「ここで産まれた子 供たちはどのように扱われるかをご存知ですか?」
オレは首を振った。
「基本的には、人体実験と移植用のサンプルです。 ただここで産まれ、何もわからずに、身体を切り刻まれ、捨てられていくのが役目でした。
この世界の基本は、誰かが幸福に生きるためには、誰かが犠牲にならなくてはいけないのです。 ワタシの周りにいた子供たちも、みんな犠牲になっていったのです。
そんなある日、ちょうどワタシが10才ぐらいのとき、今の所長とお逢いしました。
彼は、ワタシを見てこう言ったのです。
『君はいい瞳をしている。昔の私のようだ。 一緒に来てもらおう』
それから、ワタシは所長とご一緒するようになりました。 そして、今のシステムを学び、ここで産まれた子たちは、全員そのままこの施設で育てることとなりました。
今の所長が、この施設を変えたのです。 そして、ワタシに生きる時間を与えてくれたのです。
何も知らずに身体を切り刻まれることも、大人の性の対象として扱われることもなく、所長は、私たちを守ってくれました」