打ち明けていないはずですが・・・」
セーラ「実は少し前から胸騒ぎがしていたんです・・・」
クリスフォード「何だって!! カーマイケル君、それは何なのだ!! 何でもっと早く教えてくれなかったんだ!!」
ラムダス「旦那様! そう興奮されてはお身体に触ります!」
カーマイケル「申し訳ございません。 言い訳になりますが、私が知ったのもつい先週のことで、連絡する手段が無かったのです」
クリスフォード「そうだったのか、声を荒らげて申し訳無い・・・では馬車の中で詳しい話を聞こうじゃないか」
カーマイケル「はい・・・」
とその時、向こうからピーターの声が聞こえた。
ピーター「お嬢さま~!!」
セーラ「ピーター!!」
ベッキー「お嬢様、ピーターの声でございます!!」
セーラ「ええ、そうね!」
ピーターは息を切らしながら、セーラ達の元へやって来た。
ピーター「はぁはぁ・・・お嬢様、遅れてすみません!! 道が混んじゃってて・・・」
セーラ「いいのよ! それより久しぶりね、ピーター! 元気にしていた?」
ピーター「ええ、もちろん!! それにしてもびっくりしましたよ! 予定より大分早く着くって聞いた時は飛び上がっちゃいましたよ!」
セーラ「ふふ・・・良かった、ピーターが元気そうで・・・」
セーラはにこやかに返答はしたが、カーマイケル弁護士が知っている学院の深刻な問題について頭を巡らせると顔が曇るのだった。
ピーター「おっ、ベッキーもいるじゃん!!」
ベッキー「何よ、ピーター! ベッキーもとは!!」
ピーター「ゴメン、ゴメン! ベッキーも元気そうだな!」
ベッキー「ええ、でもインドの暑さと船酔いは地獄にいるようでした~」
セーラ「まあ、ベッキーたら!」
ピーター「はは、そりゃあ良かった!!」
ベッキー「もう、ピーター! 何が良いのよ!!」
ピーター「ごめんごめん!」
セーラ「ところで、ピーター・・・実はピーターに聞きたい事があるのよ」
ピーター「判ってますよ、お嬢様・・・学院のことでしょう?」
セーラ「ええ、そうなの・・・」
ピーター「分かりました、お嬢様・・・でもその前に荷物を馬車に積んでしまいましょう! ベッキー、もたもたしないで手伝ってくれよ!!」
ベッキー「わ、分かってるわ!」
ピーターは置いてある荷物の一つを持ち上げながら、馬車の方へ向かって歩いていったが、ベッキーが荷物を運ぼうと持ち上げた横で、セーラも大きな鞄を持ち上げ運ぼうとしたのだった。
ベッキー「お、お嬢様!! お嬢様は何も持たなくてよろしいでございますよ!!」
ラムダス「そうですよ、お嬢様! 荷物は私達が運びます!」
セーラ「あら、私も運びたいのに・・・」
セーラは自分の持っていた荷物を下ろして運ぶのを諦めたが、 何故か残念そうだった。
クリスフォード「この子は・・・」
続く。