ボクは、そっと下を向いた。

そこには、ぬいぐるみ界でも1、2位を争うぐらい人気の存在がいた。

それは、「犬」 という存在である。

ぬいぐるみでさえ常に上位の彼らは、機械で動いたり泣いたりするものも大人気で、そのシリーズのクマのぬいぐるみは、なかなか伸び悩んでいるらしい。

いつも、師匠の弟はそんなことをつぶやいていた。

その 「犬」 という人間様には大人気の存在で、生き物となれば、ボクに勝ち目はない。

(きっと、この 「犬」 のおもちゃにされ、数か月後には身体中を引き裂かれ、綿を引っ張り出されて捨てられる)

そんな未来像を思い浮かべていた。

(どうしよう……)

ボクには恐怖しかなかった。

 

「……ものだ……?」

かすかに声が聞こえてきます。

明らかに、それは彼女の声ではありませんでした。

「俺だよ、ここにいるだろ。 お前、何者だ?」

その声は、「犬」 から聞こえてきました。